ところで、試験前になると、普段やりもしない部屋の片付けをしたくなったり、本を読みたくなったり、昔の手紙を読んだり、手紙を書いたりしたくなるもの。
これは明らかに現実逃避とわかっているけど、どうにかならないものだろうか。
『中学受験が子どもをダメにする』(幻冬舎ルネッサンス新書)の著者で教育研究所ARCS所長の管野淳一先生に聞いた。
現実逃避をするのは恐怖心から
「テスト前に本を読んだり手紙を書いたりなど、現実逃避したくなるのは、いつの時代も同じですよね。子どもたちがすぐに勉強しないのは、目の前のことに立ち向かいたい自分と同時に、逃げたい自分がいるから。『勉強から逃げたい』『勉強しても良い点がとれるか不安』という恐怖心があるから、考えすぎて変な行動になってしまうのです」
その恐怖心をどうやったら消せるのか。
「まずは現実逃避したくなる心理状態に気づき、その理由を自分なりに分析すること。恐怖は、逃げるとずっとついてきますが、向き合えば実は簡単に消えるものなんです」
さらに、管野先生がオススメしているのは、「帰宅後の行動パターンを変えること」だそう。
「学校から帰ったら、まず冷蔵庫を開けて飲み物を飲んだり、おやつを食べたりする子が多いと思います。そして、その時間だけのつもりで録画しておいた番組を見たり、寝そべってマンガを読んだりする。『〇分までゴロゴロする』 などと時間を決めてダラダラしても、つい『あともうちょっと……』となりがちなのも、よくあるパターンですよね」