
あらすじ
不倫を知った上で「それでも永遠に愛することが出来る」と、宣言してきた涼太(東出昌大)の異常性を知った美都だが、有島(鈴木伸之)への思いは変わらない。美都は、陶芸教室に置きっ放しにしていた本を返すという名目で、有島の嫁・麗華(仲里依紗)に会いに行ってしまう。
一方の涼太も、公園を赤ちゃんと一緒に散歩する有島と麗華に接近。有島と二人になった所を見計らい、自分が美都の旦那であることを有島に暗に打ち明けた。状況をやっと把握した有島は、美都に友達に戻ろうと提案する。
美都、やっと事の重大さに気付く
軽いノリで不倫をする美都、それを知って狂っていく涼太、という関係性は完全に今話で崩れた。今まで美都は、将来のことなど何も考えずに今が楽しければ良いという考えで不倫をくり返してきた。
しかし、涼太の衝撃の告白により、バカだバカだと思われていた美都もようやく事の重大さに気付く。おかしくなってきた涼太とこのまま一緒にいる事への不安を覚えたのだ。
今までは有島とどうなろうが、“最悪は涼太と一緒にいれば良い”もしくは“涼太と別れれば良い”という保険があったのが、どっちにも転べない事にやっと気付いた。そのせいで、有島への思いは“運命の出会い”から“依存”へと変わっていきそうな気配。
有島はまだ事の重大さに気付いていない
涼太の接近により、不倫がバレていることに気付く有島。だが、まだ事の重大さに気付いていない気がする。
有島「もうやばいわ、終わりにしよう。
美都「私達、友達だった時なんてあった?」
有島「ないな」
この会話に大きなズレを感じる。有島はまだ美都と自分が同じ立場だと思っているからだ。“家庭が一番大事で、不倫はただの遊び”という、美都との共通認識があると思い込んでいるのだ。だから関係を終わりにしたら全てが丸く収まると思っている。
美都が行き場を失っている事、有島と一緒になりたいと考えている事を、有島は全く気付いていない。美都が自分に執着している事に気付いていないのだ。風呂場で「怖えー」とか呟いている場合じゃない。
2パターンの視聴者の代弁者、香子と小田原
ヤバイ奴とバカな奴と妙に達観している奴ばかりでてくるこのドラマだが、視聴者の感情をしっかりと代弁してくれているのが、美都の親友・香子(大政絢)だ。
美都の不倫に対して「有島とは別れるんだよね?」「あんたどの立場で言ってんの?最低!」と、とにかく真っ当で、視聴者が一番言いたい言葉を美都にぶつけてくれる。
対して涼太の同僚・小田原(山崎育三郎)は、また違う方向で視聴者の気持ちを汲んだ行動を取ってくれている。
不倫されている涼太の相談をまっすぐ受けるわけではなく、涼太のヤバさを理解した上で「お天道様は、夜は見てないからな」「お前みたいな男が一番だよ。結婚するならな」と、有島への復讐心を煽りまくる。
この行動原理はまだ明らかにされていないが、「涼太にもっとムチャクチャやってほしい!」というもう一つの視聴者の気持ちが解消されるように、小田原は動いてくれているのだ。黒幕っぽい悪い雰囲気を醸し出しおいて、なんて気が利く男なんだろう。
ラストの「ようやく反撃開始ですか」なんて、こっちの意見まんまだ。
今夜放送の第6話では、涼太が有島っぽい格好してワインをぶちまける。
(沢野奈津夫@HEW)