■【HALLOWEEN PARTY 2015】ライブレポート
2015.10.23(FRI) at 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
(※画像21点)

VAMPSはHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAの正装、GACKTはナース女装姿に!

神戸ワールド記念ホールの10月17日(土)公演からスタートした、VAMPS主宰の日本最大級のハロウィンイベント『HALLOWEEN PARTY 2015』が、幕張メッセ国際展示場9~11ホールにて3デイズ公演を開催。その初日となる10月23日(金)は、平日であるにもかかわらず、本格的な仮装姿に身を包んだ1万4000人の観客が足を運んだ。


MC・やまだひさしが「皆さん元気に死んでますか?ー!と、このパーティーイベントの合言葉を観客に語り掛けた後、招き入れられたのはオープニングパフォーマーのTommy heavenly6。ゴージャスなウエディングドレスを身にまとい、口からは血を流しているホラーメイクでメドレーを披露し、場を温めた。

トップバッターは、昨年はソロとして本イベントに出演したDAIGO率いるロックバンドBREAKERZ。オフィシャルイメージキャラクターを務める『モンスターハンター』の仮装で、ねば~る君(納豆をモチーフにしたゆるキャラ)を斬り付ける、という演出でオープニングをで沸かせた。

1曲目にヘヴィーロック調の新曲「YAIBA」を放ち、「声出せ、幕張!」と煽るDAIGOの眼光は鋭い。MCでは、「みんなKSUしてきましたか? KA.SO.Uですよ、仮装」と、お得意のDAI語で観客に語り掛けた後、“神”と呼ぶほどに慕うHYDEからプレゼントされた白のロック手袋に向けて、観客と共に、二礼二拍一礼で願掛け。「これでもう大丈夫です。3日間無事に終わると思います」と語った。

代表曲であるポップ・チューン「SUMMER PARTY」ではAKIHIDE(Gt)の耳元にDAIGOがキスをし、黄色い歓声が響く場面も。またDAIGOは、「神が俺のLINEスタンプをゲットしてくれました」とうれしそうに明かし、「しかも、使ったのは1か月後。かわうぃ~!」と悶絶。最後の曲は、タオル回しや一斉ジャンプで会場を一つにする「灼熱」。
DAIGOの朗らかな人柄が滲むMCとノリの良いセットリストで、トップバッターとしての務めを果たした。

転換の合間にも観客を退屈させないのがこのイベントの特徴。開演前に撮影した写真をVAMPSのメンバーが審査し、選ばれた観客がランウェイを練り歩く「HALLOWEEN COLLECTION」というファッションショー仕立てのコーナーが始まった。HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAの仮装をした13人の団体や、和装、ベネツィアの黒猫祭りをコンセプトにした仮装、白鳥の首を下半身につけたバレエダンサー姿の男性など、出で立ちもストーリー設定も様々な参加者が登壇した。

また、HYDEプロデュースで『HALLOWEEN PARTY』をリリースしたキッズユニットHALLOWEEN DOLLSも登場し、少女らしい愛くるしいダンスで空気を和ませ、「すごく怖い仮装してる人がいて、怖い……」(渡邉このみ)と、息を切らしながら感想を述べて笑わせた。続けて、Tommy heavenly6、闇落ちした女神という設定の仮装姿の分島花音が2人で登場。白いドレスの裾をなびかせ、ランウェイを闊歩した。

2番目のアクトとなるMY FIRST STORYの仮装コンセプトは、『東京喰種トーキョーグール』。1曲目の「ALONE」からすさまじい勢いを見せ、中盤、ミディアムテンポで美しいメロディーが際立つ「花-0714-」を交えつつ、ラウドなミクスチャーロックの音圧で会場の空気を制した。カネキに扮したHiro(Vo)のハイトーンボイスは、胸を掻きむしるような荒々しいシャウトやスクリームから、切なく小刻みに震える透明なトーンの歌声まで表現の幅が広いのだが、一貫して言えるのは、エモーショナルであるということ。その声は、思わず引き込まれてしまう絶大な魅力を誇っていた。

以前からTwitterなどで「似ている」と言われていたのを理由に選んだ仮装テーマだったそうだが、神戸では明希(シド)、柩(ナイトメア)ら先輩とカブり、テンションが一瞬落ちたことを告白。
しかし、それをきっかけに「トーキョーグールズというグループLINEができるぐらいに仲良くなりまして」(Hiro)と後日談を明かした。

最後の曲「不可逆リプレイス」の曲間でHiroは、「今までいろんなことを言われてきました。ダサいとか、すぐ消えるとか。そんな僕らがこんな場所に立てて……本当にありがとうございます」と感謝を述べ、「まだ21年しか生きてないけど、僕には音楽しかないんです!」と感極まった様子を見せ、ランウェイを全力疾走。魂のこもった絶叫を響かせて、鮮烈なインパクトを残した。

