
■【テレビ朝日ドリームフェスティバル2016】ライブレポート
2016.10.23(SUN)at 国立代々木競技場 第一体育館
(※画像5点)
(C)テレビ朝日 ドリームフェスティバル 2016
バラエティ豊かな出演者たち、90年代懐かしソングに心躍る2日目
今年で6回目の開催となる【テレ朝ドリームフェスティバル】(以下、ドリフェス)が10月22日(土)~24日(月)、国立代々木競技場第一体育館で開催された。筆者は3年連続で同イベントに足を運んでいて、自分の中では“テレ朝ドリームフェスティバル=秋の風物詩”になっている。
トップバッターを務めたのはV6。アーティストの出演順番は観客には発表されていないため、誰が出てくるのかわからないのだが、大型ビジョンにV6が出演した『ミュージックステーション』(以下、Mステ)の過去の映像が映ると、一気に歓声が沸き起こった。そしてスモークのかかるステージに、白ジャケットに黒色のトップス、パンツ姿のメンバーが登場した。
1曲目に選んだのは1995年のデビュー・シングル曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」。実はアラサーの筆者が小~中学生の頃、V6が冠を務めるバラエティ番組が大ヒット。筆者も例にもれず番組を見ていたし、さらに小学生の頃は無貶しのお小遣いでV6のCDを集めていたのだ。そんな思い出から早15年以上。久しく聞いていなかったが、イントロが流れた時に幼少期の記憶が呼び覚まされるような感覚があった。そして、サビの<この手にVictory>の部分では、つい口ずさんでいた。
MCでは、井ノ原快彦が「坂本くん(坂本昌行)は緊張して振り付けを間違えたようです」「テレ朝のゴーちゃん。も頑張っていますが、こっちの剛ちゃん(森田剛)も頑張っていますからね」と、メンバーをいじって会場を笑いに包み込む。さらに、フェスなだけに男性の観客もおり「男性諸君盛り上がっていますかー?」と問いかける。低音の「イエーイ」が返ってくると、これには三宅健も「男子の低音いいねー!」と喜んでいるようだった。
その後、「Darling」では、一人ひとりゴンドラに乗り、客席をぐるりと回る。アリーナ席の後方まで移動していき、これに観客は大熱狂する。その後も、「愛なんだ」「WAになっておどろう」など、再び90年代の曲を歌って幕を閉じた。

V6の興奮が覚めやらぬまま、続いて登場したのは、星野源。V6並みに黄色い歓声が飛び、国民的アーティストだと実感する。スーツ姿で、赤い自転車に乗ってステージに現れた。
アコースティックギターで、1曲目の「くせのうた」を歌い出す。観客に届けるというよりは、一人部屋で静かに歌っているような雰囲気だ。歌い終わると、「大きな場所で、家みたく一人ぼっちでやっているようなのが心地いい」と笑顔をみせる。続いて「手拍子なんかしなくていいですからね」と前振りをしてから「化物」を披露。観客の手拍子が入ると、徐々に会場に一体感が出てきた。ちなみにMCでは、喫茶店で「星野さんですか? ファンなんです」と、V6の三宅健に声を掛けられたというエピソードを打ち明けた。最後は再び自転車に乗って、坂道につまずきながらもステージを去った。

3組目に登場したのは、レキシ(池田貴史)。小走りでステージに現れ、「はい、もう時間がないよ!」とバンドメンバーを急かす。そんなやりとりに、観客が「フゥ~!」と盛りたてる。これには彼も「俺を甘やかしてどうする、フェスはアーティストを甘やかす!」など言いつつも、まんざらでもない様子。「SHIKIBU」演奏後には、「どうもケビン・コスナーです」とボケると、観客から「イエーイ」の応答が。それに対しても「イエーイじゃねえよ!」とツッコむ。こういった軽快なやりとりに、漫才でも見ているかのような気分になる。またドリフェス出演について、「なんで俺を呼んだの? みんなMステ出てる人でしょ。俺出たことないよ。タモリ倶楽部ならあるけど」と話し、会場の笑いを誘う。
レキシのファンが演奏中に稲穂を振る「狩りから稲作へ」では、他出演者の代表曲の替え歌を披露。歌詞を「稲」に変えるといったものだ。

