脚本:渡辺千穂 演出:安達もじり

90話はこんな話
すみれ(芳根京子)と対立が激しくなって、ついにさくら(井頭愛海)は家を出てしまう。
ここでビンタ来たー
90話ですみれがナイトクラブ〈青い月〉に駆けつけて、一気にさくらの頬をはたくかと思ったら、栄輔(松下優也)登場で阻まれた。
しばし、栄輔とすみれのやや気まずい感じの再会タイム。
残ったすみれとさくらは激しく対立。すみれよりさくらのほうが弁が立つ、というか、どうにもすみれの分が悪い。と、ここでビンタ! 来る、と思ったときにやらず、すっかり油断したところでというフェイント攻撃だった。
もうひとつのフェイント
キアリスで、夏の展示についての会議をしているところへ栄輔が挨拶に来て、不穏な空気をつくったあと、今度は悦子様(滝裕可里)がやって来て、87話でもちかけた相談事についてようやく語りだす。え。相談事って、週末の売り場の相談で、おすすめセットで解決したかと思ってた。フェイント過ぎる。
悦子も、おすすめセットの話に乗っかったとはいえ、わざわざ相談に来た悦子の話を保留にしてしまっていたのか、すみれ。
その相談事は結婚(再婚)の件。でもすみれは、夏の展示のことに夢中。
ほんとは、心のなかではいろいろ考えているのにね。
キアリスのひとたち、なんか、なんかな・・・
この回、明美(谷村美月)もどうかと。中西直政(森優作)の発言を遮って否定。思えば、キアリスの4人は、
建設的に話を積み重ねていくことがなく、いいか悪いかのみ。潔いといえば潔いけれど。なんか、なんかな・・・。
言葉少なめで、間で勝負している作品という良さもあるが、間が増えてしまうのは、会話が続かないからともいえそう。そつなくコミュニケーションできない不器用なひとたちのお話は、ちょっぴり痛みを伴う。そこが好きなひとにはたまらない。
言葉のないところがやっぱりいい
そこで、紀夫くん(永山絢斗)だ。
さくらのことを考えて、もやっているすみれを気遣ってか、キアリスに出勤した紀夫は、女性陣にお茶を配る。
ニコニコと。おかげで煮詰まっている空気がふと和いだ。
ところが、そこへ栄輔が来て、紀夫の表情はこわばる。
入り口側の栄輔と奥の席の紀夫、その間にすみれ、という位置関係は状況を鮮やかに表していた。
すみれとさくら
さくらの家出も、一回、間を置いて描かれる。朝、寝室をのぞくと、ガランとしていてドキッとなったものの、
朝早く学校に行ったと聞くすみれ。家出が判明するのはそのあとだ。
それにしても、SNSでも散見される、すみれとさくらがそっくりなこと。見れば見るほど似ていて不思議な気持ちになる。思いきって、芳根京子がすみれもさくらも演じる選択はなかったのだろうか。まだ19歳なのに、ナイトクラブの若者たちに「おばちゃん」呼ばわりされて不憫で・・・。ちゃんとおばちゃんというかお母さんぼいからすごい。しっかり母なのに、いつまでたってもまったくシワ感なく華奢なため少女の名残すらある黒木瞳みたいな(あくまで見た目です)すみれを、他に誰ができるかっていったら誰もできないだろう。
悦子様の結婚のお相手は
まさか栄輔? と一瞬思ったが、悦子様の様子を見ていると小山(夙川アトム)のような気がしてきた。
果たして!