
■Best Album『Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~』&New Album『Tabitabi』インタビュー(1/3)
音楽シーンが激変する時代を駆け抜けてきたELTが辿り着いた境地
1996年にシングル『Feel My Heart』でデビューしたEvery Little Thing。今年8月にデビュー20周年イヤーに突入した彼らから、量・質ともに大ボリュームのビッグなアルバムが到着した。その名も『Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~』。今作はオリジナル・アルバム『Tabitabi』に加え、デビューから現在までの全シングル60曲を収録したオールタイム・ベスト、計6枚組となっており、これまでの足跡はもちろん、最新のELTを堪能できる、まさに保存版といった内容だ。最新作『Tabitabi』では、MONKEY MAJIK、Chemick Volume、Shinnosuke(元SOUL’d OUT)といった面々から提供された楽曲も数多く収録され、20年目にしてまた新たな魅力を見せてくれている。90年代、00年代、10年代という、音楽シーンが激変する時代を駆け抜けてきた彼らが、今辿り着いた境地とは――。20年間を振り返ってもらうと共に、ELTの“現在地”を語ってもらった。
(取材・文/片貝久美子)
今がうまくいっていても永遠というのはないから、大袈裟かもしれないですけど、今日が最後でもいいように
――今回の作品はニュー・アルバム『Tabitabi』とベストアルバムがセットになっていますが、ベスト・アルバムに収録されているのが全60曲、枚数にするとナント5枚! その数を見るだけでもELTの歴史を改めて感じました。
持田香織(以下、持田):本当ですよねぇ。買ってくださった方も聴くのが大変だと思うんですけれども(笑)。
――全シングル曲が収録されているわけですが、お二人にとってターニングポイントになったのはどのあたりですか?
伊藤一朗(以下、伊藤):この20年の間に録音するギアも本当に進歩というか、やり方が変わってきて。こうやって過去の作品をまとめて聴くと、この頃まではテープで、ここからはハードディスクになったなぁって、まずはそういうところを思い出しちゃいますね。あとは、僕らはデビュー以降、打ち込みがベースで、ギターとボーカルだけダビングして音楽をクリエイトするパターンがほとんどだったんですけど、「jump」の時に初めてリズム録りをしたんですよ。そこで昔ながらのアナログのマルチトラック・レコーダーで録るっていうことをやったので、逆に盛り上がったのを覚えてます(笑)。
――なるほど、そういった部分もELTの20年を語るには外せないところなんですね。録音技術の進化によって曲も変わってきたというか。
伊藤:録音技術もそうですし、とくに2人になってからは、チョイスできる曲の幅が徐々に広がってきたなっていうのはありますね。
――持田さんはいかがですか?
持田:私は……初期の頃で言うと、「Time goes by」を歌った時に、自分より上の世代の方々にも共感してもらえたっていうのがすごく大きかったですね。それまでは比較的自分と同世代の人たちに共感してもらえていたと思うんですけど、それがこの曲でグッと広がったような印象がありました。自分たちで歌い続けながらも、たくさんの人にカバーしていただけた楽曲なので、すごく大きな存在だなぁと思います。一朗さんと2人になってからは、「fragile」がヒットしたのもすごく嬉しかったですし、個人的には「jump」で結構挑戦した感じもあったりとか……。一朗さんが言うように、ユニットっていう形態だからこそ、いろいろチャレンジできたのかなという気はしますね。でも、ここ最近は昔ほど速いスピードでのリリースではなかったりするので、ベスト・アルバムの5枚目に入ってる「Change」とかでも、ものすごく昔のように思えちゃいます(笑)。
――「Change」がリリースされたのが2010年。ということは、15周年のタイミングですね。そこから5年、持田さんはソロでの活動を本格化されていた時期があったり、伊藤さんはバラエティ番組への出演が増えたり、この5年間だけでも変化があったと思うのですが、ご自身ではどんなところが変わったと思いますか?
持田:この5年は……早かったですね。10周年を迎えた時、個人的には15年の時もこの勢いのままに頑張れるといいなと感じた記憶があるんです。でも、15周年の時は、どういうわけかあんまり20年のことを目標にすることがなくて……。あれ? もう20周年!?って思うくらい、ものすごく早かったです。なんていうか、与えていただいたことをコツコツやっていたら、20周年が来たって感じですかね。
伊藤:僕の場合は基本的なスタンスはそんなに激変してないと思うんですけど。でも、この間に東日本大震災がありましたよね。当時は皆さん、こういう仕事を自制する雰囲気があったじゃないですか。僕はちょうどその次の日くらいにバラエティ番組の収録の予定が入っていたんですよ。で、ひょっとしたら収録が先送りになるかもしれないなと思ったら、普通に収録があって。無理矢理にでも精神状態を上げて臨んだんですけど、やっぱりちょっと、仕事のことを真面目に考えてしまうというか……。その結果、いろんな職種がありますけど、音楽も含めてこういう仕事をやるってことは、結局は人を楽しませたり、慰めてあげたりっていう、そこが落としどころなんだっていうのが自分の中で明確に見えたんですよね。だから、曲が良いとか、もちろんそうやってそれまでも頑張ってきたんですけど、これからはもっと大きいところを見ようと思って。今がうまくいっていても永遠というのはないから、大袈裟かもしれないですけど、今日が最後でもいいように、仕事とかも気持ちよくやるようにしようと思うようになりました。そういう精神的な変化があった5年でしたね。
――インタビュー2へ
≪動画コメント≫
≪リリース情報≫
■Best Album
『Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~』
2015.09.23リリース
【6CD+2DVD+2Blu-ray】
AVCD-93199~204/B~E / ¥9,000(税抜)

