男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


長いこと「ごはんを炊けば立派な自炊!」という気になっていた筆者ですが、今の恋人と同棲を始めてから、慣れない料理を作っていま……した。
過去形なのは冒頭の漫画のとおりの理由です。
彼は「ケンカしたいの?」と思わせるくらい、毎回料理に「強いて言えば…」と言ってケチをつけてきます。

男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


ただでさえ神経質な筆者。生肉を扱うことがこわく、毎回どれだけ恐れながら料理に挑んでいるか…泣きながらフライパンを握る日も稀ではありません。
彼の職場に我が家のキッチンが見えるモニターを置いておいたら、「強いて言えば…」なんて口が裂けても言えなくなるはずです!
でも言うのかもなぁ。だってそれが、彼にとって「優しさ」らしいのですから!

〇〇なんて優しさじゃない!


男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


今回の執筆にあたり、仕事から帰宅中の彼に LINE で、あらためて、料理に「強いて言えば…」と言ってきたのは優しさだったのかと聞いたのです。そして返ってきた、調子を狂わせるこの絵文字。
今はその「詳細」とやらを聞く前の段階なのですが、彼が帰ってくるまで、彼がなぜ料理に「強いて言えば…」と言うことを「優しさ」と思うのか、 3 つほど予想を立ててみます。


1. 何も考えず、テキトーに発言している
男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


2. 「強いて言えば」という言葉を毎日口にしないと死んでしまう病にかかっていて、生きて筆者を守るために言い続けてくれている
男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


3. 次に活かせる「アドバイス」をしているから
男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑



有力なのは 3 だと思うのです。しかしもしそうなら先に言っておきます。それは優しさなどではありません。
だって要は「彼好みの料理」に仕上げるための「アドバイス」なわけで、言い換えてしまえば「俺好みの料理に近づく方法を教えてやるよ」ということ。それを「優しさ」と言ってしまうことがもう自己中心的。この場合のアドバイスなんて優しさじゃない!

「〇〇だったらなぁ…」!?


そんなこんなで彼が帰宅し、「詳細」を聞かせてくれました。

「強いて言えば」が優しさの理由 :
「『ダメ出し』じゃなくて『アドバイス』だから」(はい、でたー!)

男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


例えばオムライスの具についてのコメントは「ダメ出し
オムライスにトマトが乗っていればなぁ、スープがついていればなぁは「強いて言えば( = 優しさ)
ペペロンチーノをもっと辛くした方がいいは「ダメ出し
もっとチンしてくれたらなぁは「強いていえば(=優しさ)
「強いて言えば…」は「もっと良くなるのになぁ…」という意味合いなので「優しさ」なのだそうです。


男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


「ペペロンチーノをもっとチンしてくれたらなぁ?」……はぁ?

「優しさ」を履き違えためちゃめちゃな意見に、懐かしのまちゃまちゃのモノマネも飛び出ます。
チンくらい自分でしてもバチは当たらないですし、そもそもペペロンチーノは茹でているのであってチンしないですし。

前述の「予想 3 」とほぼ同じ返答ですよね。よって筆者は変わらず、料理に対する「強いて言えば…」を優しさと感じません。
ちなみに彼が例えた「トマトが乗ったオムライス」、そんな珍しいオムライスがほしいのなら、今後それだけは作るつもりです。それで「強いて言えば…」と言われないのならば喜んで作ります。

仕事の時間を削って、これは個人的な問題ですが我が家の壊れたボイラーと戦いながら料理しているんです。
世の中には、働きながら、または目を離したら一大事になりかねない小さいお子様を見守りながら、お腹の中に命を抱えながら料理をしている人だって、たくさんいるんです。
男性の皆さん、料理に対する「強いて言えば…」は「優しさ」…これ共感しちゃうんですか?しちゃっていいんですか??

彼はこうまとめました。
「美味しい」が前提。「それをもっと良くするには…」ということを言っているので、「強いていえば」は「肯定」。

韻踏めたね名言みたいだねすごいねー。


「美味しい」だけじゃダメですか?


男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


高校時代、演劇部だった筆者。どの基礎練習でも基本的に部員がお互いに「ダメだし」をし合います。そのとき彼のように、「良かったけれど、強いて言えば…」の言い方で言ってもらえるとたしかに、こちらの気持ちを汲んで言ってくれているという親切心が伝わりました。なのでこの場合、「強いて言えば」は優しさと捉えることができます。
しかし演劇部と料理では、大きな違いがあります!
演劇部は、部員が一丸となって技術を向上させていく目的で、もっと良くなるところを伝え合っていたのです。
「向上したいこと」に対しては、「強いて言えば」は優しさと受け取ることができるのです。

男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


彼は、料理の「強いて言えば」を「もっと良くするには」という意味で言っているということは、働きながら料理をしている筆者に対し、「料理の腕を向上させろ」と言っているわけですよね。
料理に関して筆者は、それなりのものが作れればいいと思うのです。
そりゃあ彼と、ヒルナンデス『レシピの女王』に出ようと二人三脚で頑張っているのなら、「強いて言えば」は優しさですよ。『レシピの女王』緊急スピンオフ企画で、彼の優しさが野間口徹さん(画像検索したら皆さんきっと共感します!)主演で映画化されてもおかしくないほどの優しさと言ってもいいでしょう。

…そうじゃないですから。ただでさえ仕事の時間を削って料理しているのに、なぜ「向上しろ」とまで願われねばならぬのですか。「美味しい」んでしょ?それで満足しなさいよ。
という話です。

仕事ではうまくいっても……


男が女の料理にケチをつけるのは「優しさ」と感じている疑惑


彼もそうなのですが、仕事柄アドバイスをすることが多く、そのときに後輩や部下に喜んでもらえ、尚且つ状況がうまく運ぶことが多いため、私生活でもそれを反映させればうまくいくと思いがちなのではないでしょうか。
が、やはりそこは「向上」させるべきことかどうかの違い。今日も食卓にごはんがあることに感謝しましょう。
(武井怜)
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