撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
■L'Arc～en～Ciel LIVE 2015 L'AcCASINO
2015.9.21（MON） at 大阪 夢洲野外特設会場
（※画像14点）
L'Arc～en～Ciel 過去と現在を繋ぎ、未来へと導いた、意義深い2 Days
L'Arc～en～Cielが前回の国立競技場でのライヴから1年半ぶりとなる単独公演【L'Arc～en～Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO】を9月21日（月）22日（火）の2日間にわたり、大阪湾に浮かぶ人工島 夢洲（ゆめしま）野外特設会場で開催した。
同地はカジノを設置した複合観光リゾート施設（IR）の建設候補地となっている場所で、ライヴが行われるのは今回が初。
L'Arc～en～Cielが巨大なカジノ“L'ArCASINO”をオープンし、10万人を最初の“ゲスト”として招いた。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
何もない広大な土地に、30を超える店が並ぶフードブース、本格的なカジノゲームが楽しめる“REAL CASINO in L'ArCASINO”、恐怖の（？）逆バンジー“逆DIVE TO BLUE”、アクアチューブ“水上 READY STEADY GO ～転がるように前へ～”、そしてなんと、“メリーゴーRound and Round”というメリーゴーランドまでも設置。“L'ArCASINO”はたった2日間のオープンとはいえ、立派な一大アミューズメントパークだった。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
取材に訪れたのは初日の21日。デビュー当時の楽曲や、生で演奏されることはないだろうと思われていたナンバー、さらには新曲までも披露され、まさにL'Arc～en～Cielの過去と現在を繋ぎ、未来へと導く、意義深いライヴであった。
ダイスやルーレット、コイン、トランプ図柄、バニーガールなど、カジノを思わせるきらびやかな装飾に彩られたステージ。そこから長く長く延びた300mにもおよぶ花道のその先に、メンバーを乗せたリムジンが登場し、吹雪のように紙幣（ラル札）が舞うなか、ゆっくりと発車し始める。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
ステージに到着し、yukihiro(Dr)、ken(G)、tetsuya(B)、そしてhyde(Vo)と姿を現すと、オープニングナンバー「SEVENTH HEAVEN」へ。自然に体を揺らし、気分を上昇させるこのダンスチューンのイントロで、hyde が「Welcome to L'ArCASINO!!」と第一声をあげた。
続く「Link」はtetsuyaの優れたポップセンスが炸裂するナンバー。ジャンプし、頭上で手拍子する観客を眺め、終始笑顔を見せていたのはkenだ。yukihiroはストイックにドラムに向き合っている。
セクシーなバニーガールを従えて歌われた「Pretty girl」に続いて、最初のMCへ。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
「ようこそ、L'ArCASINOへ！ やっと日本にも合法のカジノが上陸した！ 君たちは最初のゲストだ！ どうりでみんな、目がギラギラしてる。みんな金か？ 金がほしいか？ しかし、金でなんでも買えると思うなよ。金で買えるのは……ほとんどだ！」と、hydeがシャウトする。
続くパートでは、サイコロ型とトランプ図柄が描かれた巨大バルーンが客席に投入された「Blurry Eyes」を皮切りに5曲プレイ。そして夕暮れ迫る頃、メンバーがサブステージに移動し、アコースティックタイムに。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
最初に演奏されたのは、なんと「Wind of Gold」。この曲や、前パートで披露された「and She Said」のように、長い間演奏されていない曲を今のL'Arc～en～Cielが演奏することは、他のバンドが過去曲をプレイするのとは大きく違う意味があるのではないだろうか。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
「次の曲はみんなの力が必要なんで」（hyde）との言葉と共に演奏されたのは「MY HEART DRAWS A DREAM」。イントロのkenのギターフレーズが気持ちよく空に伸び、溶け込んでいく。茜色に染まりゆく空をバックに演奏する4人の姿と、合唱する5万人の歌声は、それはそれはとても美しかった。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
ここで、yukihiro作曲のナンバーが2曲続く。
まずはメンバー全員がギターを持って、一人ずつヴォーカルをとった「trick」、続く「REVELATION」では、tetsuya、ken、yukihiroの3人がパーカッションでビートを構築する。この独創的な楽曲を挑戦的なスタイルで披露するのもまた彼ららしい。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
レーザー光が広い会場を包み込み、左右の客席いっぱいまで広がった巨大なスクリーンに映された近未来的な映像と共にプレイされた、重厚かつ疾走感あふれる「CHASE」、hydeの艶っぽい歌声の「X X X」、これまた久しぶりに演奏する「TRUST」では、海中の映像がスクリーンに投影され、その幻想的な美しい演出にため息がでるほどだった。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
そして、ここでこの日一番のサプライズ！ 新曲が披露されたのだ。タイトルは「Wings Flap」。＜I wanna fly fly fly high＞と力強く歌いながらも、＜君なんてもう だいきらいきらいきらい＞というhydeのエモーショナルな歌声が胸を切なく締め付けるナンバーだ。この曲は12月23日にシングルとしてリリースされることが終演後に発表された。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
一気に疾走した後半戦では、曲中に花火があがるという他に類をみない演出の「HONEY」、マスク姿のダンサーやバニーガールも登場して、にぎやかにパフォーマンスされた「STAY AWAY」など、野外の開放感も手伝い、会場はハイテンション＆大盛況に次ぐ大盛況となった。
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
最後のhydeの言葉を、5万人は一言も聞き漏らすまいと耳を傾ける。
「これからこの場所がどうなっていくのか僕は知らないけど、きっと素敵な街になってですね、みんな遊びに来ると思うんですよ、その時にね、友達に自慢してください。『まだ、ここ更地やったんやけど、すげえ伝説のライヴがあったんだよ』って」
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
撮影／今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ
まだ誰もライヴをしたことのない場所で、みんなが未来を夢見ることができるような“伝説のライヴ”を作りたい――メンバーはそんな思いを抱いていたのではないだろうか。L'Arc～en～Cielの過去と現在を繋ぎ、未来へと導いた『L'ArCASINO』。
ラストの「あなた」が届けられると、ステージの背後に架かっている夢洲と舞洲をつなぐ橋が虹色にライトアップするというこの上ないスケールの大きな演出に、感嘆の声があがると共に、深い感動が会場を包み込んだ。
（取材、文／田上知枝）
≪セットリスト≫
01. SEVENTH HEAVEN
02. Link
03. Pretty girl
04. Blurry Eyes
05. flower
06. and She Said
07. ROUTE 666
08. HEAVEN'S DRIVE
09. Wind of Gold
10. ALONE EN LA VIDA
11. MY HEART DRAWS A DREAM
12. trick
13. REVELATION
14. CHASE
15. X X X
16. TRUST
17. Wings Flap（新曲）
18. Caress of Venus
19. Driver's High
20. HONEY
21. STAY AWAY
22. READY STEADY GO
23. あなた
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