スペシャルパフォーマーとして登場したDEEP GIRLは、ロック調のハードな楽曲をデスボイス交じりで歌う、異色のアイドルグループ。この世に未練を残したまま絶命した花嫁をコンセプトに、各自おどろおどろしい仮装で歌い踊っていた。

3番目のアクトは、GACKT presents 神威♂楽園。GACKTに顔がよく似た神威楽斗を“性”徒会長とする“世界で一番破廉恥で楽しい楽園祭”をコンセプトに毎年開催されている壮大なイベントを、今回は幕張に持ち込んだ形だ。「緊急放送です。女装した暴漢にお気を付け下さい」との校内放送が流れると、ステージには黒縁眼鏡にガーターストッキングの色っぽいナース姿に扮した神威楽斗性徒会長らが登場。大歓声の中「神威♂楽園BABY」を歌い、腰をくねらせながらダンスする。
そもそも「FANTASTIC BABY」(BIGBANG)の替え歌なのだが、歌詞の随所がVAMPS、HYDE、K.A.Zといった文言で置き換えられ、更なるスペシャル仕様に進化していた。

「心の準備はよろしいか~?」(会長)、「かしこまりー!」(観客=性徒)という定例のやり取りの後は、L'Arc~en~Cielの「STAY AWAY」へ。「ミュージックビデオをご覧になったこともあるでしょう。HYDEくんもL'Arc~en~Cielのメンバーも、それはそれはすさまじいレベルのダンスを披露しています。到底、無理です」(会長)と前振りしつつも、いざ歌い始めると、終盤ではアクロバティックなダンスを完璧に再現。観客は湧きに湧いていた。

振付を懇切丁寧にレクチャーし、観客を巻き込んで共に歌い踊った「情熱のイナズマ」(GACKT)で本編は終了……かと思いきや、最後に1曲、伝説のコピーバンドSEX JAPAN(Super EXcellent high school students in JAPAN)がステージに現れた。YOSHIKIに扮した性徒会長はロングジャケットを脱いで上半身裸になって2バスドラムを渾身の乱れ打ち。圧巻の「X」完全コピーに、我々はすさまじい興奮のるつぼに誘われ、呆気にとられているうちに終演。仮装のクオリティーのみならず、トーク、テーマ設定、全体の構成も完璧に練り上げられた驚愕のエンターテインメントショーだった。

メインステージ向かって右隣に設けられたSPECIAL ACT STAGEには、女王蜂×チームしゃちほこが、この日2組目のスペシャルパフォーマーとして登場。化け猫に扮した和装のアヴちゃん(Vo)は、匂い立つような妖艶さ。
流れるように美しくステップを踏み、手を叩きながら、「ヴィーナス」をファンキーかつ軽やかに歌い魅了した。

「スリラ」で合流したチームしゃちほこは、上半身は和装、下はチュチュといういでたちで、アヴちゃんを囲んで賑やかにダンス。「デスコ」では、乱高下する音程を色っぽく歌い上げるアヴちゃん。短いながらも魅惑的な異空間を浮かび上がらせる、印象深いステージだった。

時刻は夜8時25分。いよいよ主宰者VAMPSの出番がやってきた。ステージの扉が左右に開くと、「HALLOWEEN PARTY-JAZZ Ver.-」を歌い、演奏しているメンバー一同が、なんと、首に縄を括りつけた状態で宙吊りになって揺れている。驚きの光景に呆気にとられていると、下方からスモークが噴出。やがて炎が噴き上がったランウェイ中央に突如、HYDEが出現。歌い始めたのは「EVIL」。まるで瞬間移動の魔術のような演出だ。顔に手を当てて「I'm before your eyes」と歌う場面は、声と表情の凄味に鳥肌が立つ。
ギターを掛けると、「この格好してる時が一番楽しい」と、HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAとしての“正装”をしたHYDEは語った。

「ハメ外せ! 怖がってんじゃねーぞ!」と威嚇するとHYDEがカメラに向かって「ワッ!」と脅かすようなポーズをとると、スクリーンに大写しになった顔面が崩壊し恐ろしい形相になる、という仕掛けも。銀色に輝くロングヘア姿のK.A.Zもランウェイに歩み出て、会場が明るく照らされた中「HUNTING」で盛り上がり、そのまま「ANGEL TRIP」へと雪崩れ込む。曲間のブレイクでは、「パーティーを抜け出そうぜ、2人きりで」とロマンティックに囁くゴーストHYDEの瞳は真っ赤で、少し不思議な心地に。

