
99話はこんな話
加野屋は躍進をとげ、いよいよ来年、銀行創業ができそうなところまでこぎつけた。
長年、加野屋を支えてきた大番頭・雁助(山内圭哉)が辞めるのではないかという噂が店の者たちの間で語られるようになって・・・。
雁助も何歳なんだ?
雁助が辞めたら「そろばんでははじけきれんほどの大損失となる」というへぇさん(辻本茂雄)。
さらに、へぇさんは、優秀な人材を連れていく危険性もあると踏んでいた。鋭い。
だが、雁助が連れて出ようとしていた優秀な人材とは、誰あろう、うめ(友近)であることは、あさ(波瑠)しか知らない。
しかも、その理由も、へぇさんが想像するような、仕事をするうえでの頼れる人材というわけではないところが、ドラマに潤いを与える。
うめって設定だともう60歳近いはずと、「あさイチ」で有働由美子さんが言っていた。確かに、「あさが来た」がはじまったのは江戸時代だったし、五代は史実だと49歳で亡くなっているし、うめは50歳はゆうに超えているはず。
ポストセブンの友近のインタビューを読むと、で、最初の頃は45歳くらいと台本に書かれていたが、そのうち年齢が記されなくなったと語っている。
ひたすら、あさに尽くし続けた人生、女の幸せをそろそろ知ってほしいところ。
夏木マリも60歳手前で、桃井かおりも60歳過ぎて結婚したことだし、シニア層の結婚も昨今増えている。うめが60近くて結婚というのは、ある種の人たちの希望でもあるだろう。
となると、雁助もけっこうな年齢のはずだが、彼もやっぱりいつまでも若々しい。
「あさが来た」の登場人物、サザエさん化してきてないか。
(木俣冬)
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