倖田來未 デビュー15周年をファンと共に…大粒の涙を流し「諦めなくて本当に良かった」/ライブレポート

■倖田來未/【KODA KUMI 15th Anniversary LIVE The Artist】ライブレポート
2015.12.06(SUN)at さいたまスーパーアリーナ
(※画像6点)

「これからもみなさんに夢を届けるステージを作っていきます」

12月6日、デビュー日であるこの日に、倖田來未はさいたまスーパーアリーナで15周年記念ライブ【KODA KUMI 15th Anniversary LIVE The Artist】の最終公演を行った。

倖田來未 デビュー15周年をファンと共に…大粒の涙を流し「諦めなくて本当に良かった」/ライブレポート

ライブが始まる前から、とてつもない熱気に包まれていた場内。
この日は彼女の記念日を共にお祝いしようと全国各地からファンが駆けつけ、約15,000人のペンライトの光と“くぅちゃん”コールが暗転したままのステージに注がれた。開演時間の17時を少し回った頃、“倖田來未をカタチ作っているものは何か。VOCAL? DANCE? ENTERTENMENT?”との文字がスクリーンに浮かび上がり、ツアーのリハーサル風景を映した映像が流れたあと、「What makes Koda Kumi VOCAL DANCE ENTERTENMENT」と、さきほどまでついていた“?”がとれ、同時に【KODA KUMI 15th Anniversary LIVE The Artist“FINAL”】の幕が開いた。

倖田來未 デビュー15周年をファンと共に…大粒の涙を流し「諦めなくて本当に良かった」/ライブレポート

ステージ中央に一人佇む倖田來未。さらなる歓声を浴びる中、神聖なピアノのイントロが響くと、彼女にスポットライトが照らされた。オープニングを飾ったのは、壮大なバラードの新曲「NO ME WITHOUT YOU」(1月20日発売 バラードコレクションアルバム『WINTER of LOVE』収録)。<今この場所で 光照らされている私も私で 嘘じゃない><もがいては 苦しくて 泣きたくなっても><歌い続ける my song>といった現在進行形のリアルな心境が綴られた歌詞を丁寧に歌う彼女の姿に涙するファンも見られるなど、感動的なオープニングとなった。しかし、2曲目の「SHOW ME YOUR HOLLA」では一変し、ダンサーとともに目まぐるしく動き回り、ステージ上で早着替えを披露。「WON'T BE LONG」では、トロッコに乗ってアリーナを一周し、15000人とコール&レスポンス。このまま「LOADED feat.Sean Paul」へと突入……と思いきや突如機材トラブルが発生。しばし中断というハプニングが。約20分の調整時間を挟み、改めて2曲目の「SHOW ME YOUR HOLLA」から再スタート。
こういった予期せぬトラブルもさらに両者の結びつきを強くさせるための演出であるかのように、場内はすでにライブ後半と思えるほどの盛り上がりを見せた。

そして、中盤は、倖田來未をカタチ作る要素のひとつである“VOCAL”をフィーチャーしたバラードセクションへ。彼女が初めてチャート1位を獲得した「you」では、サブステージを覆う巨大な純白のドレスがプロジェクションマッピングのスクリーンに、また新曲「On And On」(『WINTER of LOVE』収録)では、シャンデリアに乗って歌唱。高さ10メートル幅11メートルの深紅のドレスの裾がステージ上に広がるなど、倖田來未ならではの斬新かつ大胆な仕掛けを施しつつ、元祖歌姫、美空ひばりの楽曲「歌は我が命」では、低音域を力強く轟かせ、大ヒットナンバー「愛のうた」では、母となり無償の愛を得た包容力を感じさせるなど、高い歌唱力によりパーソナルな部分が反映された彼女の歌声に観客は心を動かされ、涙や拍手といったそれぞれの感情とリンクしたカタチとなって表現されていたのだった。

