BoA 韓国でのデビュー15周年記念ライブを日本アレンジを加えて豪華に再現/ライブレポート

■BoA/【BoA Special Live: NOWNESS in JAPAN】ライブレポート
2015.12.11(FRI)at 東京国際フォーラム・ホールA
(※画像7点)

韓国でのデビュー15周年を迎えたBoA 希少な記念ライブを日本でパワフルに再現!

BoAの日本でのライブが約1年ぶり、年末の特別ライブとしては2年ぶりに行われた。

2000年、韓国でデビューしてから15年、高いカリスマ性と絶え間ないチャレンジで、母国の音楽シーンを引っ張ってきたBoA。
もはやクィーンの貫禄を漂わせる彼女が、この夏、韓国でアニバーサリーライブを開催した。その素晴らしい祝祭はもちろん日本のファンの耳にも届き、その再演を熱望する声が高まったことから、今回の【BoA Special Live:NOWNESS in JAPAN】が実現したという経緯がある。

BoA 韓国でのデビュー15周年記念ライブを日本アレンジを加えて豪華に再現/ライブレポート

韓国でのプログラムを日本で上演するのは、BoAにとって初めてのこと。その違いは、1曲目から感じることができた。というのも、のっけの「Girls on Top」は韓国語の歌唱だったのだ。楽屋裏の様子を映した映像に続いて、扉を開けてステージに主役が一歩一歩、威風堂々と歩み出ると、場内からは割れんばかりの拍手と歓声が。
ファンがいかにこの時間を待ちわびていたかがわかる。

男女のダンサーを従えて華麗にステップを踏みながらパワフルに歌う。躍動するBoAに引っ張られるように、黄色のペンライトを前後左右に揺らして、観客も懸命に応じていた。

「東京のみんな、どう? 元気だった?」

BoA 韓国でのデビュー15周年記念ライブを日本アレンジを加えて豪華に再現/ライブレポート

BoAの呼びかけに、オーディエンスはさらにヒートアップ。流暢な英語で聞かせるアップチューンではレイザー光線が場内を包み込み、冒頭の3曲で瞬く間に東京国際フォーラムAはダンスフロアと化した。

途切れることなく歌い、踊り続けた後のMCでは息を弾ませながらも笑顔で語りかけた。


「こんばんは、BoAです! 【BoA Special Live:NOWNESS in JAPAN】にようこそ。それにしても暑いですねぇ(笑)。そうそう、私はこれまで雨女って言われてきたんですけど、今日は(晴れて)季節外れに暑くなったよね? けど、これからはもっとアツくなりますよ!」

BoA 韓国でのデビュー15周年記念ライブを日本アレンジを加えて豪華に再現/ライブレポート

クールでかっこいい姿を見せつけた後とは思えないほど、気取らない語り口に観客の表情もほころぶ。こんなギャップも彼女の魅力の一部だ。

「今日のライブは今年8月末に、デビュー15周年を記念してやったものです。今回のように韓国でのライブを(そのまま)日本に持ってくるのは初めてですが、韓国スタイルで踊りまくるBoAをお見せしますから、前後のお客さんに迷惑をかけない程度に(笑)思いっきりはじけてくださいね!」

そうなのだ。
BoA自らの言葉通り、この日の彼女は息つく間もないくらいに歌い続け、踊り続けた。なおかつ、ダンスバトルやバンドセッションを利用して、衣装チェンジは計7回も行ったのだから(!)見えない部分でも走り通しだったろう。耳で、体で、目で楽しませるために全力を注ぐ姿はまさに神業。当然のことながら、激しく踊り続けているとは思えないほど歌の安定感も抜群で、トータルで非常にクオリティの高いステージを展開し、魅了し続けてくれた。

さて、4曲目の艶っぽいラブソング「Kiss My Lips」でようやく日本語の楽曲となったが、女性ダンサーたちが大きな羽の扇を手に持ち、その中央に降り立つBoAは実にゴージャスで実に大人っぽい。

