森山直太朗 活動休止前に歌う節目の1曲『生きる(って言い切る)』をリリース/インタビュー

 
森山直太朗 活動休止前に歌う節目の1曲『生きる(って言い切る)』をリリース/インタビュー

■New Single『生きる(って言い切る)』インタビュー(1/3)

盟友・御徒町凧も緊急参戦! 衝撃の告白も飛び出した新曲「生きる(って言い切る)」のインタビューで語った、森山直太朗の過去・現在・未来

閉所恐怖症と闘いながら水深5mで決死の撮影を敢行したミュージック・ビデオも話題の新曲「生きる(って言い切る)」をリリースした森山直太朗。この楽曲は先に行われた【コンサートツアー「西へ」】のなかで生まれたものだという。今なぜ、人の根幹である“生きる”に向き合おうと思ったのか。その真意を尋ねようと始まった本インタビューではあったが、森山の口からは思いもかけない衝撃告白が飛び出した。彼がそう思い至った経緯や、これまでのこと、今、そしてこれからのことについて、森山自身はもちろん、途中からは森山直太朗を形作る上で欠くことのできない共同制作者であり、盟友の御徒町凧も急きょ参戦して、たっぷりと濃密に真摯に、それでいて和やかに、語り尽くしてくれた。
(取材・文/橘川有子)

1曲残してから旅立つなり、引き蘢るなりしたいなと

――新曲「生きる(って言い切る)」は、タイトルや“今日もまた人が死んだよ”という歌い出しの歌詞も含め、かなりインパクトがありますね?

森山直太朗(以下、森山):そうですね。ご覧いただいたツアー(【コンサートツアー「西へ」】)にも関連するんですが、あのツアーが始まる前……昨年の10月ごろだったかなぁ。そのころに、「一度、森山直太朗の活動を見つめ直そう」という話がスタッフを交えた話し合いのなかで出たんですよ。それは僕からのアイデアというよりはスタッフからの提案だったりもしたので、自分の中でゆっくりと考える時間も必要でした。そして次第に自分の中でも「そうなのかな」って思うに至ったというところもあります。それで、導き出した答えが9月下旬からの“活動小休止”というものなんです。

――えっ!? 活動小休止のために作ったのが「生きる(って言い切る)」なのですか?

森山:やはり節目にもなるので、その前に1曲残してから旅立つなり、引き蘢るなりしたいなと。出すにあたり、今の自分というものがしっかり表現されている曲にしようと思ったので、ツアー中ではあったけれど何曲も作りました。でも、なかなかフィットするものが出来上がらなくて……。そんなときに御徒町(凧)から「生きる(って言い切る)」というタイトルと歌詞をもらったんですよ。それが今年5月くらいだったかな。受け取った時は、9月のこのタイミングで出す曲だと言う意識はあまりなかったし、弾き語りながら曲を作っていくなかでも、「これだ、これだ」みたいな実感も特に無かったんですよ。けど、出来上がったものを周りのみんなに聴かせたら、「ああ、これだね」って。

――歌詞も最初から決まっていたんですね?

森山:歌詞の中身に関してはいろんな流れのなかで決まっていったものなので、うまく説明できないところもあるんですが……。さっき話に出たツアーもそうですが(楽曲の共作者である)御徒町がライブの演出をしています。ご覧になったから分かると思いますが、アンコール最後は概ね「太陽」という曲をやってて。で、その中で“生きる~ 生きる~”って何度もリフレインするんですよね。

――はい、確かに。

森山:ライブで最後に言い切ってることが、“生きる”ってフレーズで、そうやって何度も歌い切ってきたけれど、“生きる”ということに対して深く掘り下げて考えたことがなかったなとも思ったんです。それに対するある種の今の時点での答え合わせがこの歌のなかにあるのかなと。