倖田來未 デビュー15周年をファンと共に…大粒の涙を流し「諦めなくて本当に良かった」/ライブレポート

「XXX」からは、怒涛のダンスパフォーマンスで15,000人を圧倒。デビュー前までダンスの経験はほぼ皆無だったという彼女であるが、“DANCE”は今では倖田來未をカタチ作る重要な要素の一つ。日々進化を遂げる彼女のスキルに驚かされるが、「TABOO」では、ジャイロボードに乗っての難度の高いパフォーマンスに挑戦! さらにグラフィックポイを使用した演出で観客の視覚を刺激! 彼女のライブでは、毎回新たな挑戦が当たり前のように行われているが、すべては倖田來未のひたむきな音楽への情熱と努力の蓄積。ファンを笑顔にしたいというエンターテイナーとしての使命といえる。また「HURRICANE」では、アリーナ後方に設置されたステージで激しいダンスをしながら熱唱。後半は恒例の「め組のひと」「Poppin’ love cocktail feat.TEEDA」で、全員がタオルを全力でふり回し、一体感に包まれながら本編は終了した。

倖田來未 デビュー15周年をファンと共に…大粒の涙を流し「諦めなくて本当に良かった」/ライブレポート

すぐさま場内から<歌い続ける~>の大合唱が。倖田來未が長年ライブで大切に歌い続けてきた「walk」をアンコールの声援の代わりに15000人が熱唱し、倖田來未を再びステージへと迎え入れた。


アンコールでは、“くぅちゃん15周年おめでとう!”など、ファンが各自で用意した色とりどりのメッセージボードが客席を彩るなか、倖田來未はトロッコに乗ってゆっくりと場内を周回。そして、倖田來未の第一歩を踏み出したデビュー・シングル「TAKE BACK」を、15年前とは明らかに異なる自信と確信に満ちた笑顔を浮かべながら披露した。また「Comes Up」で、“みんなからくぅちゃんへ”とファンたちが15周年をお祝いする映像が突如映し出されると、倖田來未は大粒の涙を流しながら熱唱した。

「こんなに温かいスタッフ、ファンに囲まれて本当に幸せです」。大きな拍手が彼女に注がれるなか、改めて「今日で倖田來未は15歳になりました」と挨拶。すると、15000人の「おめでとう」の声が場内に響き渡った。

「皆さんと共に生きてるなと感じます。オーディションに受かって、エイベックスからデビューしたら、一気に売れると当時は甘い考えをしていました。歌でみんなに愛を伝えたい、音楽で感動を与えたいと大きな野望を勝手に抱いてこの世界に入ったんですけど、現実はビール箱の上に立って歌ったり、お客さんが3人しかいない時もあったり……」と15年前を振り返りながら、客席を見渡す倖田。隅々まで埋め尽くされたサイリウムの光を見て、「すごい綺麗~」と感激し再び涙の滴が彼女の頬を濡らした。「この景色を本当に本当に本当に見たくて……でも、なかなか芽が出なくて。くじけそうになることが何度もあったけど、あの時、諦めなくて本当に良かった!」そう力強く言い放った瞬間、スクリーンに倖田を支え続けてきたスタッフの写真が。
“組長がいるから俺たちがいます!! いつもありがとう!”とのメッセージを目の当たりにした倖田は、肩を震わせ、嗚咽した。「“The Artist”というライブは、倖田來未というアーティストはどんな人なんだろう? と思った時に、歌も、ダンスも、エンターテイメントも全部で私なんだって。どれか一つのことを追及した方がいいのかなって思った時期もあったけど、どれかが欠けても倖田來未にはならなかったし、そこで初めて倖田來未になるんだって思ったからなんです。そして、15周年ということで、改めて倖田來未のプロフィールじゃないけど、私らしいセレクトで私らしいアレンジで今回のライブを作らせてもらいました」と、総計58枚のシングル、27枚のアルバムの中から厳選された36曲が披露された経緯が告げられた。

