現在、大ヒット公開中の映画『暗殺教室~卒業編~』。

その一部のシーンの撮影に使用されたロケ地が4月9・10日の2日間限定で公開されると聞き、実際に見に行ってみた。


映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


場所は、2015年3月に閉校した旧狭山市立入間中学校の校舎。
実際に撮影に使われたセットの一部を撮影当時のまま残してあるという。
ただし、それが映画の中のどの場面なのか、誰が実際に撮影に来たのかもわからない。

最寄り駅は、西武新宿線・入曽駅。改札を出ると、矢印の記された案内板を持った地域ボランティアの人が会場の方角を案内してくれていた。

駅から学校までは徒歩10分ほど。
お昼ごろに着くと、校庭には長い長い行列ができている。

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


校門付近では、通りすがりの近所の人が行列に驚き、何事か尋ねており、地域のスタッフが、
「マンガの原作ファンと、主演のジャニーズの方のファンが多いようですよ」
と説明していた。

行列の中心は小学生など小さな子を連れたファミリーで、孫を連れたおじいちゃんやおばあちゃんの姿もチラホラ。若い女の子グループももちろん多数いたが、Hey! Say! JUMPのコンサート時などに横浜アリーナや東京ドーム周りに大量に見られる大量の若い女の子の行列とは様子が違う。
作品が「ジャニーズ映画」としてではなく、いかに一般に愛されているかがよくわかる。

校舎には閉校になったときのものだろう<ありがとう さようなら みんなの入間中 永久不滅の入間中魂! 68年間の輝く笑顔! 平成27年3月>と書かれた横断幕が掲げられている。


映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


だが、よく見ると、その横断幕のすぐ下あたりの窓ガラスにはひどい落書きが。

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


まるでそこだけヤンキーだらけの荒れ果てた学校に見えるが、映画を観ている人にはすぐにピンとくる。実はコレこそ、『暗殺教室~』のあるシーンで使われた場所なのだ。

行列すること約1時間、ようやく校舎内へ。

入口では、来場者の人数と「市内・県内・県外」を調べていた。市内の人は多いようで、「撮影していたことも知らなかった」という近隣の人も。
また、遠方から来ている人はやはり主演のHey!Say!JUMP・山田涼介のファンが多く、なかには愛知県から来ている人もいるという話だった。

「入口」と書かれた張り紙には映画のロゴが書かれていたり、映画のポスターの通常版と反転版が並んで展示されていたり。

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


廊下には撮影当日のようすが写真で展示されていたり、撮影禁止の出演者パネルコーナーがあったりと、ファンに向けた細やかなサービスが豊富である。

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


パネルの脇に描かれた殺せんせーのポーズや表情がひとつひとつ違っていたり、黒板や壁に描かれた落書きも、やたらリアルだったりと、とにかく芸が細かい!

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


また、同じ『週刊少年ジャンプ』連載マンガ『斉木楠雄のΨ難』とのコラボによる特別読切マンガも展示されている。

さらに、実際に撮影に使われた教室では山田涼介のパネルとともに、別の教室では、黒板に大きく描かれた殺せんせーをバックに、スタッフが撮影をしてくれている。

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


かつて職員室だったらしき場所では、あたたかい狭山茶を無料でふるまってくれるサービスもあった。


市の職員と地域のボランティアスタッフが運営しているという話だが、駅の改札から校門、校庭、廊下、教室、休憩スポットに至るまで、かなりのマンパワーを導入し、細やかなサービスをしてくれる狭山市。
どうせなら行列している校庭に屋台でも並べておけば、お金を落としていく人もいるだろうに……などと思いつつ、欲のないあたたかいおもてなしへの感謝を込めて、休憩所で「狭山紅茶クッキー」と「狭山茶コーラ」を購入。

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


一般公開は残念ながら終了しているが、後に狭山市HPで公表された情報によると、来場者数は2日間で延べ6203人だったそう。

マンガ原作の実写化ドラマや映画は近年多数あるが、こうも幅広いファミリー層に愛された作品は少ないのではないだろうか。

映画「暗殺教室~卒業編~」ロケ地の校舎へ行ってみた


作品をこれから観る人は、狭山市のこの落書きだらけの教室が、どのシーンで使われたのか、ぜひチェックしてみてほしい。
(田幸和歌子)