L'Arc~en~Cielのライブとしては大阪 夢洲で開催された『L'Arc~en~Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO』以来、約1年半ぶり、東京ドーム公演は約9年ぶりで、これが通算13、14回目となる。メンバーはそれぞれ独自の活動も展開しているので、4人が同じ場所に集う機会は貴重だ。
オープニングナンバーは「虹」。現在のメンバーで最初にレコーディングしたのが1997年発表のこの曲だった。これは25周年のステージの始まりにふさわしい選曲だ。kenのギター、tetsuyaのベース、yukihiroのドラム、hydeの歌声、4つの音のピースが噛み合った瞬間に大歓声が起こり、感動と熱狂に包まれていく。これまでの歩みもこの瞬間の思いも詰め込んだような深みのある歌と演奏が深く届いてきた。1990年代から愛されてきたナンバーでは観客もハンドクラップで参加していく。メンバーのファンへの感謝の思いと観客のバンドへの思いとが混じり合って、濃密な一体感が漂っていく。
ライブは、バンドの歴史の中での重要曲、代表曲、ファンに人気の曲などを織り交ぜた構成になっていて、L'Arc~en~Cielの音楽のポピュラリティー、普遍性とともに革新性や独自性も見えてくる。彼らの懐の深さ、奥の深さ、底知れなさを堪能したのは中盤のディープなナンバーの数々だ。「Shout at the Devil」では炎の映像とリアルな火柱、音玉、煙玉などの特効を有機的に組み合わせての演出と一体となって、白熱のパフォーマンスを展開。大画面の高精細LEDスクリーンの映像を駆使した演出も見事だった。