早いもので、後半戦に突入。ステージに現れたのは、デビュー20周年のPUFFYだ。1曲目に選んだのは、ミリオンヒットを飛ばした「サーキットの娘」。今日のドリフェスは、90年代懐かしソングが多くてワクワクしてしまうし、20年近くの時が経っても色褪せず、古臭く感じさせない楽曲に驚くばかり。その後もパワフルなギターサウンドを披露するも、相変わらず脱力感のある歌い方だ。PUFFYの2人は、観客の振るペンライトが気になったようで、MCでは「それ使い捨てですか?」と、観客に問いかける場面も見られた。ライブ後半では「これが私の生きる道」「愛のしるし」「渚にまつわるエトセトラ」「アジアの純真」と、代表曲のオンパレードに、会場も大盛り上がり。やはり大ヒットしただけにどれも口ずさめてしまう。

続いて登場したのはエレファントカシマシ。CMソングにもなった「俺たちの明日」からステージが始まった。宮本浩次(Vo&G)が力強く歌い、ロックが会場に響きわたる。客席から「宮本~!」と男性の歓声が飛び交う姿も印象的だった。その後「どんと楽しもうぜ、エブリバディ! もう50歳だけど行くぜ、という歌です」と紹介してくれたのは、8月にリリースしたばかりの新曲「i am hungry」。宮本は歌いながら、相変わらず少しボサっとした髪を掻き揚げる。足を開いたガニ股風の独特な動きは、どことなくダサいんだが、シャウトを炸裂するロックな姿はかっこよく感じてしまう。これで50歳とは……! 観客の大半は女性で、最初はアウェイな雰囲気も感じたが、徐々にエレカシに魅了され、会場にグルーヴ感が出てきた。「ノリがいいな、エブリバディ!」と観客を褒め称え、「30年近くやってるけど、ここ(代々木第一体育館)でやるのは初めて」と明かした。

トリを飾るのは、デビュー10周年のいきものがかり。今回出演者の中で、最年少だという。
ステージ後半戦では「ブルーバード」「Sweet! Sweet! Music!」「気まぐれロマンティック」とアップテンポな曲を連発。これにより会場は、再び熱狂しだす。吉岡聖恵(Vo)は、ステージの上を自由奔放に動き回るため、“スカート姿でそんなに動いて大丈夫!?”とヒヤヒヤするも、当の本人はそんなの関係ないようだ。全8曲を歌い上げ楽しいステージではあったが、「じょいふる」がなかったのでどことなく物足りなさが残る。すると観客席からアンコールの手拍子が沸き起こった。そしてメンバーが再びステージに登場し、待望の「じょいふる」を熱唱。全観客がタオルを一斉に振る光景は、いつ見ても気持ちいい。最後は、メンバーと観客たちで一斉にジャンプをし、ドリフェス2日目は幕を閉じた。
(取材・文/名久井梨香)
≪セットリスト≫
●V6
1. MUSIC FOR THE PEOPLE
2. TAKE ME HIGHER
3. Believe Your Smile
4. HONEY BEAT
5. fAKE
6. will
7. SP<エスピー>“Break The Wall”
8. Beautiful World
9. over
10. Wait for You
11. Darling
12. CHANGE THE WORLD
13. 愛なんだ
14. WAになっておどろう
●星野源
1. くせのうた
2. 化物
3. 地獄でなぜ悪い
4. くだらないの中に
5. 恋
6. SUN
●レキシ
1. きらきら武士
2. SHIKIBU
3. 狩りから稲穂へ
4. KMTR645
●PUFFY
1. サーキットの娘
2. 海へと
3. パフィピポ山
4. これが私の生きる道
5. 愛のしるし
6. 渚にまつわるエトセトラ
7. 誰かが
8. アジアの純真
●エレファントカシマシ
1. 俺たちの明日
2. 悲しみの果て
3. i am hungry
4. 風に吹かれて
5. RAINBOW
6. 夢を追う旅人
7. ガストロンジャー
8. 今宵の月のように
●いきものがかり
1. SAKURA -Acoustic ver.-
2. ありがとう
3. ラストシーン
4. ブルーバード
5. Sweet! Sweet! Music!
6. 気まぐれロマンティック
7. 笑ってたいんだ
8. 風が吹いている
<アンコール>
1. じょいふる
2. コイスルオトメ
≪番組情報≫
『テレビ朝日ドリームフェスティバル2016』
放送局:CSテレ朝チャンネル1
日程:2017年1月放送
詳細:http://www.tv-asahi.co.jp/ch/dreamfestival/
テレビ朝日ドリームフェスティバル2016 オフィシャルサイト
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