先日NHKの人気情報番組『あさイチ』において「無関係ですか? 性暴力」と題して、性暴力の実態についての特集が放送されました。公になりにくい性暴力の実態について、アンケートを踏まえながら紹介していった本編。
それは「“性行為の同意があった”と思われても仕方がないと思うもの」と題したアンケート結果に、なんと27%もの人が「2人きりで飲酒」という項目に「そう思う」と答えていたのです。この結果は男女関係なく聞き取りをした結果ですが、一緒にお酒を飲みに行っただけで、好意やその後のことへの同意とイコールであるという時代遅れで極端な考えに、筆者は唖然としました。
ただ冷静に振り返ると、筆者もお酒を2人きりで飲んだだけで、好意を抱いているorその後のことに同意をしたと勘違いしている(と思われる)人に数名出会ったことを思い出しました。(もちろんこちらから穏便にお断りしましたが)
性行為だけでなく、多くの男性が恋愛において自分に都合の良いように思い込んでしまっていることは、他にも存在します。
今回は、男性には勘違いしてほしくない、絶対知っておいてほしい、「恋愛においての思い込み」をご紹介します。
ハートが付いているだけで「好かれている」
男性がよく間違えて思い込むことの1つに、「ハート」絵文字に対する認識があります。
写真にスタンプ、顔文字に絵文字と、今や表現の幅も広がるメッセージアプリでのコミュニケーション。そこでは多くの女性が愛の象徴であるハートを、様々な意味に重ねて使っています。
たとえば「かわいい!」「うれしい!」「楽しかった!」などのポジティブな気持ちにも、ハートを多用する女性がいるのです。同性からすると当たり前すぎる表現なのですが、女子の無邪気な気軽さがわからず、中には「ハート絵文字がいっぱい使われているから、この子は自分のことが好きなはず」と勘違いを起こす男性に遭遇したことがあります。
「はず」なんて思い込まないにしても、「もしかして、自分のことを好いてくれている!?」とヤキモキするくらいなら、多くの男性にも経験があることでしょう。
正直テキスト以外によるコミュニケーションが多様化した現代では、絵文字や顔文字の種類だけで好意を読み取るのは不可能です。
女性のハートはLOVEではなくLIKEである。あなたに送られるハートの意味は、SNSの「いいね!」と意味は同じなのです。
マッチングアプリで連絡が来ただけで「会える!」
また恋愛シーンにおいては、マッチングアプリにおける勘違いも見過ごせません。
そもそもマッチングアプリは女性優位なサービスが多くを占めています。そのため、男性と女性で「『いいね』がついた」「返信がきた」などの1つ1つのアクションに対する温度感が異なります。
まずどのサービスにもついている、「いいね!」ボタン。こちらは一覧になったプロフィールから「興味がありますよ」というアクションを送るために用いられますが、男性の中には「『いいね』を押してくれたなら、メッセージの交換が絶対できる」と思い込んでいる人がいます。
もちろん興味があって女性側もボタンを押したので、確かにメッセージ交換ができる可能性は高いのですが、あなたが送ったメッセージに違和感を覚えたり、同じ状況の男性が複数人いた場合、女性は一度に多くの男性からのメッセージを受けとることになり、返しきれなくなることがあります。
そのため「いいねが付いたから、好意を持ってくれている! 連絡が必ず返ってくる!」と思い込むのは時期尚早です。
また同じような理由で「メッセージのやり取りができたら、必ず会える」と思い込むのも危険です。男女どちらにもいえることですが、マッチングアプリを使う以上、複数人と同時並行して連絡をとりあっているもの。
相手のアクション1つで、好意のあるなしを読み取るのは難しいですし、あなたが原因ではなくても、急に縁が途切れることもよくあるのです。
今回は性交渉の範囲からすこし飛び出し、男性が勘違いしがちな恋愛シーンについて解説をしました。
もちろんいいなと思っているから飲みに行く場合もあるわけですから、「こうだったから、好意がある、同意がある」と、画一的に判断することはできません。人間誰しも読み間違えることはありますが、どうかそれによって相手を傷つけることのないように。一人でも性暴力、そして恋愛で傷つく人が減ることを祈るばかりです。
(おおしまりえ)