大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

■大塚 愛 LOVE IS BORN ~12th Anniversary 2015~
2015.09.13(SUN) at 日比谷野外音楽堂
(※画像8点)

愉快痛快! デビュー12周年の大塚愛が、最強バンドメンバーと共に大暴れ!?

大塚愛のデビュー12周年を記念して、9月13日に日比谷野外大音楽堂で開催された【LOVE IS BORN ~12th Anniversary 2015~】。毎年恒例となっている【LOVE IS BORN】だが、日比谷野外大音楽堂で行われるのは3年ぶり。
さらに今回は事前に、亀田誠治(B/バンマス)、西川進(G)、沼澤尚(Dr)、皆川真人(Key)、磯貝サイモン(Key & G)という鉄壁の布陣での開催となることが告知されていた。今年6~7月にかけ、アルバム『LOVE TRiCKY』仕様のキーボーディスト4名体制で行われた全国ツアー【LOVE TRiCKY LIVE TOUR 2015~ヘルシーミュージックで体重減るしー~】も記憶に新しいこの時期に、メンバーを一新し、たった1日だけ行われるこの公演。期待しないでいるほうが難しい。

大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

開演時間を迎え、まずステージに現れたのは、大塚自身「すごいメンバーでしょ」と興奮気味に語っていたバンドメンバーの面々。西川のギターを合図にセッションが始まり、大きなグルーヴが生まれたところに、大塚が両手を高く上げながら登場した。大きく背中が開いたトップスにシルバーのスカート、足元は黒のレースアップブーツという出で立ち。「ゾッ婚ディション」から幕開けしたライブは、早くも会場を熱気で包む。「モアモア」「Mackerel’s canned food」「Creamy & Spicy」といったガーリーな楽曲たちも、随所にロックなひねりが加えられ、新たな魅力をまとって会場に放たれていく。

大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

最初のMCでは「ハロー! 大塚愛です。……たぶん」と、愛嬌たっぷりに自己紹介。「今年も【LOVE IS BORN】ができることが叶いました。ありがとう! 今日は思い残すことなく、みんなと愛を交わせたらと思ってます。
最後まで楽しんで帰ってね~!」と挨拶したのち、「みんな踊ってく? エロいほうの踊りだよ?」と言って、まずは彼女がボーカルとして参加したバンド、Rabbitの楽曲から「半熟たまご」を披露。宣言通り、身体をくねらしながら妖艶に踊り、歌う彼女に観客の目は釘付けになった。そうかと思えば、亀田がリアレンジを施したという「GIRLY」では、重くタイトに刻むドラム、歪むベースやギターなど冒頭からガラリと生まれ変わったサウンドを響かせる。そこから徐々にグルーヴを増していき、最後のアウトロではUKロックバンドのような壮大な音の塊へと上り詰めるドラマチックな仕上がりに誰もが魅了された。その迫力に多くの人が圧倒されている中、磯貝のピアノと彼女の声だけで始まった「クムリウタ」。夕刻の風景の中でもほんの一瞬、昼と夜が混じり合う“マジックタイム”に届けられたこの曲では、何度も空を見上げながら、<曇り空泣くな>と熱のこもった声で歌う大塚の姿が印象的だ。そしてやってきた後半、<まだここは通過点で>の部分で彼女は一歩踏み出し、まっすぐに前を見つめて歌った。その力強い眼差しと歌声は、13周年に向けた、文字通り“最初の一歩”だったように思う。

大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

そんな勝手な想像を巡らせていると、気付けば大塚は磯貝の真横に移動。そのまま始まった「君フェチ」では、磯貝のみならず西川にもしなだれ掛かりながら歌うなど、同性ですら羨ましくなるほどの魔性の魅力を振りまく。そうだ、ここは“エロいほうの踊り”のコーナーだったと、慌てて意識を切り替えた頭に飛び込んできたのは、“エロ”と同様に彼女を語る上で欠かすことのできない“おふざけソング”、その中でも真骨頂となる「シヤチハタ」。ここでは艶かしい声でメンバー紹介をしたかと思えば、「ディミニッシュ」「ヴァイエル」「ドヴォルザーク」「ハチミツをください」など、謎の言葉でコール&レスポンスを行うカオスな状態を生み出した。
最後には「これぐらいで許してあげるわ」と、ドSっぷりを発揮。大塚の手管でぞんぶんに弄ばれてるかのように思えた観客も、その表情を見るとまんざらでもない様子。さすが、彼女とファンが築き上げてきた12年の関係は伊達じゃないのである。

