
■星野源/【星野源 LIVE TOUR 2016 “YELLOW VOYAGE”】ライブレポート
2016.01.24(SUN)at さいたまスーパーアリーナ
(※画像9点)
新作『YELLOW DANCER』を引っ提げての旅
さいたまスーパーアリーナは20,000人の観客で超満員。この日は17時の開演で、まだ外は「SUN」のメロディをハミングしてもいいくらいに明るい。



開演とともに場内に響いたのは声優・銀河万丈のエスプリの効いたナレーション。舞台セットはカーテンなどあしらったちょっとフォーマルなもので、非日常空間に迷い込んだ雰囲気だった。最初にこうした“前提”を設け、一から物語を綴って行くというのは演劇的でもある。そして本人登場。写真でおわかりの通り、彼の衣装もお客さんに対して礼を尽くしたフォーマルなものであった。
ブラスやストリングスも加わった大編成のバンドが功を奏したのは「地獄でなぜ悪い」や「Crazy Crazy」「桜の森」といった楽器のアンサンブルが楽しい作品。もちろん客席はビートとともに揺れたけど、星野源ライブの特色として言えるのは、盛り上がりが画一的じゃなく、オーディエンスがそれぞれ自分の心のカタチのまま一つになれることだ(ここ肝心です試験に出ます)。そういや彼は、場内に一斉に好きな食べ物の名を叫ばせたりもしたっけ。もちろんみんなバラバラ。でもそれはコトバを越えた叫びとなり彼に届いた。自分の心のカタチのまま一つになれるということの実践としての、典型的なシーンでもあった。



さて、いま3曲ほど演奏曲目を挙げたのだが、ツアー“YELLOW VOYAGE”は、まさに新作『YELLOW DANCER』を引っ提げてのものなので、あのアルバムのテーマである、ソウル・ミュージックの要素というのも聴きどころだった。ただ、それは彼なりに多彩に解釈されたものであり、踊れるソウルもあれば、時間の流れを倍に勘定するかのような、緩さこそが心地良い曲もあった。あと歌以外にも、ギタリストとしても存分に魅力を発揮した。カッコよくリズムをカッティング、そして笑顔で他のメンバーと目配せする様がスクリーンに映される。いい表情。いや、我が身を完全に音楽と同化させた時だけに顕われる表情である。


すべてが終り、日の暮れた外に出て、駅へと向かった。すると頭のなかに「ミスユー」の一節が浮かんだ。“海 空 山 川”……。まるで飛び石を一つひとつ踏みしめるように浮かんできた。非日常の空間は、会場の外へも続いていた。
(取材・文/小貫信昭)
≪ライブ情報≫
【星野源 LIVE TOUR 2016 “YELLOW VOYAGE”】
1月9日(土) 札幌・ニトリ文化ホール
1月16日(土) 石川・本多の森ホール
1月23日(土) さいたまスーパーアリーナ
1月24日(日) さいたまスーパーアリーナ
1月28日(木) 高松・アルファあなぶきホール 大ホール
2月3日(水) 仙台サンプラザホール
2月9日(火) 名古屋・日本ガイシホール
2月16日(火) 福岡サンパレスホテル&ホール
2月27日(土) 神戸ワールド記念ホール
2月28日(日) 神戸ワールド記念ホール
3月5日(土) 広島文化学園HBGホール
3月14日(月) 日本武道館
3月21日(月) 大阪城ホール
≪リリース情報≫
Album
『YELLOW DANCER』
2015.12.02リリース
【通常盤】(CD)
VICL-64439 / ¥3,000(税抜)
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