WEAVER 現在のバンドの意志を示したリード曲「KOKO」/インタビュー

■WEAVER/New Album『Night Rainbow』インタビュー全文(2/4)

――インタビュー1より

何と言われようが「これがWEAVERだ」って胸張れるような気がした

――収録曲それぞれについてもお聞きしたいのですが、初回盤のDVDにも収録される【WEAVER HALL TOUR 2015 Still Boys & Girls ~Sing Like Dancing In Our Hall~】の NHKホール公演では、本編で「さよならと言わないで」、「クローン」の2曲を、アンコールで「Welcome!」を披露されていましね。この曲たちを選んだのには何か狙いがあったんでしょうか?

杉本:どの曲もアルバムへの期待感を持ってもらいたいと思ってやった曲ですね。その中でも、「さよならと言わないで」と「クローン」は、WEAVERが新しく鳴らすサウンドをより感じてもらえる曲でもありましたし、この2曲はその前のライブハウスツアーからやり始めてた曲だったんですよね。そのときの「さよならと言わないで」は、シンセも今のようには入っていなくって、どちらかと言うと、今、ギターバンドで流行っている四つ打ちを意識して作った曲だったんですよ。でも、実際にライブでやってみて、結局、真似事ではかなわないなっていうところもありましたし、何より自分たちのなかでこれじゃないっていう違和感があったんです。それで改めて考えて生まれたのが今のサウンドで、同じ曲でもツアーでやることや、時を経ることで変化していくっていうのをお客さんにも伝えたいと思ってやりました。

――今回のリード曲に「KOKO」を選んだのは? 個人的にすごく良い曲だなって感じていて、初めてスピーカーからこの曲が聴こえてきたとき、思わずその方向に振り返りました(笑)。

杉本:それは嬉しい(笑)。この曲は聴いてもらったらわかると思うんですけど、ちょっとEDM調というか、今、流行のサウンドを取り入れてるんですけど、そういうものは今までだったら「あっ、流行に乗ったんだな」って思われるかもって考えて、出さないか、入れてもアルバムの隅っこの方に入れてたと思うんですよ。でも、今回はどの曲も1点1点をちゃんと見ていて、自分たちが出したいものを貫けたからこそ、変わっていく自分たちに対しても自信を持って、他から何と言われようが「これがWEAVERだ」って胸張れるような気がしたんです。だから、どうせこういう曲をやるなら隅っこでやるよりも表面に出して、どんな批判されようがこれがWEAVERなんだって言える強さを、この曲をリードにして提示したかったっていう思いはありますね。

――そうだったんですね。私はサウンドの新しさもそうですが、メロディがとても素敵だなと思いました。それから、歌詞も想像力が広がる、深く、美しい世界観が綴られていて。

河邉:“KOKO”っていうのはロンドンにあるクラブの名前から採ったんです。実際にその場所に行って見たものからもインスピレーションを受けているので、“フロア”とか、そういう言葉が出て来たりもしてるんです。歌詞の世界観としてはクラブの中の世界でもありますし、たくさんの人がいる中で感じる孤独感とかも描けたらと思って。ちょっと前までの自分だったら、もっとわかりやすくするために一本筋の通ったものを入れて、みんなが最後まで辿り着けるように書いたと思うんですけど、今回は良く言えばミステリアスというか、わかりにくい部分もあると思うんです。でも、それも良いのかなって。そこにちょっとだけ余白が残るような書き方が出来たと思います。

WEAVER 現在のバンドの意志を示したリード曲「KOKO」/インタビュー

僕は綺麗事を歌うかもしれないけれど、それを信じてもらえるようなライブをすることが大切だと思う

――本当は全曲について詳しくお話を聞きたいのですが、時間の都合もあってそういうわけにも行かず……それぞれ個人的に思い入れのある曲について伺ってもいいですか?