大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

こうして観客との“イチャイチャタイム”を過ごした後、ライブはいよいよクライマックスへ向けて発進。ネオンで光り輝く西川のギターが観客のボルテージを一気に上げた「LOVE FANTASTIC」をはじめ、真っ赤な全身タイツのパフォーマーがトランポリンで飛び跳ねまくった「ポンポン」、巨大トラメガ(拡声器)も登場した「つくね70円」「Happy Days」。「つくね70円」では入場時に配られた大塚の顔のお面を、大塚も含めたバンドメンバーと観客が装着し、野音にいる全員が大塚愛という異様な光景が広がる場面も(しかも後にも先にもこのお面についての説明は一切ナシ!)。さらには、最強のバンドメンバーによって最高のロックナンバーとなった「ロケットスニーカー」「さくらんぼ」で客席を興奮の渦にし、本編を終えた。

大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

アンコールで再びステージに姿を現した彼女は、白いロングスカートにツアーグッズのTシャツ。本編では下ろしていた髪を一つに結び、鳥を象ったヘッドアクセが飾られていた。ちなみにこの日の衣装は自らヴィンテージショップへ買いに行って選んだという彼女。「いろいろ買って14万円だったところを“私、デビュー12周年やねん”と言って12万円に値切ってもらった」と、人気アーティストらしからぬ行動を進んで暴露してしまうところも彼女らしい。

大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

「デビュー12年……昔に戻りたいような、戻りたくないような。
今が一番いいと思う12年です」

そんな想いを口にし、ファン、スタッフ、友人、家族への感謝を述べた彼女。そして「みんなと私の声だけでいい」と言って、毎年恒例の「Birthday Song」をアカペラで観客と共に大合唱。続いて披露されたのは、この日が初お披露目となる未発表曲「日々、生きていれば」。この曲は、昨今の心痛む出来事を受け、彼女が感じた「日々生きていれば、悲しいことももちろんあるけど、良いことも、幸せなこともあるはず」という想いを綴ったもの。「私らしくない、マジメなタイトルだけど」と前置きをしつつ、一人ピアノに向かって歌うその後ろ姿はとても頼もしく感じられた。

大塚 愛 毎年恒例の記念ライブを亀田誠治ら豪華メンバーと共に開催!/ライブレポート
撮影/田中聖太郎

デビュー曲の「桃ノ花ビラ」、そしてラストはこの日のためだけに集結したメンバーを再びステージに招き入れ、「ネコに風船」を歌い、すべての演奏が終了。

それぞれの持ち場を離れ、ハグでお互いの健闘を讃え合うメンバーたちに向け、客席から自然と沸き上がる“もう1回”コールが、この日の公演がどれほど素晴らしかったかを物語る。そんな声に応えるように、彼女が最後にステージの中心で叫んだ言葉はこうだった。

「愛してるよーーー!!!」
(取材・文/片貝久美子)

≪セットリスト≫
OP. OPENING SE(BAND Session)
1. ゾッ婚ディション
2. モアモア
3. Mackerel's canned food
4. Creamy & Spicy
5. バイバイ
6. 半熟たまご
7. drop.
8. GIRLY
9. クムリウタ
10. 君フェチ
11. シヤチハタ
12. 黒毛和牛上塩タン焼680円
13. LOVE FANTASTIC
14. ポンポン
15. つくね70円
16. Happy Days
17. ロケットスニーカー
18. さくらんぼ
<アンコール>
1. Birthday Song
2. 日々、生きていれば ※未発表曲
3. 桃ノ花ビラ
4. ネコに風船

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