【6CD+2DVD】
VCD-93205~10/B~C / ¥4,500(税抜)
【6CD+2Blu-ray】
AVCD-93211~6/B~C / ¥5,000(税抜)

【6CD】
AVCD-93217~22 / ¥4,000(税抜)

■New Album
『Tabitabi』
2015.09.23リリース
AVCD-93229 / ¥3,000(税抜)

[収録曲]
1.MY LIFE
2.ANATA TO
3.さよなら
4.Everything
5.レインボー
6.いいかえれば
7.Phone jamming (Instrumental)
8.Little Dancer
9.Best Boyfriend
10.このは
11.下町
12.旅旅
≪ライブ情報≫
【Every Little Thing 20th Anniversary Best Hit Tour 2015-2016 ~Tabitabi~】
2015.10.17 (土)埼玉:越谷サンシティホール(大ホール)
2015.10.24 (土)山形:南陽市文化会館 大ホール
2015.10.31 (土)静岡:沼津市民文化センター(大ホール)
2015.11.01 (日)静岡:静岡市民文化会館(大ホール)
2015.11.08 (日)神奈川:神奈川県民ホール(大ホール)
2015.11.15 (日)岡山:岡山市民会館(大ホール)
2015.11.22 (日)福岡:福岡市民会館(大ホール)
2015.11.28 (土)徳島:鳴門市文化会館
2015.11.29 (日)高知:高知県立県民文化ホール(オレンジホール)
2015.12.05 (土)沖縄:那覇市民会館(大ホール)
2015.12.13 (日)広島:上野学園ホール
2015.12.20 (日)北海道:わくわくホリデーホール (札幌市民ホール)
2016.01.17 (日)滋賀:びわ湖ホール
2016.01.22 (金)富山:新川文化ホール(大ホール)
2016.01.23 (土)長野:上田サントミューゼ(大ホール)
2016.02.06 (土)兵庫:神戸国際会館
2016.02.11 (木)大分:iichikoグランシアタ
2016.02.13 (土)宮崎:都城市総合文化ホール(大ホール)
2016.02.20 (土)宮城:東京エレクトロンホール宮城(大ホール)
2016.02.21 (日)福島:會津風雅堂(大ホール)
2016.02.27 (土)熊本:市民会館崇城大学ホール(大ホール)
2016.02.28 (日)鹿児島:鹿児島市民文化ホール(第2ホール)
2016.03.05 (土)愛知:日本特殊陶業市民会館(フォレストホール)
2016.03.06 (日)岐阜:土岐市文化プラザ(サンホール)
2016.03.12 (土)岩手:北上市文化交流センター さくらホール(大ホール)
2016.03.13 (日)秋田:大館市文化会館
2016.03.20 (日)東京:東京国際フォーラム(ホールA)
2016.04.02 (土)大阪:フェスティバルホール
≪関連リンク≫
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