5月7日、読売新聞の「人生案内」で「父の死を夫がSNS投稿」と題された読者からの相談が紹介された。これをきっかけに、「人の死」をSNSでネタにすることへの議論が巻き起こっている。


「父の死をSNSに投稿する夫」に批判殺到!


SNSに「家族の死」投稿は悪なのか 新聞の相談きっかけに議論勃発
画像はイメージです。

「人生案内」によると、投稿者である40代の主婦は父を亡くし、夫と子どもと共に実家へ向かう。しかしその道中、夫はベビーカーを押す投稿者の写真を撮り「合掌。義父急逝」などとSNSに投稿したという。

投稿者は「父を亡くした私の写真を、当日に世界中の友人と共有する気持ちが理解できません」と語り、「夫を見ると緊張し、攻撃的になってしまいます」とのこと。Twitterなどでも「うわぁドン引き…」「自分の旦那が同じことをしたら、私も許せない」「身内のくせに野次馬みたいな行動をしてるのが腹立たしい」と夫への批判が殺到。

しかし一方で、「写真ナシだったら個人的には許容範囲かな」「SNSが心の拠り所になってる人だっているし、一概に悪いとは言えない」「墓参りなら投稿する人の方が多そうな気がするけどどうなんだろう」という声や、「SNSへの投稿を新聞への投稿で叩くというのも…」という意見も上がっている。

「人の死」はSNSに投稿してもいい?


「全てのイベントがネタって考えてるんだろうな」という声もあるように、人の死をSNS投稿のネタにすることに対しては以前にも議論になっていたことがある。
ガダルカナル・タカさんの妻でタレントの橋本志穂さんは、昨年4月にFacebook上で母を亡くしたことを明かし、母親の亡骸とのツーショット写真も投稿した。

橋本さんは看病中の写真も投稿していたのだが、そこに批判のコメントが寄せられたことから、ブログで「来れない家族に報告するためや、生き別れになって連絡の取れないきょうだい、父の教え子たちにも手っ取り早く、お見舞いに来てあげてね!と伝えるためなんだよ!」と反論している。

2013年には事故で危篤となっている妹をピースしながら囲む写真を投稿したユーザーが炎上。さらに2014年には赤ちゃんの遺体の写真を投稿した母親が批判されたりと度々議論が巻き起こっている。「人の死を投稿するのってどうなの?」「本当に悲しんでいるなら投稿してる暇なんてないと思う」という意見が多いが、「外野が投稿するならよくないけど、家族ならその人の自由なのでは」という声も。ちなみに2016年のフジテレビ「とくダネ!」では葬儀の際に故人を撮影することに関してアンケートを実施。
10人に1人は「撮影したことがある」と答えている。