■ASH DA HERO/Major 1st Mini Album『THIS IS A HERO』インタビュー(1/4)
知ったかぶるのはやめにしない? メジャーには全然夢あるよ
首にまで入ったタトゥー。それは、音楽で生きていく覚悟の証だと彼が話してくれたことがある。
(取材・文/田上知枝)
どうせダサいんだったら、とことん落ちぶれてやろう
――ASHくんは元々バンドをやっていたんですよね? ソロで活動し始めたのはいつから?
ASH:15歳の高校生のときに何もわからないでバンドを始めて、それからバンドマン生活みたいなものをずっとやってきたんですけど、アルバイトをしながらバンドをやる生活を、男としてカッコよくないなって思ってしまったんですよ。それで、掛け持ちでやっていたバイトを辞めて、一人で曲を作ってソロでやりはじめたのが2014年の年頭。そのとき、僕自身がASHをオーガナイズしないと人も動いてくれないだろうと思って、自分が見たいアーティスト像を企画書にまとめて配りはじめたんです。
――ASH DA HEROの設計図みたいなもの?
ASH:そうです。
――そんな企画書を作って持ち歩いてるミュージシャンなんて見たことがないし、ちまちま企画書作ってるASHくんが想像できない(笑)。
ASH:いやー、こう見えて、石橋を叩くタイプなんで(笑)。石橋なんて関係ねー!って、壊すタイプに思われがちなんですが、石橋の耐震構造をチェックして、これなら新しいものを作ったほうがいいかなとかって、検証するタイプですね。
――バンドマン生活をカッコ悪いと思ったのはなぜ?
ASH:魂こめてバンドはやっている、でもそれだけだと生活できないからバイトする。そうすると、今日はライブだ、明日はバイトだ、翌日はリハだ、週末にはデートだって、忙しくしていることに安心しちゃう。でもそれって、社会的に見たら、ただのフリーターなんですよね。そんな自分をダサいって思ってしまって。それで、どうせダサいんだったら、とことん落ちぶれてやろう、まず自分がクズだってことを自覚しないと何もはじまらないと思った。そうやって一回ゼロにしてから積み上げていこうと。趣味以上仕事以下のバンドを続けながら本業を見つけて、それを生業としてやっていくのか、ミュージシャン1本にしぼるのかって考えたときに、僕は歌手を生業としたかった。
――それは地元名古屋でのこと?
ASH:いや、もう上京してきていました。それで、その年の3月に今のマネージャーに出会ったんですけど、食い気味で来てくれて(笑)。「俺とやろうよ。仮に会社が反対してもやるよ」って、そんなことを言ってくれるのは彼だけだったんですよ。それまでにも僕に興味を持ってくれる人はいたんですが、その誰もが「お前ならできるよ、お前なら良い人とめぐり会えるよ」だったから。そのマネージャーがいたのがVAMPSROSE(VAMPSの所属する事務所)だったんです。そうしたら、だんだんと面白いぞって、人が集まってきてくれるようになって。
――二人を見ていると、ASHくんがマネージャーさんに大きな信頼を寄せているのがわかります。元々名古屋では、今のスタイルと違う音楽をやっていたそうですね。
ASH:名古屋シティハードコアと呼ばれるシーンにいました。今池や栄を中心とした、パンク~ハードコアのシーン。全国的には175R、SHAKALABBITS、銀杏BOYZ、太陽族、ジャパハリネットとか、いわゆる“2004年J-ROCK、パンクリバイバル組”が人気の時代で、名古屋も、ketchup mania、midnightPumpkin、ムラマサ☆とか、そういったバンドがひしめきあっていました。
――名古屋と言えば、ヴィジュアル系やヒップホップの文化も大きいですよね。
ASH:そうですね、スクランブルになっているかもしれないですね。名古屋って、位置も関係しているのかなって思うんですけど、東京への憧れが強い一方、大阪には負けたくないって気持ちがあるんですよ。そういう絶妙なジレンマがいろいろなカルチャーを生んでいる。僕はラップが好きだったから、バンドじゃなくてヒップホップがやりたかったんです。当時名古屋では、SEAMOさんがシーモネーターって名前で活動していて、HOME MADE 家族、nobodyknows+なんかと『男塾』ってイベントをクラブでやっていて、よく遊びに行ってたんです。
――まさかASHくんの口からSEAMOさんの名前が出てくるとは思いもしませんでした(笑)。
ASH:SEAMOさんは本当にカッコいいんですよ! 高校の時、SEAMOさんがパーソナリティーをやっていたラジオ番組に投稿したことありますもん。ヒップホップのシーンにあこがれて、そこに入りたいって、クラブばかり行ってました。カルチャーも含めて、そこにいる人たちのイケてる感じが大好きだったんですよ。当時、自分の中ではバンドのシーンはクールじゃなくて、クラブの外で、ラッパーの先輩に混ぜてもらって、フリースタイルのラップをやってました。
――そういえば、当時の名古屋インディーズシーンでカリスマ高校生ボーカリストとして注目を集めたって、いただいたプロフィール資料にありました。
ASH:いやいや(笑)、当時高校生だったから、ラップは全然できないんですけど、頑張ってビートに言葉を乗せていくと、「いいねー、気合い入ってんねー」って。それが嬉しくて、毎週土曜日に行ってましたね。意外って思われるかもしれないですけど、ストリートキッズでしたよ。クラブに行くときはスケボーに乗って、首からヘッドホンさげて。その後はロックシーンでロックやってたんですけど、ヒップホップのカッコいいシーンとバンドのいい部分がクロスオーバーするイベントができないかなって、小さい規模だけど自主イベントをやってました。ラッパーを自分のイベントに呼んだり、転換中にDJ入れたり、オープンからスタートまで1時間くらいDJタイムを作って踊らせたり。でも、なかなか難しかったですよね。自分自身がまだ市民権を得ていないから。今思うと、自分の趣味のパーティー程度だったけど、でも、そういう想いでイベントをやっていました。
――インタビュー2へ
≪ライブ情報≫
【“THIS IS A HERO SHOW” 東京公演】
■公演日:2016年2月19日(金)
■会場:渋谷WWW
■時間:18:30 OPEN / 19:00 START
■共演:Derailers
■チケット:前売り¥3,500 / 当日¥4,000
※当日券発売決定
■問い合わせ:渋谷WWW(TEL.03-5458-7685)
【@FM presents STAND UP!】
2016年3月13日(日)名古屋 ell.FITS ALL
【LOKA New Release Event「THE ORIGINS TOUR 2016」】
2016年3月21日(月)下北沢GARDEN
【CERBERUS PARADE東名阪ツアー】
2016年4月14日(木)大阪・梅田zeela
2016年4月15日(金)名古屋ell.FITS ALL
2016年4月17日(日)下北沢LIVE HOLIC
≪リリース情報≫
Debut Mini Album
『THIS IS A HERO』
2015.12.02リリース
CRCP-40439 / ¥1,667(税抜)
1. HERO IS BACK 2
2. 結局なんにもやれてない
3. 反抗声明
4. WAKE UP ROCK AND ROLL BAND
5. BABY GOOD NIGHT
6. THIS IS LOVE
ASH DA HERO オフィシャルサイト
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