
家に帰るまでが遠足ならば、切るまでが電話です。
現在の恋人と付き合う前、毎日のように数時間、電話で他愛のない話をしていました。
鈍感かつ自信のない筆者でもさすがに「これは好いてもらっているのだろうな」と春の訪れを感じ、気分が高揚していたところにいつも、
彼「じゃあおやすみなさい」
私「はい、おやすみなさ…」
彼「ポロロンッ(LINEの切る音)」
………!!!
脳内で舞っていた桜の花びらすべて、日本刀でこっぱみじんにされるのです。
恋人はいつも電話の切り方がこのように乱雑で、その対応を受けるたびにひと口サイズの失恋をする筆者。
電話しているの本当は嫌だったのかな、なにか怒っているのかなと気になりますし、こちらも気持ちのいい感情は抱けません。
仕事は「人間性」を重視している人が多い
「この人は乱雑な人なのだ。きっと枕が見当たらなければ冷凍ピラフで代用しているだろう」とやり過ごすことは可能かもしれません。しかしそう思われる側はそれでいいのでしょうか。
ひと口サイズの失恋も、続けば五口六口と満腹、胃もたれ、腹痛へと状況が下降していきますし、もちろん仕事でも。
お客様相手にそのような対応はしないでしょうが、仕事仲間にはいかがでしょう。
「仕事って、結局『人』だよね」ということが、筆者の周りでたびたび話題に上ります。ということは、人間性の面で相手にマイナス感情を抱かせると、極端な話、周りの人がいなくなる恐れがあるということ。
「○○○」と言って、待ちましょう

正しい作法はわかりませんが、個人的に思う「気持ちのいい電話の締め」は、
A「では失礼します」
私「失礼します」
A「はーい」
ふたり「……」
私「ガチャン」
「ガチャン」……スマホなら本当は「タップ」が的確でしょうか。
先に切られるよりは、待っていてもらえる方が温かみを感じますよね。
そして最後のあいさつを互いに交わした後の相手からの「はーい」。筆者の周りに、この「はーい」を必ず言ってくれる女性がいるのです。
親切も3秒ルール!「切らなさすぎ」はNG

自分が後に切ることが基本的には親切ですが、相手もそうしたいと思っていて、お互いなかなか切れない…という話をどこかで聞いたことがありますし、筆者自身経験があります。
あのときの「親切」には寿命があり、生きていられるのは約3秒。あくまで個人的な感想ですが、3秒待って相手も切らなかったら、そこから親切は「自己満足」と化してしまいます。3秒経ったら相手に親切を譲り、そっと電話を切りましょう。この場合、それが本当の親切です。
相手からかけてくれている電話の場合、通話料の問題もありますよね。あまり長く待つと無言の通話料をかけさせてしまい、それこそ相手を「言葉が出ない」状況にさせかねません。
「価値ある3秒」を捨てないで
3秒待たずに切れば、その分かゆかった背中がかけたり、洗剤を買い忘れたことを思い出せたりするかもしれません。
けれど電話を切るのを待つ3秒は、相手に好印象を与え、結果、人を呼び寄せる「価値ある3秒」だと思うのです。
(武井怜)