「みんなも夢に向かっていると、挫折することとかあると思うし、大きい夢ほど大きい代償とか犠牲になるものもあると思います。私も辛いとき、苦しいときが何度もありました。でも、そんなときにみんなの顔みると吹き飛んで、倖田來未でいて良かったな、みんながいて良かったなって。こんなに素敵な人たちに囲まれて幸せもんだなと思ったんです。これからも1日でも長く歌い続けていきたいと思います」。大きな拍手と歓声がこだまする中、「最後に愛のあふれるみんなへ向けてこの曲を歌わせていただきたと思います」と、ピアノのシンプルな音色をバックに「walk~to the future~」を披露。情感たっぷりに歌いあげた倖田來未は、慈愛に満ちた表情を浮かべながら、ステージ上空へと舞い上がり、消えていった。

倖田來未 デビュー15周年をファンと共に…大粒の涙を流し「諦めなくて本当に良かった」/ライブレポート

~あなたがいたから 今の私がいる NO ME WITHOUT YOU~

スクリーンに映し出されたのは、今回のライブで倖田來未が一番伝えたかったメッセージ。
デビューから満15年。決して順風満帆とは言えない道のりを歩んできた倖田來未であるが、その中でファンやスタッフ、仲間たちとの絆をしっかりと育んできたことを改めてこの日確認することができたのだった。

鳴りやまない15000人の大合唱に導かれ、突如ダブルアンコールに! ステージに姿を現し、誰よりも驚きを見せる倖田。最初から最後まで予想外のハプニングの連続であったが、それもまた倖田來未のライブならでは、倖田流エンターテインメントの醍醐味といえる。

「皆さん今日は本当に本当にありがとうございました。倖田來未一同強くなって、これからもみなさんに夢を届けるステージを作っていきます」

倖田來未は心を込めて感謝の意と今後への決意を頼もしく表明し、最後は満面の笑顔でステージをあとにした。

さらにこの日、彼女にとって初の47都道府県ツアーが春に開催されることが発表され、15000人は歓喜の声を上げたが、15周年を経て、倖田來未が新たにどんな1歩を踏み出すのか、春が待ち遠しい限りである。
(取材・文/星野彩乃)

≪セットリスト≫
1. NO ME WITHOUT YOU
2. SHOW ME YOUR HOLLA
3. Bambi
4. WON'T BE LONG ~Red Cherry Ver~
5. LOADED feat.Sean Paul
6. Cupcake
7. TOUCH DOWN
8. Crazy 4 U
9. you
10. Moon Crying
11. Brave
12. 愛のうた
13. 歌は我が命
14. You're So Beautiful
15. On And On
16. WALK OF MY LIFE
17. XXX、ESCALATE、Lay Down、CRANK THA BASS
18. HOTEL
19. TABOO
20. HURRICANE
21. UNIVERSE
22. め組のひと
23. Poppin' love cocktail feat.TEEDA
<アンコール>
1. ~Medley~
TAKE BACK、Birthday Eve、With your smile、BRING IT ON、IN THE AIR、Someday、Lady GO!
2. Comes Up
3. walk ~to the future~

≪リリース情報≫
New Album
『WINTER of LOVE』
2016.01.20リリース

【CD+DVD盤(MUSIC VIDEO付)】
RZCD-86046/B / ¥3,000(税抜)
【CD+Blu-ray盤(MUSIC VIDEO付)】
RZCD-86047/B / ¥3,500(税抜)
【CD+DVD盤(8/2 a-nation LIVE映像付)※ファンクラブ限定盤】
RZC1-86049/B / ¥4,500(税抜)
【CD盤】
RZCD-86048 / ¥2,400(税抜)
倖田來未 デビュー15周年をファンと共に…大粒の涙を流し「諦めなくて本当に良かった」/ライブレポート


