紙の手帳には大きな欠点がある。
自分の生活時間帯と手帳の時間帯が合わないのだ。
ウイークリー手帳等では朝7時から始まり22時に終わるものが多い。

22時なんてこれからが仕事の本番なのに! 7時とか寝ている時間だし! 普通の手帳だと書きたい予定が書けなかったり、上半分が余白ですかすかになってしまう。そんな夜型人間のための手帳が3月4日に発売された『夜型手帳』だ。
夜中の予定が書き込める便利。ありそうでなかった夜型生活者向けの手帳
夜型手帳(幻冬舎コミックス)
B6サイズで透明なカバーがついている。「夜型手帳」と書かれている部分は取り外し可能

10時から翌朝5時まで書き込める


夜型手帳の最大の特徴は週間(ウイークリー)の時間帯だ。バーチカル(縦方向)タイプで10時から翌朝5時まで書き込める。
夜中の予定が書き込める便利。ありそうでなかった夜型生活者向けの手帳
週間予定表。10時から翌朝5時(29時)までの予定を記入できる。日曜や祭日は赤で表記されている

従来の手帳の自由記入欄が0時から5時の欄なのだ。つまり24時から29時までの予定を書き込める。夜型の人間の場合、寝る時間が1日の終わりだと考えると24時が日にちの区切りではない。0時から24時までのタイプでは、その日(主観)の予定を翌日に書き込むような印象を受けてしまう。

また、土日も平日と同じ幅で書き込めるのはありがたい。スペースの都合で土日が平日の半分になっている手帳は案外多いが、あまり土日が関係ない仕事をしている場合、こういった手帳はとても使いにくい。

TODOリストはついていないが、左端に方眼部分が使える。また、週間ではなく月間(マンスリー)部にはメモを取るスペースが用意されている。

夜中の予定が書き込める便利。ありそうでなかった夜型生活者向けの手帳
月間予定表。メモスペースがある。日曜や祭日は赤字で表記されている

クリエイター向けの「〆切りリスト」もついている


巻末のおまけページが好きという人もいるだろう。夜型手帳には、夜型生活が多いクリエイター向けを標榜しているだけあって、「〆切りリスト」がついている。
夜中の予定が書き込める便利。ありそうでなかった夜型生活者向けの手帳
〆切りリスト。フェーズごとに進捗を管理できる

「案件」「フェーズ1」「フェーズ2」「〆切日」で構成されていて、フェーズごとに管理できる。場合によってはTODOリストがわりにも使える。

その他、東京、大阪、名古屋、福岡の夜型店舗リストや、「終電・始発メモ」、「手つぼ・足つぼリスト」など徹底して夜にこだわったおまけだ。「夜にまつわるあれこれ」と題した、さまざまなジャンルの「夜」に関連するものリストはちょっとやり過ぎな気がしなくもない。

手帳としても、しっかりと作られている。糸がかり製本で180度に開きやすく、しおり紐はマンスリーとウイークリーそれぞれに使いやすいよう2本ついている。透明なカバーにはペン差しもある。

紙はややクリーム色で、裏写りはあまりしない。試しに手元のKAKUNO万年筆で書いてみたが、気にならなかった。
夜中の予定が書き込める便利。ありそうでなかった夜型生活者向けの手帳
KAKUNO(万年筆)のF(細字)とM(中字)でそれぞれ書いたもの(左)と、その裏面(右)。ほとんど裏写りはしていない

「朝活」を推奨している時代だが、どうしても夜型生活を送らなければならないという人も多いだろう。
夜型とはいかないまでも、会社の定時が10時から19時のため、7時や8時始まりの手帳だと微妙に時間帯がズレている人もいる。シフト勤務で定期的に夜勤が入る人もいる。チェックする人が朝出社するまでが「その日〆切り」の意味だという仕事の人もいるかもしれない。

夜間に予定が入る仕事の人にとても便利な手帳だ。
(杉村 啓)
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