
■L’Arc~en~Ciel/【25th L’Anniversary LIVE】ライブレポート
2017.04.09(SUN)at 東京ドーム
(※画像8点)
東京ドームで4月8日、9日の2日間に渡って開催された、L’Arc~en~Cielの25周年記念ライヴ【25th L’Anniversary LIVE】。約1年7か月ぶり、2日間で11万人を動員。
オープニング映像として世界中に散らばったL’Arc~en~Cielのピースを集め、記録に残っていない2017年のライヴを取り戻すというミッションが告げられる。これは過去の自分たちの歩みを集積しながら、現在進行形のライヴを今この場で作り上げていくというミッションでもある。

スクリーンにメンバーの顔と名前が次々に映し出され、会場の歓声が最大に高まったタイミングで「虹」がスタート。イントロのkenのアルペジオに続き、hydeのエモーショナルな歌声、tetsuyaの流麗なベースライン、シャープなyukihiroのドラミングが響き渡る。スクリーンは4人の分割画面になり、ステージからは7色のライトが照射され、重量級のバンドの音と共に最高の幕開けを告げた。
続く「Caress of Venus」でステージは一気に明るくなり、hydeは観客にジャンプを促す。大きな手拍子で迎えられた「the Fourth Avenue Cafe(eは上に’)」では、hydeが巨大なステージの端まで進み観客を煽る。
「“25th L’Anniversary”へようこそ。お待たせしました、L’Arc~en~Cielです!会いたかった? 東京ドーム。すごいいっぱいいるね。メンバー全員が揃いました。
ここで“会場をひとつにする錬金術”と言って、錬成のポーズで観客にウェーブを指導するという和やかな場面も見られた。
華やかな空気感に満ちた「Vivid Colors」では、躍動感あふれるtetsuyaのベース、伸びやかなkenのギターが突き抜けるような爽快感を生み、「Lies and Truth」ではメランコリックなメロディをhydeが美しいファルセットを交えながら歌い上げる。


ステージ上に炎がゆらめく「真実と幻想と」は、ダークな曲調を増幅させる妖しげなhydeのヴォーカルが迫るナンバー。ひたすら繰り返されるyukihiroのドラムロールが頭から離れない「forbidden lover」は、大海原の映像をバックにじわじわと盛り上げていく。この2曲は内側に潜む感情を沸々と湧き上がらせていく構成が魅力の楽曲たち。
会場を揺らすビートが打ち鳴らされ、事前に配られたリストバンド型の“L’edバンド”がそのリズムに合わせて点灯、点滅を始める。光の渦となった会場。やがてメンバーがムービングステージに乗って演奏しながら、アリーナ席の頭上をゆっくりと移動していく。よく見ると、tetsuyaとyukihiroはギターを弾き、hydeとkenはパーカッションを叩いている。このレアな組み合わせに観客も最大級の歓声を送る。繰り返されるビートはしだいに「REVELATION」のリズムへと繋がり、曲が始まると会場は大合唱。

客席後方にあるサブステージに到着すると、割れんばかりの声援に包まれて観客に挨拶。
「リクエストしてくれた曲の中から『風の行方』をやろうと思っています。この曲は撮影で初めて海外に行ったんです」(hyde)
そんな会話でリラックスムードを作った後、「風の行方」を演奏。抜けのいいサウンドがまっすぐに楽曲の心地よさを伝えてくれる。
メインステージに戻るためムービングステージが再び移動を始め、メンバーはカラーボールを放り込みながら客席に手を振る。
過去のミュージッククリップ撮影やライヴのメイキング、シングル3枚同時リリースを告知する1998年の懐かしいCM映像に続き、その3作品をポールダンサーも加わった演出で刺激的に披露。一面の赤いL’edバンドに彩られ、深く沈み込むような「花葬」。静と動のコントラストが濃厚な「浸食(半角スペース)-lose control-」。レーザービームが飛び交うなか、アグレッシヴなサウンドを聴かせる「HONEY」と、褪せることのない楽曲の生命力と現在の熱量を感じさせてくれた。
一転、L’edバンドが青く変わった会場に響いたのは「MY HEART DRAWS A DREAM」。kenのブルージーなソロに始まり、サビでは観客の合唱に包まれる。そして、「NEO UNIVERSE」では映像に登場するアニメの車が実物となって飛行船で登場。会場の天井付近をぐるぐると旋回してみせる。
そんな美しく飛翔するような2曲に続いては、ラストスパートに向けてアッパーな曲が続く。tetsuyaが歪ませたベースサウンドでノイジーなフレーズを奏で、インパクトのある始まり方をしたのは「STAY AWAY」。
hydeが「アゲていこうぜ東京! 俺たちを待ってたんだろ? 俺たちに会いたかったんだろ? ドエルのすげぇところ見せてくれよ!」とシャウトして突入したのは「READY STEADY GO」。全力で演奏し歌う4人を瞼に焼きつけ、ポップさとスピード感が頂点に達した幸福感を会場にいた全員が味わうことができた瞬間だった。


