
100話はこんな話
銀行設立に向けて事は進行し、その打ち合わせに参加するため、亀助(三宅弘城)も久しぶりに大阪に帰ってきた。
あさ(波瑠)はというと、ななかなか銀行の神様こと渋沢栄一(三宅裕司)に会うことができず気を揉んでいたが、ようやく、渋沢から返事が来る。
名コンビ雁助、亀助復活
雁助(山内圭哉)と亀助(三宅弘城)のかけあいは最高だ。
へぇさん(辻本茂雄)が「へぇ」しか言わないことに、やっぱり気づいた亀助に、雁助は「その話はもう一とおり終わったんや。」と」ばっさり。
また、子供ができてでれでれの亀助が、バツイチ独り身の雁助にへんに気を使うことに対して、雁助が反発。このふたりのやりとりのリズムがじつに心地よかった。
ふたりとも、舞台で百戦錬磨の活躍をしているだけはあるし、また、ふたりとも音楽活動もやっていて、それも芝居のいいリズムを作り出すことに生きているのだろうか。
ふたりの再会によって、加野屋が大いに活気づいた。
あさと新次郎を結ぶもの
絶妙な間合いといえば、あさと新次郎(玉木宏)もそう。新次郎が紡績事業に目をつけたことを、あさは「惚れ直しそう」と高評価。
仕事に一生懸命になりはじめたことを照れる新次郎は微笑ましい。
彼には父ゆずりの商売の才能があると信じるあさは、もし、新次郎と商売、どっちをとるか究極の選択を迫られたとしたら、どっちを取るのだろう。
「あさが来た」を見て、時々、考えることがある。
あさが、自分の商売への夢と対極のとこで生きている新次郎の何に惹かれたのかといえば、あくまでも商売に対するあさの強い欲望をフォローしてくれるからなのではないか。
あさの一番好きなものは、やっぱり商いである気がしてならない。
恋よりも大事なものもある
うめ(友近)のひそかな恋心に気づいたあさは、雁助とこの店を出て行くことがうめの幸せではないかと考える。ところが、うめは「うめはあなた様といてんのが幸せなんでございます。」と言う。
せいいっぱいの強がりなのかと疑いもしつつ、女性を応援するドラマなら、女性の多様な生き方を肯定してほしいので、うめがどちらを選択するかは極めて重要な部分を担っている。
(木俣冬)
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