遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研という、名バイプレイヤーたちが本人役としてシェアハウスで共同生活を送る。

……という設定のドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら』(テレビ東京・金曜24:12〜)。


第7話は、もう一組のバイプレイヤーズたちが登場する、いわゆる「仮面ライダー」における偽ライダー登場回だろうか。
「バイプレイヤーズ」6話。おじさんたちのラブラブっぷりに竹中直人が嫉妬
イラスト/北村ヂン

遠藤憲一役=荒川良々って、どんなドラマだよ!


第1話から、メインストーリーの裏でずっと進行していた、かつて6人で撮影していたものの完成できなかった映画『バイプレイヤーズ』のフィルムが盗まれた問題。

第5話までで、どうやら犯人はメンバー6人の中にはいないのでは……ということにはなったものの、今回はフィルムどころか、企画自体が何者かに盗まれて、ドラマ企画としてテレビ東京に持ち込まれたということが判明する。

かつて大杉が手がけていた脚本を、竹中直人が脚本家としてパクって企画を提出したらしいのだ。

『バイプレイヤーズ』に対して異常ともいえる思い入れを持つ大杉は当然「あいつ(竹中)が来たら土下座だよ土下座!」と激おこなのだが、他のメンバーはそうでもなく、

遠藤「ぶっちゃけさ、オレ、前の『バイプレイヤーズの脚本、全然のれなかったんだよね」

田口「正直、パクるほどの本じゃなかったよね」

光石「実はくさ、オレ、なーんかのれんかったんよね、あの脚本。なーんか、役の設定もオレに似せとってくさ」

松重「漣さんの脚本、人物をリアルにすることばかり考えよったですもんね」

と、ひどい言われよう。

田口「出たいよね、竹中さんの『バイプレイヤーズ』。だって正直さ、そっちの方が面白そうじゃん」

あんなに一生懸命になってるのに、漣さんがかわいそうだよ……!

一方、竹中脚本版『バイプレイヤーズ』に出演する予定となっているメンバーがまたスゴイ。

遠藤憲一役=荒川良々
光石研役=滝藤賢一
寺島進役=眞島秀和
大杉漣役=古舘寛治
田口トモロヲ役=野間口徹
松重豊役=森下能幸

ただでさえ『バイプレイヤーズ』の撮影中は、日本を代表する脇役たちのスケジュールがガッツリ押さえられちゃって、他のドラマや映画の撮影がストップしちゃうんじゃないかと心配になるのに、ますます他現場の進行がヤバくなりそうなメンバーたちだ(荒川と野間口は写真出演のみだったが)。

各キャストの年齢が分かっていると、より人間関係を把握しやすくなるので書いておくと、

遠藤憲一(55)
大杉漣(65)
田口トモロヲ(59)
寺島進(53)
松重豊(54)
光石研(55)

竹中直人(60)

荒川良々(43)
滝藤賢一(40)
眞島秀和(40)
古舘寛治(48)
野間口徹(43)
森下能幸(54)

まさに、次世代のバイプレイヤーズといった納得の人選。

松重だけは、自分役が森下であることに納得できない様子で、

「何でオレの役が森下さんなの!? おかしいでしょう、みんな若いのに……森下さん、オレより学年上でしょ? タッパもないし! 普通断るでしょう!」

と言っていたが、森下の誕生日が1962年12月4日、松重は1963年1月19日ということで、学年は一緒じゃないかと思うのだが?

そもそも、森下だけがオチのように扱われていたけど、遠藤憲一役が荒川良々とか、他のキャスティングもメチャクチャだよ!

このくだりは、森下と松重の事務所が同じザズウということからの、仲がいいゆえのイチャイチャという認識でオッケーっすか?

大杉さん、他のメンバーのこと好き過ぎですよ


結局、今回の企画パクッた問題は、酔っぱらった大杉が、ドラマ企画に困っていた竹中に映画版『バイプレイヤーズ』の脚本を渡し、

「これさ、好きにしていいんだよ。『バイプレイヤーズ』を竹中なりに好きに変えて見せてよ!」

と依頼していた(それで、すっかり忘れていた)ことが判明。「漣さん、頭大丈夫か?」というオチだった。

ただ、旧世代のバイプレイヤーズからは酷評されていた大杉脚本だったが、偽バイプレイヤーズたちからは、

古館「最高に面白かったです! あんな作品に出てみたいと思いました」

竹中「物語的にはどうしようもなくて、破綻してるなと思ったんだけど、大杉さんの、役者に対する愛を感じる脚本だったんです。
愛しかない脚本だったんです。この脚本のまま、『バイプレイヤーズ』はこの6人でやらなくてはいけない!」

と、物語のクオリティはともかく、各役者に向けてガッツリ当て書きされた、愛の溢れる脚本が評価されていた。

大杉から、他のメンバーへのラブラブっぷりは、第1話での役所広司へ宛てた(という設定の)メッセージでも溢れまくっていたが、さらにラブがほとばしっている脚本とはどんなものなのか……?

これは、最終回あたりで再び映画『バイプレイヤーズ』を撮影するというフラグかな? そして「the movie」としてホントに劇場公開してもらいたいところだ。

パート2はおじさんたちの旅!?


ドラマ本編は、旧世代、次世代の名脇役たち勢揃いという贅沢な回だったが、ドラマ終了後の「バイプレトーク」では、大杉の元に小日向文世から電話がかかってきていた。

みんなが順番に電話に出て「コヒさんコヒさん」と言っている様が、これまたサイコー。

あの電話、仕込みだったのか、本当にたまたまかかってきたものなのか……このドラマ、どこまでリアルでどこまでフィクションなのか分からなくなるよ!

そして、視聴者みんなが期待していたあの話題も飛び出した。

遠藤「『バイプレイヤーズ』ってパート2とかやんの?」

大杉「6人で旅するっていうのもいいんじゃない?」

おおっ!

特にストーリーもなく、延々とシェアハウスでおじさんたちがイチャイチャ暮らしているのを見せてくれるだけで十分! と思っていたけど、……いいっすね、旅に出るのも。

ワゴン車に全員乗って、順番に運転したりして……。ああ、いいぞコレは。

そんなパート2、待ってます!

ちなみに、第1話で松重が大杉に使い方を教えて以降、ちょいちょいドラマ中にも登場していた、おじさんたちの写真を使用したLINEスタンプだが、「リアルにこのスタンプ出してくれよー!」と思っていたら、本当にリリースされたようです。

なんて視聴者の気持ちをくみ取ってくれるドラマなんだ!

「ちょっと今、ゲルゲーションしてるんで」とか、誰にどんなタイミングで送ったらいいのかは分からないけど……。
(イラストと文/北村ヂン)
編集部おすすめ