インターバルをはさみ、昨年12月21日にリリースされた最新シングル「Don’t be Afraid」を初披露。レーザービームが美しく交差する演出が華を添える。
「今日スタッフに聞いたんですけど、25周年でしょ?4月8日と9日の2Daysでしょ?
4と8と4と9を足すと25になるから今日なんですか?って言われて、うまいこと出来てるなーと思って、偶然ですけどね(笑)。僕、今日4月9日が初めて実家を出て一人暮らしを始めた日で。4とか9って日本人的にあんまり、なんか…いい数字ちゃうやん?当時は、嫌やなーなんか今日から一人暮らし始めるって…ってちょっと思ったからなんか覚えてるんですけど。(笑)28年前に一人暮らし始めてなったら、たぶん僕ラルクやってませんよ。28年前の今頃はもう泣いてた。寂しくって。
会場をまとめるためにhydeが再び錬成を行い、会場はきれいなウェーブが起こる。過去の映像をちりばめた演出の「Blurry Eyes」に続き、巨大なバルーンが客席に投げ込まれる「Link」の途中ではhydeが9年ぶりのメンバー紹介を行い、優しいサウンドとともに会場があたたかい空気で満たされた。
「25周年、何が変わったのかなって考えてたんですけど。今もそうかもしれないですけど昔は理想を追いかけていたかな、好きな音楽、好きな先輩だったり。それが、気がついたら、たくさんかわいい後輩ができて追いかけてくるようになって。やっぱりL’Arc~en~Cielでやってきたことは間違いではなかったんだなと。でも、まだまだ負けるわけにはいかないんで、逃げ切るつもりでいきたいと思います(笑)。ここまでの道のりはすごく長かったです。近道もしたけど、遠回りもいっぱいして、とても長い道のりでしたけど、こうやってたくさんの人に愛されて、今日この場所に来ることができました。楽しいことも苦しいこともたくさんありましたけど、みんなの今日の笑顔にすごく報われます。本当にありがとう。
ラストは「瞳の住人」。ドリーミーなkenのギターをイントロにゆったりとしたサウンドが柔らかく奏でられ、眩しいミラーボールの光で天井一面がまるで星空のように照らされる。さらに、ステージの上から大量の白い羽が降り注ぐという、ライヴの最後にふさわしい幸せな気持ちに満ちたエンディングを迎えた。アニバーサリーイヤーならではの感動と、尽きることのない彼らのパワーをあらためて感じさせてくれたライヴだった。
(取材 文/岡本明)

≪セットリスト≫
1. 虹
2. Caress of Venus
3. the Fourth Avenue Cafe
4. Vivid Colors
5. Lies and Truth
6. 真実と幻想と
7. forbidden lover
8. Shout at the Devil
9. REVELATION
10. 風の行方
11. X X X
12. 花葬
13. 浸食 -lose control-
14. HONEY
15. MY HEART DRAWS A DREAM
16. NEO UNIVERSE
17. STAY AWAY
18. Driver's High
19. READY STEADY GO
20. Don't be Afraid
21. Blurry Eyes
22. Link
23. 瞳の住人
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