[収録曲]
1. On And On
2. 奇跡
3. hands
4. Promise
5. you
6. 夢のうた
7. 運命
8. 愛証
9. 愛のうた
10. Moon Crying
11. stay with me
12. 好きで、好きで、好きで。
13. あなただけが
14. 愛を止めないで
15. 恋しくて
16. Dance In The Rain
17. NO ME WITHOUT YOU

≪ライブ情報≫
【KODA KUMI LIVE TOUR 2016 ~Best Single Collection~(仮)】
3月30日(水) 千葉 市原市市民会館
3月31日(木) 千葉 市原市市民会館
4月9日(土) 福岡 福岡サンパレス
4月10日(日) 福岡 福岡サンパレス
4月16日(土) 大阪 大阪・オリックス劇場
4月17日(日) 大阪 大阪・オリックス劇場
4月23日(土) 青森 リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
4月24日(日) 岩手 盛岡市民文化ホール
4月29日(金・祝) 徳島 鳴門市文化会館 ※初開催
4月30日(土) 香川 サンポートホール高松
5月5日(木・祝) 神奈川 神奈川県民ホール
5月7日(土) 東京 NHKホール
5月8日(日) 東京 NHKホール
5月13日(金) 大阪 大阪・フェスティバルホール
5月14日(土) 大阪 大阪・フェスティバルホール
5月21日(土) 和歌山 和歌山県民文化会館 大ホール ※初開催
5月22日(日) 滋賀 びわ湖ホール 大ホール
5月28日(土) 広島 広島文化学園HBGホール
6月4日(土) 山梨 コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
6月16日(木) 北海道 ニトリ文化ホール(旧北海道厚生年金会館)
6月17日(金) 北海道 ニトリ文化ホール(旧北海道厚生年金会館)
6月23日(木) 石川 本多の森ホール(旧石川厚生年金会館)
6月25日(土) 新潟 新潟県民会館
7月2日(土) 岐阜 長良川国際会議場
7月3日(日) 三重 三重県総合文化センター 大ホール
7月22日(金) 富山 富山オーバード・ホール
7月23日(土) 長野 まつもと市民芸術館
8月13日(土) 鳥取 米子コンベンションセンター BiG SHiP
8月14日(日) 島根 島根県芸術文化センターグラントワ大ホール
9月11日(日) 山形 やまぎんホール(山形県県民会館)※初開催
6月28日(火) 京都 ロームシアター京都 メインホール ※初開催
6月29日(水) 京都 ロームシアター京都 メインホール ※初開催
7月9日(土) 愛媛 松山市民会館
7月10日(日) 高知 高知県立県民文化ホール
7月16日(土) 愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
7月17日(日) 愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
7月30日(土) 東京 東京国際フォーラム ホールA
7月31日(日) 東京 東京国際フォーラム ホールA
8月18日(木) 奈良 なら100年会館 大ホール ※初開催
8月19日(金) 兵庫 神戸国際会館 こくさいホール
8月26日(金) 岡山 倉敷市民会館
8月27日(土) 山口 周南市文化会館
9月3日(土) 静岡 静岡市民文化会館
9月4日(日) 静岡 静岡市民文化会館
9月9日(金) 秋田 秋田県民会館 ※初開催
9月15日(木) 栃木 栃木県総合文化センター
9月17日(土) 群馬 群馬ベイシア文化ホール
9月19日(月・祝) 茨城 茨城県立県民文化センター ※初開催
9月23日(金) 宮城 仙台サンプラザホール
9月24日(土) 福島 郡山市文化センター
9月30日(金) 宮崎 宮崎市民文化ホール
10月1日(土) 鹿児島 鹿児島市民文化ホール 第一 ※初開催
10月6日(木) 熊本 市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)※初開催
10月8日(土) 長崎 長崎ブリックホール
10月18日(火) 埼玉 大宮ソニックシティ
10月23日(日) 福井 福井フェニックス・プラザ
10月29日(土) 佐賀 佐賀市文化会館 ※初開催
10月30日(日) 大分 大分iichikoグランシアタ
11月13日(日) 沖縄 沖縄市民会館

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