BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

■BUMP OF CHICKEN/【BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016“BFLY”】ライブレポート
2016.07.17(SUN)at 日産スタジアム
(※画像8点)

BUMP OF CHICKEN対7万人の“1対1”の関係性を見た

実に総動員数30万人。4月9日の京セラドーム大阪2DAYSを皮切りにスタートしたBUMP OF CHICKEN初のスタジアムツアー【BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 "BFLY"】が、7月16、17日に開催された日産STADIUM 2DAYSでファイナルを迎えた。


BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

その2日目。それは、とても感慨深い光景だった。BUMP OF CHICKENが巨大なステージの上で大観衆の前に立つという状況は、バンド初のスタジアムライブとなった3年前のQVCマリンフィールドや【WILLPOLIS】における日本武道館しかり、【WILLPOLIS 2014】のファイナルを飾った2年前の東京ドームしかり、今年2月11日に幕張メッセで開催された結成20周年記念ライブしかり、近年数多く目撃しているので、違和感も覚えることはなかった。しかし、いざ日本最大級のキャパシティを誇る日産スタジアムに7万人ものオーディエンスが集結しているなかで、ステージに立つ藤原基央、増川弘明、直井由文、升秀夫の4人はひたすら真摯かつ情熱的に音楽を鳴らし、一人ひとりのオーディエンスと向き合うという、結成当初から不変のライブに対するマインドを貫いているその光景は、とても感慨深いものがあった。いや、この感覚はこれまでBUMP OF CHICKENが大会場でライブをする度に去来したきたものだと気づくし、きっとこれからもそうなのだろうと思う。そういう意味でも、つくづく他に類を見ない立ち位置にあるロックバンドだと思う、BUMP OF CHICKENは。

BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

いみじくも藤原基央は「20年前の2月11日にやった初ライブと同じ気持でステージに立っている」、「ここにいる7万人全員と握手がしたい」、「7万通りの“1対1”があると思う」と言っていたが、BUMP OF CHICKENは本当にそういうあり方で、ライブという楽曲に一回性の生き様を投影する音楽表現を重ねてきた。だからこそ、そこにいるオーディエンスの単位がどれだけ膨れ上がろうとバンドの実像は揺らがないし、BUMP OF CHICKENのライブは特別な時間の連なりであり続ける。藤原が、上記のような言葉を無実なものとして口にしないこともまた誰もが知っている。

BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

絶対に楽曲が演出に凌駕されない、絶対に演出が楽曲を超越しないということも、この日のライブで痛感したことだった。最新のテクノロジーを駆使した壮大な映像や会場にいるすべての人に配布されたPIXMOB(赤外線信号でカラフルに発光するLEDリストバンド)、チームラボボールなど豪奢な演出が数多く用意されていて、もちろんそれらは各楽曲が放つ生気であり光輝を照らしはするが、音楽の求心力を吸収されることはない。ライブはそのようにして、「Hello,world!」で幕を開け、アンコールの「天体観測」で有終の美を飾った。
筆者が特に印象的だったのは、この日産スタジアム2DAYで初披露された新曲の「アリア」と、本編ラストの「ray」、「虹を待つ人」、「Butterfly」というBUMP OF CHICKENの開放的な音楽像をエレクトロニックなダンスミュージックの意匠を施したサウンドによって導いた、あるいは近年のBUMP OF CHICKENを大衆に向かわせたといっても過言ではない楽曲群の前に披露された「supernova」である。性急なBPMでアンサンブルと歌を躍動させる「アリア」も、静謐かつ広大なサウンドスケープで自らと他者の生命力をつぶさに描く「supernova」も、ともにコーラスが大きな役割を担っており、ステージに立つ4人とオーディエンスのコーラスが一つひとつ重なり、強大な息吹の固まりとなる様相は、まさにBUMP OF CHICKEN対7万人の“1対1”の関係性が如実に浮かび上がるようだった。

BUMP対7万人の“1対1”の関係性を見た日産スタジアム公演を振り返る/ライブレポート・セトリ
撮影 富永よしえ、古溪一道

何度も書くが、BUMP OF CHICKENは、これまでも、これからも、そうやって音楽と生きて、楽曲に触れる個々人と関係していく。
(取材・文/三宅正一)

≪セットリスト≫
1. Hello,world!
2. パレード
3. K
4. カルマ
5. ファイター
6. 宝石になった日
7. アリア
8. 流星群
9. 大我慢大会
10. 孤独の合唱
11. ダンデライオン
12. GO
13. 車輪の唄
14. supernova
15. ray
16. 虹を待つ人
17. Butterfly
<アンコール>
1. 天体観測

≪リリース情報≫
Live Blu-ray&DVD
『BUMP OF CHICKEN結成20周年記念Special Live「20」』
2016.07.13リリース

【Blu-ray初回限定盤】(Blu-ray+LIVE CD)
TFXQ-78144 / ¥7,000(税抜)

【Blu-ray通常盤】(Blu-ray)
TFXQ-78145 / ¥6,000(税抜)

【DVD初回限定盤】(DVD+LIVE CD)
TFBQ-18188 / ¥6,000(税抜)

【DVD通常盤】(DVD)
TFBQ-18189 / ¥5,000(税抜)


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