前半の見せ場の一つとも言えるメドレーでは、グレーのパンツスーツに着替えて登場。
クールでマニッシュな装いもとても似合っている。メドレーの途中でも、「一緒に手を挙げて、歌って」と誘ったかと思えば、「ちょっと懐かしい曲です」とインフォメーションしてから「Bad Drive」を歌うなど、常にコミュニケーションを欠かさない。コール&レスポンスの応酬ともなれば、「Everybody,Scream!!」と絶叫して、ファンを煽ることもあった。最初のメドレーを通して、強くてかっこいい大人の女性像を見事に演じきっていたのが印象的だった。

BoA 韓国でのデビュー15周年記念ライブを日本アレンジを加えて豪華に再現/ライブレポート

バンドのセッションで空気が再びガラリと変わった後は、パールホワイトのロングパンツのコンビネゾン姿で現れたBoA。ここからは、しっとりとしたバラードパートへ突入。


青緑のライトに包まれながらスケール大きなバラードをを歌い上げた後は、小さなバースツールに腰掛けて話し始めた……、と思ったら、「すいません、お水くださーい!」とスタッフにSOS。程なく手元に水は届けられたのだが、「あんなにたくさんスタッフがいるのにひどいよね(笑)。韓国と日本のスタッフがいるから混乱してるみたいで。歌って踊って着替えて、また歌ってすごい踊って着替えて、やっと座ったのに水がありませんでした(笑)」

いつも一緒にいる友達や家族に話すような飾らないMCが聞けるのも、ライブならではの楽しみ。このトーク中には、「ファンクラブイベントでみんなに教えてもらいながら漢字が読めるようになった」ことや「『FNS歌謡祭』で『メリクリ』を華原朋美ちゃんと一緒に歌って嬉しかった」ことを報告。さらに、「この衣装、ちょうどお腹のところが空いてるの。
だから…、見ないでね」とちょっぴり恥ずかしそうに打ち明けるなど、会場は和やかなムードに包まれた。

温かな空気の余韻もそのままに、アコースティックバージョンの「Only One」を披露。無数の星が瞬くような演出のもと、ハイトーンボイスで切々と歌いあげる、美しくも切ない歌声に誰もが聞き入っていた。

大人の女性としての魅力を存分に発揮した前半から、後半はポップでキュートなBoAへと変身。鮮やかなグリーンのミニスカートを翻して愛らしく歌ったのは、ガールズパワーがきらめくキラキラなナンバーたち。「Milky Way」の間奏では、韓国から招いたバンドメンバーを紹介。打ち込みだけでなく、生音の深みや独特のグルーブ感が加わったこともこの日のライブがより特別に感じられた理由の一つだろう。

BoA 韓国でのデビュー15周年記念ライブを日本アレンジを加えて豪華に再現/ライブレポート

日韓の人気曲をつないだこの日、2回目のメドレーでは、スパニッシュギターを生かしてフラメンコやタンゴを連想させるアレンジとダンスでオーディエンスを圧倒。歌劇「カルメン」のヒロインよろしく、赤と黒のフラメンコ風のタイトなドレスに身を包み、ダンスで男たちを翻弄。間奏では、男性ダンサーとぴったりと身を寄せ合い、ときにアクロバティックなポーズを決めながらタンゴを舞ってみせ、観客の度肝を抜いた。

この日は韓国スタイルとはいえ、日本のファンのためだけのギフトももちろん用意されていた。終盤のDJメドレーがそれで、「ID;Peace B」から始まり「気持ちはつたわる」「LISTEN TO MY HEART」「Rock With You」など全て日本語で6曲を披露。曲とシンクロするようにリリース当時の映像が流されると、それを見たBoA本人が「若い!」を連発する場面も。どの曲も大合唱となり、「みんな、やっぱり歌が上手いね」と嬉しそうに笑ったBoA。ファンとの、この15年の絆を確かめ合う時間になったにちがいない。

「楽しいですか?でも、もう終わりに近いです」と告げると、当然のことながら落胆の声が挙がった。それをすくい取るように、「その“えーっ”って気持ちでもっとはじけて!」と励ますBoA。