杉本:じゃあ、僕は「You」で。この曲はアルバムの制作では最後から2番目くらいに出来た曲で、これが出来るまではアルバムの全貌がはっきりと見えてなかったんですけど、これが出来て「やっとアルバム出せる」って明確に思えたんですよね。これまで大切にしてきた“ピアノバンド”としての核も出せているし、先ほどから言っている“ライブでどう見せるか”っていうのもはっきりと見えていて。ピアノは奥野が全部弾いて、僕はハンドマイクで歌いつつ、ところどころでシンセを弾いてっていうのをイメージして作れたんです。それから、アルバムの中にアップテンポの曲が無かったので、そういう曲が欲しいなって話をしてこの曲が出来たので、アルバム全体がギュッと固まった感じも受けたんです。自分がやりたいこともすべて出しつつ、全体のバランスを取ることも出来た曲だなと思います。

――歌詞も英語で韻を踏んでいたり、面白い試みをしていますよね。

河邉:さっき言ったように歌詞は自然と出て来るんですけど、「You」に関してはこのアルバムの中で唯一、新しいものにしようと思って書いたもので。最初に書いた歌詞はもっとストーリー性があるものだったんですけど、このアルバムの中で最初に歌詞が出てくる曲として、リスナーに一聴してこれまでと違うと感じてもらえるようにしようと意識をして。言葉が日本語でも英語のように流れて行くような使い方とか、出来るだけ韻を踏んでノリや流れを楽しめるようにと思って書きました。それは新しい試みだったんですけど、すごく面白かったです。

――では、河邉さんがアルバムで思い入れのある曲は?

河邉:「Welcome!」ですね。秋のホールツアーでアンコールの最後にやっていた曲なんですけど、これはロンドンにいるときに出来たもので、ライブが出来なかったり、お客さんに会えないという環境の中で出てきた歌詞だったんです。<歌は全ての準備をして そうさ君が来るのを待っていた>ってフレーズがあるんですけど、お客さんも僕らを待っていてくれたかも知れないんですけど、僕らもみんながライブに来てくれるのを待っていたし、その思いを歌詞に出来たらなって。あと<綺麗事の雨の中を 傘もささず歩いていこう>というフレーズは、僕らの歌を人によっては“綺麗事”と言う人もいるかも知れないけど、それの何が悪いんですか?というか、それであなたを傷つけることはないでしょ?というか、そういったメッセージがあって。僕は綺麗事を歌うかもしれないけれど、それを信じてもらえるようなライブをすることが大切だと思うので。わかって歌っているということを、歌えたらと思って歌詞を書きました。

――この曲の歌詞には<「夜にかかる虹を 見たことがあるかい?」>っていうフレーズが入っていて、今作のタイトル『Night Rainbow』のことを書いてますよね? ここから取ったのですか?

河邉:ここから取ったのもあるんですけれど、もともとアルバムタイトルにはいろんな候補があって、その中の一つとして僕が出していたものなんです。その候補の中でいろんな意味を考えた結果、これが一番いいんじゃないか?ってなって、『Night Rainbow』になりました。

――インタビュー3へ



≪リリース情報≫
New Album
『Night Rainbow』
2016.02.10リリース

【初回盤】(CD+DVD)
AZZS-43 / ¥3,611(税抜)

【通常盤】(CD)
AZCS-1053 / ¥2,500(税抜)

[収録曲]
1. Overture
2. You
3. くちづけDiamond
4. さよならと言わないで
5. クローン
6. KOKO
7. マーメイド
8. Beloved
9. Welcome!
10. Boys & Girls
11. Life
12. Hello Goodbye
<DVD> ※初回盤のみ収録
『WEAVER HALL TOUR 2015 Still Boys & Girls ~Sing Like Dancing In Our Hall~』
1. Shine
2. トキドキセカイ
3. 愛のカタチ
4. Happiness ~ふたりは今も~
5. blue bird
6. 僕らの永遠 ~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~
7. 泣きたいくらい幸せになれるよ
8. クローン
9. さよならと言わないで
10. Beloved
11. Boys & Girls
12. Hard to say I love you ~言い出せなくて~
13. 夢じゃないこの世界
14. Shall we dance
15. Free will
16. くちづけDiamond
En 1. こっちを向いてよ
En 2. Welcome!

≪ライブ情報≫
【WEAVER 11th TOUR 2016「Draw a Night Rainbow】
4月9日(土) 大阪 オリックス劇場
4月10日(日) 名古屋 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール 
4月16日(土) 高松 アルファあなぶき小ホール
4月17日(日) 静岡 グランシップ 中ホール・大地
4月29日(金・祝) 福岡 福岡国際会議場メインホール
4月30日(土) 広島 広島JMSアステールプラザ中ホール
5月2日(月) 仙台 若林区文化センター
5月4日(水・祝) 札幌 札幌サンプラザホール
5月6日(金) 東京 NHKホール

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