■RADWIMPS/【10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり】ライブレポート
2015.12.23(WED)at 幕張メッセ国際展示場4~6ホール
(※画像11点)
10周年の集大成は、3万人に感謝を捧げた幕張ライブ
10th ANNIVERSARY TOURのファイナルに付けられたタイトルは“RADWIMPSのはじまりはじまり”。10月のアジア・ヨーロッパツアー、11月の対バンツアーの流れを受け、10周年の集大成であるとともに次の新たな息吹に向けての節目となるライブを開催した。
オープニングSEに続き、会場の天井に光の粒が星空を映し出し、満天の星がそこに現れる。歌詞に描かれた世界のままに、息を飲むような演出の「トレモロ」でライブは始まった。そこから一気に、「ます。」「透明人間18号」と熱気を高めていく。
「今年、もう残り何にも(スケジュール)無えからさ、ウチら。全部出します、ここで。3万人もいるんだって、今日。3万人が本気になったら、すげえこと起きそうじゃね?起こしてみっか?今日は最後までよろしく!」(野田洋次郎)
「遠恋」ではベースの武田祐介とギターの桑原彰がソロバトルを繰り広げ、そこに(休養中のドラムの山口智史に代わって参加している)サポートドラマー2人も加わり、白熱の楽器バトルが展開される。そして、骨太なファンクビートを奏でる「ヒキコモリロリン」に続き、野田洋次郎が弾き語りで歌い始めたのは、なんと「もしも」だった。彼らのライブでは、アンコールを求めて観客が合唱することで知られるナンバーだが、実際にライブで披露されることは稀だ。サビでは声を振り絞るような大合唱が沸き起こり、メモリアルなライブでしか耳にできないこの曲を浴びる至福の時間を3万人が味わった。
「昔の曲をやるのって、こっ恥ずかしい気持ちとか結構あるから、あんまり盛り上がってくれないと、俺ら帰るからね(笑)。結構な想いして15歳の時に作った曲とか歌ってるんだから。
さっきとか結構ドギマギしたんだから。倍の年になっちまったんだから、ちくしょう(笑)。お願いしますよ、ひとつ。最高に幸せな時間にしようね」(野田)
妖しげな映像が映える「G行為」、武田がキーボードやスティールパンを奏でる「Tummy」などさまざま曲が続く。そして、ひときわ大きな歓声で迎えられた「有心論」。深遠な世界を描く一つひとつの言葉が、引き締まったサウンドと共に会場に最大級の高揚感をもたらした。
「10年前とかライブは正直、好きじゃなかったです。いっぱいの人に見られるのが本当に嫌でした。でも、好きになったのは、こうやって100%の気持ちを持って向かってきてくれるあなたたちがいるからです、ありがとう。ライブで初めてやる曲をやっていいですか?」(野田)
初披露されたのは「ピクニック」。野田の主演映画『トイレのピエタ』の主題歌で、ゆったりとしたビートに乗せ、映画の世界観を凝縮した歌詞が会場に響き渡る。その静かで張りつめた空気の中、「25コ目の染色体(コは半角)」が奏でられ、ステージを彩る光の渦を見つめながら、息を詰めるように観客たちは聴き入っていた。
「来年への景気づけと、あなたたちのこれからの人生の景気づけに。見せてくれよ、駄々っ子!」(野田)
野田の煽るMCに導かれ、「DADA」に突入する。会場全体がジャンプを繰り返し、熱気も果てしなく上昇。ここから弾けるナンバーが続き、ダイナミックさが増幅された楽器バトルが強烈な「おしゃかしゃま」、驚異的なスピード感で突き進む「君と羊と青」、そして、全ての音と言葉がほとばしる「会心の一撃」で最高潮を迎えた。
「今日はここに3万人がいるけれど、ライブにどれだけ人が入ったとか、CDが何枚売れたとか、正直どうでもよくて。こうやって相対するまでは、そこに現実感はないから。あなたの顔が見えないから。でも、ここで目の前にいるあなたは本物で、それだけは逃げられない圧倒的な事実として突きつけられていて。その事実が僕らをこれからも音楽に駆り立てるし、その視線が僕らを突き動かします。あなたがRADWIMPSに出会ってくれて、本当にありがとうございます」(野田)
ラストは「オーダーメイド」。スクリーンに歌詞の字幕が現れ、繊細な音と丁寧に紡がれる言葉が静かな感動をもたらして終了した。
アンコールでは、会場後方のサブステージにメンバーが登場。
3人だけのアコースティックセットで「お風呂あがりの」「シザースタンド」を演奏。そして、会場を歩いて再びメインステージに戻ったダブルアンコールは、この日最後の曲となる「ふたりごと」で締めくくった。それは、彼らの想いの強さと完成度の高いサウンドで貫かれた、10周年イヤーの締めくくりでもあった。
ライブ終了後には、海外ツアーと胎盤ツアー、そしてこの幕張ライブを追ったドキュメンタリー映画『RADWIMPSのHESONOO Documentary Film』の公開が、2016年3月11日に決定の発表も。2016年、新たな“はじまり”が始まっている。
(取材・文/岡本明)
≪セットリスト≫
1. トレモロ
2. ます。
3. 透明人間18号
4. 億万笑者
5. 遠恋
6. ヒキコモリロリン
7. もしも
8. 俺色スカイ
9. π(パイ)
10. G行為
11. Tummy
12. 有心論
13. ピクニック
14. 25コ目の染色体(コは半角)
15. DADA
16. おしゃかしゃま
17. いいんですか?
18. 君と羊と青
19. 会心の一撃
20. オーダーメイド
<アンコール>
1. お風呂あがりの
2. シザースタンド
3. 05410-(ん)
4. ふたりごと
≪リリース情報≫
Single
『記号として / ‘I’ Nove』
2015.11.25リリース
UPCH-80415 / ¥1,200(税抜)
RADWIMPS オフィシャルサイト
RADWIMPS 掲載記事一覧
エキサイトミュージック レポート掲載記事一覧
excite music official Twitter
excite music official Facebook
excite music official YouTube channel
編集部おすすめ