「TROUBLE」では頭部がジャック・オ・ランタンとなった背の高いお化け2体が出現。そして、HYDE、K,A.Zが歩いていたランウェイの一部がそれぞれに切り離され、移動ステージさながらにアリーナ通路を周遊し、ファンを熱狂させた。

再びHYDEの顔が大写しにされ、溶け崩れるような変貌でイタズラっぽく観客を脅かすと、「俺みたいに、みんな本性を見せろ!」と、「DEVIL SIDE」を放ち、ヘッドバンギングの嵐を巻き起こす。JIN(Key&Manipulator)が鋭い金属音を打ち鳴らすと、「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」へ突入、K.A.Zはダイナミックにギターを回し、Ju-ken(Ba)もランウェイを練り歩いた。

最後に投下した「KYUKETSU-SATSUGAI VAMPS Ver.-」では、苛立った獣のように、前のめりにうろうろと動き回り、野性を剥き出しにしながら歌うHYDE。スモークが噴き出し、ARIMATSU(Dr)は延々とドラムを叩き鳴らし続ける背後に目を遣ると、ジャック・オ・ランタンのお化け2体が吊られ、揺れていた。黒魔術に呪われたような空間が最後に立ち上がる中、メンバーより一足先にHYDEはステージから姿を消した。

VAMPSのステージの余韻が漂う中、最後はHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAが勢揃いし、またムードがガラリと変わる。
ここで、上半身がシースルーとなった黒装束のROLLY、大好きなチェブラーシカをあしらった仮装姿のShinya(DIR EN GREY)、ともに『東京喰種』カネキ姿の明希と柩が合流。そしてなんと、HYDEもサプライズでカネキ姿に衣装替えした上で再登場した。

1曲目の「Penalty Waltz」は、HYDEの指揮に付いて行けず演奏をミスすると、DAIGOがCO2砲を噴射する、という恒例のゲーム。続けて、美脚を露わにしたミニドレスの“レディー蛾蛾”anis(MONORAL)を進行役に迎え、こちらも恒例のリズム遊びゲームを実施。この日の罰ゲームはマネキンへのキス。ROLLY、DAIGOに続き、MY FIRST STORYのHiroをかばったHYDEが罰を受けたのだが、「生身のほうがいい」となぜかanisが主張、HYDEとanisがキスをする、という異例の展開に。肩を落としてステージへ戻り、「まだ動揺してるからね」とHYDEはこぼしていた。

ゲームの後、HYDEから出演者へ順に感謝と労いの言葉を掛ける場面では、総勢4人のカネキが横一列に並ぶ、という貴重な場面も。HYDEがDAIGOに、「HSSやな。ハロウィン(H)、スゲー(S)、サイコー(S)!」と叫んだのを合図に、出演者総出で「HALLOWEEN PARTY」を歌い、お菓子を投げ、観客に手を振りながらアリーナを練り歩いて、幕張初日公演は閉幕。それぞれのアーティストが本気を込めて届けるエンターテインメントショーは、5時間という長さを忘れさせるような、驚きと楽しさに満ち溢れていた。
(取材・文/大前多恵)

≪セットリスト≫
■Tommy heavenly6 <オープニングパフォーマー>
1. Tommy's Halloween Fairy Tale Medley

■BREAKERZ
1. YAIBA
2. WE GO
3. 灼熱
4. SUMMER PARTY

■HALLOWEEN DOLLS <HALLOWEEN COLLECTION>
1. HALLOWEEN PARTY

■MY FIRST STORY
1. ALONE
2. The Story Is My Life
3. 「花」-0714-
4. モノクロエフェクター
5. Second Limit
6. 不可逆リプレイス

■DEEP GIRLS <スペシャルパフォーマー>
1. STEREO
2. Misery Business
3. I kill

■GACKT presents 神威♂楽園
1. 神威♂楽園BABY
2. STAY AWAY
3. 情熱のイナズマ
4. X

■女王蜂×チームしゃちほこ <スペシャルパフォーマー>
1. ヴィーナス
2. スリラ
3. 抱きしめてアンセム
4. デスコ

■VAMPS
1. HALLOWEEN PARTY -JAZZ Ver.-
2. EVIL
3. HUNTING
4. ANGEL TRIP
5. TROUBLE
6. DEVIL SIDE
7. SEX BLOOD ROCK N' ROLL
8. KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver- 

■HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
1. Penalty Waltz
2. Rhythm Game
3. HALLOWEEN PARTY

※メンバー
VAMPS / BREAKERZ / MY FIRST STORY / 女王蜂 / DEEP GIRL / 明希(シド) / anis(MONORAL) / Shinya(DIR EN GREY) / Tommy heavenly6 / 柩(ナイトメア) / ROLLY / 分島花音

※MC
やまだひさし

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