残業がなくなったらクソ会社になった?
投稿者の会社は元々は残業率が高く、21時でも半分ほどの社員が残り、会社に泊まる社員もたくさんいたとのこと。それでも多くの社員はそれを苦に思っていなかったらしい。
というのも、休憩は1時間以上取っても何も言われないし、途中で抜けて銀行や役所に行ってもOK。業務中にTwitterやフェイスブックに投稿しても問題なしでネットをやり放題。みんなで夜ご飯を食べに行って、その後ダラダラと1時間ほど喋る、と毎日が文化祭の前夜みたいな感じで、毎日出社する際も「仕事に行く」という意識をしないほど気楽だったという。
だがある日、社長が元戦略コンサルという人を連れてきて会社の雰囲気は一変する。元戦略コンサルは、社内ネットワークを新たに構築し、個人の裁量だった各人のタスクをすべて可視化し、タスクごとに明確な締め切りを作って、それを守ることを最優先させた。クオリティが低くなっても、残業して作り込むことを許さず時間厳守させる。各々が自由に取っていた休憩時間も、時間をきっちりと決めて、時間内に昼食を取るよう言明。メール一本で許されていた遅刻を、申請しての証明書の提出を義務付け。離席して社内ネットワークに30分以上接続していないと、理由を提出させる。SNSは原則禁止。
「社内の雰囲気もどんどん変わっていった。ダラダラと雑談することはなくなって、職能の切り分けが激しくなり、他の役職との交流がなくなった。
投稿者は空いた時間で副業をして収入が上がったそうだが、「酒を飲むと愚痴が多くなった。世の中の会社員のほとんどが死んだ目をしているのが不思議だったけど、今はわかったよ。健全な会社はストレスを生むんだ」とこの投稿を締めくくった。
「仕事とプライベートは普通分けたい」
投稿者は残業反対という近年の風潮が必ずしも良い結果を生まないと言いたいのだろう。だがSNSなどネット上では反論が続出。「投稿者が居心地よかっただけで、中には付き合いで残業してた奴もいたと思う」「仕事とプライベートは普通分けたいっしょ。俺は変更後の会社こそ理想と思う」「遊びたいなら仕事してから遊べばいいだろ、それに付き合ってくれる同僚がいないってことが全てを物語っている」と変更後の会社が支持されている。
2014年に発表された内閣府の「ワーク・ライフ・バランスに関する個人・企業調査」では、労働時間が短いほうが生活全般に対する満足度が高いことを示すデータが出ている。一日の労働時間が12時間未満の人は現在の生活全般の満足度について、「満足している」(5.4%)「まあ満足している」(45.5%)が過半数であるのに対し、12時間以上の人は「満足している」(2.2%)「まあ満足している」(25.7%)と大幅に少なかった。