「熱中症より大事な理由って何?」下校中の水筒使用を禁止する小学校に不満の声
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夏本番も近づき、気温が高くなってくると子どもや高齢者の熱中症が心配になるもの。外出時に水分補給を欠かさないように、と注意している家庭も多いだろう。しかし現在、とあるTwitterユーザーが投稿した「下校中に水筒でお茶を飲むことを禁止している小学校」についての呟きが大きな話題を呼んでいる。

熱中症より大事な理由がある?


7月3日、とあるTwitterユーザーが娘の通っている学校で「下校の時にお茶を飲んではいけない」と言われていることを明かした。それがトラブルにつながったようで、投稿者は「すごく暑いのに、下校途中にお茶が飲めず、帰ってきた娘は軽い熱中症。仕事から帰っていたから対処できたが、お留守番だったらと思うと怖くて仕方ない。下校途中にお茶を飲んではいけない理由はなんだろう。熱中症になるより大事な理由なの」と不満を露わに。

下校中に水筒の使用を禁止している小学校は多いようで、ネット上では以前から度々話題になってきた。今回のツイートも大きな反響を呼び、「自分の学校も下校中水筒飲むのは禁止でした。同級生の中にはかなり遠くから通ってる人もいたので、今では彼らは大丈夫だったのだろうかって思います…」「小学校の下校時、水飲んじゃダメだったな…。ていうか水筒すら持たせてくれなかった。1回それで熱中症になって死にかけた覚えある。なんで飲んじゃいけないんだろう」といった声を集めている。

その一方で、「歩きながらはダメ(安全なところで立ち止まるか座って)という指導ならまだ分かる気はしますね。事故のリスクや、歩き食いをしないようマナーを守るという意味で」といった意見も。歩きながら水筒を使用することについて、「歩きスマホ」と同様の危険があると指摘する人もいるようだ。

また、話題のツイートに対して高須クリニック院長の高須克弥さんも「すぐに水筒持たせなさい。緊急避難はルールに優先する」とコメント。元ツイートは水筒を持たせた上で「下校中にお茶が飲めない」ことへの抗議だったものの、高須さんの呟きには「医者なら飲むべきと言いますよね。親ではなく第三者の意見を伝えることが大事かと」「ちょいちょい意味の無い(または分からない)ルールってありますよね…」と賛同のリプライが寄せられている。

水筒持参はOKでも「登下校中の使用」はNG?


実際に各地の小学校では「水筒の使用」について、どんなルールが設けられているのだろうか? ウェブ上に公開されている資料によると、例えば中野区の緑野小学校では教員たちの議論を経て、2016年6月に水筒の使用が許可されることに。しかし許可されたのは校内限定で、登下校時には手提げ袋などに入れて、途中で飲まないようにというルールが設定されていた。

また2013年3月には京都大学大学院の研究者が、「小学校における水筒持参の実態調査:京都市立小学校の場合」と題した論文を発表。177校の京都市立小学校を対象に質問票を送り、回答があった学校のデータを分析している。調査によると水筒持参を禁止しているのは63校の内1校のみで、ほぼ全ての学校で水筒の持参が許可されていた。その理由としては「保護者からの要望」と「熱中症予防」という回答が多かったようだが、持参の際の注意として「登下校中の飲用不可」と記載している学校もあったという。
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