3回目のメドレーでは、ダンサブルなアッパーチューン「I Did It For Love」(英語)に続いて、12月16日にリリースされる新曲「Lookbook」をいち早くファンに贈り届けてくれた。数々のダンスチューンを歌い、踊ってきたBoAが、今回はEDMに挑戦。彼女のキャリアの中でもかなり高速であろうBPMのトラックに乗せて、自立した強くて魅力的な女性を歌いあげるさまは、まさに今のBoAそのものに思えた。

息を切らせながら「最後の曲です」と叫んで、前向きなメッセージソングを歌いあげる中キャノン砲が華々しく打ち上げられ、大団円を迎えた。

BoA 韓国でのデビュー15周年記念ライブを日本アレンジを加えて豪華に再現/ライブレポート

もちろん、熱烈なアンコールに応え、カジュアルなホットパンツスタイルで再登壇。10年以上も前に韓国でリリースされたスケールの大きなアルバムタイトル曲では透明感ある歌声を響かせ、多幸感溢れるポップチューンではでは自然に手拍子が沸き起こり、曲調に合わせて会場全員がジャンプ! すると、「みんな、ものすごく飛んでくれたね。見ててすごく気持ちよかったです。ありがとう!」とBoAも満面の笑顔で応えた。

「今日は韓国でのライブを持ってきたので、盛り上がってくれるか心配もありました。でも楽しんでもらえてよかったです。来年は日本でのデビュー15周年なので、たくさんの場所でみんなに会えるように頑張ります!」と約束を交わしたBoA。

オールラストは、誰もが待ちわびていた「メリクリ」のHappy 15th Anniversary Ver.を、この日一番の大合唱で締めくくった。韓国語、日本語、英語を縦横無尽に使い、歌い分けながら、一つの上質のエンタテインメントに仕立ててしまったBoA。こんなにもグローバルで、なおかつアットホームなライブが作れるBoAというアーティストの底力を、改めて見せつけられた夜だった。最後に約束してくれたように、今から2016年の再会が楽しみでならない。
(取材・文/橘川有子)

≪セットリスト≫
1. Girls On Top(韓国語)
2. The Shadow(韓国語)
3. Eat You Up(韓国語)
4. Kiss My Lips(日本語)
5. Shattered(韓国語)
6. メドレー
Spark(韓国語)~Moto(韓国語)~Smash(韓国語)~Bad Drive(日本語)~Bump Bump!(日本語)
7. Hope(韓国語)
8. Home(韓国語)
9. Only One(Acoustic ver.)(日本語)
10. Who Are You(韓国語)
11. Fox(韓国語)
12. Milky Way(日本語)
13. メドレー
VALENTI(日本語)~My Name(韓国語)~ClockWork(韓国語)
14. DJメドレー
ID; Peace B(日本語)~気持はつたわる(日本語)~Shine We Are(日本語)~LISTEN TO MY HEART(日本語)~Amazing Kiss(日本語)~Rock With You(日本語)
15. メドレー
Game(韓国語)~Shout It Out(日本語)~Energetic(英語)~I Did It For Love(英語)~Lookbook(日本語)
16. MASAYUME CHASING(日本語)
<アンコール>
1. アトランティスの少女(韓国語)
2. Green Light(韓国語)
3. メリクリ(Happy 15th Anniversary Ver.)(日本語)

≪リリース情報≫
New Single
『Lookbook』
2015.12.16リリース

【CD+DVD盤】
AVCK-79310/B / ¥1,800(税抜)

【CD+DVD盤】
AVCK-79311/B / ¥1,800(税抜)

【CD盤】
AVCK-79312 / ¥1,000(税込)

[収録曲]
1.Lookbook
2.Kiss My Lips
3.メリクリ (Happy 15th Anniversary)
<DVD> ※AVCK-79310/Bのみ収録
Lookbook Music Video
Lookbook Making
<DVD> ※AVCK-79311/Bのみ収録
Kiss My Lips Music Video
Kiss My Lips Making

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