――なるほど。平静を装っていますが、“活動小休止”宣言に正直なところ驚いてますし、動揺してます。

森山:(にやりと少年のように笑いながら)それはねぇ~、恋ですよ、恋。ふふふふ。失う恐さを知ってしまいましたね(笑)。

――(苦笑)あはははは…。

森山:でもご安心ください! 来年必ずカムバックします。そもそも個人的には俗に言うところの“活動休止”とは捉えていないんです。プロだなんだという前から曲を作って歌ってきて、今周りにいるスタッフはとても付き合いが長い人たちが多いんです。だから(仕事として)歌うことと他のこととの境目があまりはっきりしない。現実的なことに迫られたとしても、たとえば(それを放り投げて)ものすごく遊んじゃうこともある。けど、それをさほど後ろめたく感じないのは、全てが延長線上にあるからなんだろうなぁと。飲み食いしたり人に会ったりすることにもそれ相応の意味があると思っているんです。悪いものを食べれば腹を壊すし、栄養のないものばかりを食べたら成長できないように舞台表現にも同じことが言える。ですから、大きな観点からすれば“活動小休止”も音楽活動の一環です。だからといって大々的に「充電します!」みたいなのも嫌で、だから「小休止」(笑)。

――少しホッとしました。

森山:とはいえ、単純に肉体的な休息が必要なのかもしれないとも思ったりもする。もちろん、みんなに会えなくなるのはすごく寂しいけど、このタイミングで海外に旅に出てスリに遭うとか、そういう経験もしてみたいなと(笑)。

――わざわざスリに遭いにいかなくても(笑)。

森山:そのための財布も用意しようと思ってます(笑)。facebookで何かあれば逐一ご報告しますよ。まあ、それは冗談だとしても、大きくいろんなことをひっくるめて、得難い経験をすることが「楽しく活動するために必要なこと」と僕は捉えているんですよ。

森山直太朗 活動休止前に歌う節目の1曲『生きる(って言い切る)』をリリース/インタビュー

どこか繊細でどこかぽかんとした詞の世界観と表現にたどり着いている

――承知しました。さて、「生きる(って言い切る)」は美しくも淡々と始まりながら、終盤にかけて壮大な楽曲へと広がっていきます。そういったサウンド像ははじめからイメージしていましたか?

森山:最初の僕のイメージは、ギターの力強いストロークで歌う、腰の据わったものでした。ですが、歌いながらそれに対して「こうじゃないんだよなぁ」って若干の違和感も感じていて。その度に、御徒町と相談して、その結果歌詞の主語が僕から俺に代わったりもしました。多分、これまでに(“俺”が主語の曲は)2曲くらいしかないんじゃないかな。

――そういえば、珍しいですね。

森山:“俺”になったことで、自分の歌と歌われる主人公とが重なる瞬間がありました。ギターのループするところがあるんですが、そこは4コードで作っていて、まずそこが浮かびました。そのループに乗せながら歌ってみると、さっき話してくれたような冒頭の、幕が上がるときのポツンとした感じが一致したんです。あとはもう、アレンジしてくださった高野寛さんに委ねました。後に“幸せって何だろう”という展開する部分が加わったりはしたんですが。ただループに乗せて歌っているんだけれど景色がうねっていくものになったと感じます。僕の意識のなかで「こうだったらいいな」「こうなら面白いな」というものを芯で捉えて、さらに場外に飛ばしてくれたなと思いました。

――高野さんとは細部まで密に話し合うのですか?

