
130話はこんな話
東京では、梨絵(寺島しのぶ)が息を引き取る。
お母さんは福田和子に
あさ(波瑠)が刺されて入院している時、東京では、お父さん・忠興(升毅)が具合が悪く、その看病で梨絵(寺島しのぶ)が手一杯と語られていたが、
先に、梨絵のほうが亡くなってしまった。
しかも、「それからほどなくして〜〜〜亡くなりました」っていう語り(杉浦圭子)だけで、あとは回想と写真のみ。寺島しのぶ、多忙なのだろうか。
と思って、彼女のコラムのサイト「ほどほどに」を見ると、舞台の稽古中のようだ。でも、「先日、NHKスペシャルでシリア難民のナレーションをやらせていただいた。」と書いてあった。
それから、3月17日は他局で、福田和子を演じたドラマ「実録ドラマスペシャル 女の犯罪ミステリー福田和子 整形逃亡15年」 の放送があるという。これは見たい。やっさしく上品なお母さんもよいが、寺島しのぶにはやっぱり業の深い女をやっていただきたい。
「なんてことやろな。こない短い間にお母さんふたりも亡くしてしまうやなんて」とつぶやくはつ(宮崎あおい/大は立)。ほんとうに矢継ぎ早に俳優が退場していき、ドラマが終わっていくのを感じて寂しい限り。
それにしても、お母さんふたりも一気にとは。
もうひとり心配なのが、忠興。かなりお辛そうである。
枕元にはつと新次郎(玉木宏)を呼んだ忠興は、
「ふたつだけ最初の最初から読み違えて失敗したことがあったのや。
それは、ご維新での山王寺屋さんのことと、あさのことです」と語りだす。
はつと新次郎の婚約をあさに替えたことを反省してるのか? いや、だったら、「はつとあさのことです」と言うだろう。はつは、惣兵衛(柄本佑)とものすごくうまくいっているから、これは、忠興の大勝ちのひとつと思っているのかもしれないし。
ではいったい、あさの何が失敗なのだろう。
「あさを人の命を吸って生きる人間にしてしまったことを親として反省している」っていうのはどうだろう。
三途の川からあさが戻れた奇跡は、菊と梨絵の命と引き換えに起ったことなのではないか、と思えてしまうからだ。
あさが元気でいつまでもびっくりぽんなほど瑞々しいのは、いろんな人の生命を吸いとっている説をぶちあげたい。
だから、忠興のことがかなり心配だ。
(木俣冬)
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