森山:そこまで細かくは話さないかなぁ。基本的に誰かにお願いする時はその人の感性にお任せします。曲が出来上がった経緯みたいな話はスタッフを介して聞いていると思いますが、戻ってきたアレンジを聴くとこの曲への理解度や音楽そのものへの敬意の払い方がしっかりと伝わるものだと感じましたね。高野さん自身も「こんなにトラック数を使ったことは今までない」って言ってましたが、事実、最後の大きな展開を見せるところはほんのわずかなさじ加減で、場合によっては乱暴なものになってしまう危険性もあると思うんですよ。

――ええ。ある種のフォーマットにはめ込む作り方と、一見、似ていますから。

森山:そう。派手にはなるけど、この曲の持つ本質とは離れてしまったりして、何かを得るために何かは失うみたいなことになりかねない。でもこのアレンジはギリギリのところで、個としても、聴いてくれるみんなとも一致する。“魂の数だけ 魂の数だけ”と最後に歌いますが、高野さんの人柄も関係しているんだろうけれど、きちんと音楽になっているんですよね。それって当たり前のことだけど、ポップスを生業にしているとどこかで分かりやすさや手癖でつい解決を見てしまうことだってないとは言えない。でも、この歌はちゃんとコミュニケーションしたもので“音楽に成って(鳴って)いるな”と感じますね。ありがちなフォーマットに対する気恥ずかしさみたいなものを、高野さんも感じているんだろうなと。だからこそ、どこか繊細でどこかぽかんとした詞の世界観と表現にたどり着いているし、その感度はすごいなと改めて思いました。

――歌入れはいかがでしたか?

森山:基本的には「ああしよう」「こうしよう」とあまり考えずにマイクの前に立とうと思いました。前日に仮歌を入れたときに、初めてオケがついたこともあってすごく……良くも悪くも大きな舞台に立って歌っているような感覚になりました。さっきのアレンジの話ではないけど、少しアンバランスな歌になってしまったんですよ。ボーカルのディレクションをしてくれてる人間(旧マネージャー)に言われた言葉があるんだけど……何だったかな。ねぇ、何って言ってたか覚えてる?(と、隣に座る御徒町氏に尋ねる)

御徒町凧(以下、御徒町):何といったかは覚えてないけど、自分が言った言葉なら覚えてるよ。

――御徒町さんはなんとおっしゃったのですか?

御徒町:あまり難しいことは考えず、ただただまっすぐ伸びのよいストレートを投げるように歌って欲しいと。直太朗の歌って、力強く歌い上げたり優しく歌いかけたりと時代ごとに変遷していると思うんです。「さくら」で広く認知された後は特にどう歌うべきか試行錯誤を続けてきました。そんななかで、(サウンドプロデユーサーの)石川鷹彦さんとの出会いがあって、それは森山直太朗というアーティストにとってとても大きかったんですよ。石川さんが「直太朗、どうしてそんなに難しそうに歌うんだ?」と言ってくれた。それによってただそこにある歌をただそのまま表現するという行為と、シンガーとして歌い上げたいという衝動との狭間で揺れることにもなったんです。なので、持ってる力を全て球に込めてミット目がけて投げてほしいと言いました。歌入れの前にそんなふうに話し合ったのはすごく久しぶりでしたね。

森山:僕はピッチャーに成り代わって歌の理屈を説明はできないけど(笑)、完全に弛緩した状態ではきっと速いストレートって投げられないと思うんですよ。きっとどこかは弛緩しながらも、どこか別では強力な力が働いていないと渾身のストレートは投げられないだろうし、そんな芸当は一日二日でどうにかなるものではないはず。だから、僕はなかば諦めた気持ちになってマイクの前に立ちましたね(笑)。

――インタビュー2へ

≪動画コメント≫


≪リリース情報≫
New Single
『生きる(って言い切る)』
2015.09.09リリース
UPCH-80412 / ¥1,600(税抜)
森山直太朗 活動休止前に歌う節目の1曲『生きる(って言い切る)』をリリース/インタビュー
生きる(って言い切る)


[収録曲]
1.生きる(って言い切る)
※以下、【森山直太朗コンサートツアー2015 「西へ」】
2015.06.24 ツアーファイナル@NHKホールより
2.生きとし生ける物へ
3.愛し君へ
4.あの街が見える丘で
5.黄金の心
6.太陽

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