今年4月に民進党を離党し、現在は無所属で活動する衆議院議員の長島昭久さん。そんな長島さんに様々なお話を伺ってきました!
衆議院議員・長島昭久氏が語った離党の決意、政局、私生活「僕らは“真田丸”みたいなものなんです」
インタビューに応じていただいた長島昭久さん

石原良純とは同級生、印象的だったエピソードとは?


長島さんは石原良純さんと小学生からの同級生だったといいます。

「ちょうどその当時はお互い、逗子に住んでいたので、よく一緒に通ってました。
私は当然普通車に乗るんですけど、彼はグリーン車に乗ってました。まさに“セレブの象徴”みたいな感じでしたね(笑)」


良純さんの父親といえば、石原慎太郎氏。当時、慎太郎氏は既に政界に進んでいたこともあり、長島さんの政治との最初に近いかかわりだったようです。石原宅で経験したこんなエピソードを披露していただきました。

「僕が小学校の時に、石原家の自宅の庭で缶蹴りをしたんですよ。隠れようと物置きをガラッと開けたら、そこに片目のダルマがあってギョっとしました。確かちょうど、良純君のお父さんが都知事選挙に出て美濃部さんに負けた直後だったんです。(注:石原慎太郎氏は1975年東京都知事選挙に出馬するも、僅差で落選)。幼な心に見てはいけないものを見てしまったと思いましたね(笑)」

民進党を離党……その葛藤を語る


さて、そんな長島さんは今年4月、民進党を離党しました。離党会見では、「共産党との選挙共闘」が受け入れがたいものだったと語っています。
民進党という組織の方針に異を唱えた形ですが、組織と個人との狭間で悩むというのは、政治家のみならず、社会人であるならば誰でも経験することでしょう。

離党までの葛藤はやはり相当だったようです。

「民進党という組織人としての一面と、政治家としての信念との葛藤にかなり悩まされました。
それは個人というレベルにとどまることなく、仲間、同僚、応援してくれている後援会の人たちもいるわけです。今まで乗ってきたレールを外れる訳ですから、そう簡単ではないですよね」


それでも離党を決意することができたのは、なぜなのでしょうか。

「正直に言うと、出ても展望はないんですよ。でも、民進党にいても展望ないんですよ。無所属となると色々制約がありますが、どちらも展望がないんだったら、自分の力を試せる、自分の力でなんとか道を切り開ける、そこに賭けたいと。自分が変化すれば、もしかしたら環境も変化して道が開けるかもしれないですしね」

離党という大きな決断をした長島さんは、組織と個人との狭間で葛藤する方へどうアドバイスするのでしょうか。長島さんは「あんまり無責任にけしかけることは出来ないけれど」と前置きした上で、こう語ります。

「ジャンプした後のことをあれこれ考えすぎると、たぶんジャンプできないですね。勇気……というとくちはばったいけれど、ジャンプしないといけない瞬間があります。でもだからといって、まったく先の見通しもなくすれば、失敗するでしょうね。その辺のリスクはよく考えて行動すべきだと思います。要は、それが自分引き受けられるリスクかどうかが決め手なのではないでしょうか」

長島昭久が好きなマンガは?


政治家の方というと、普段どのような私生活を送っているのか、なかなかイメージしにくいもの。そこでここからは政治の話題から一旦外れて、好きなマンガやテレビなどについてもお聞きしました。


「漫画は麻生さんほどではないですけど、読みますよ。僕はかわぐちかいじ作品とかが好きですね。今、連載中の『空母いぶき』とか。6巻まで出ていて、もうすぐ7巻が出るんですけど。(注:インタビュー実施時。現在は好評発売中)。彼の作品では、日系アメリカ人がアメリカ大統領選に出るという『イーグル』も面白かった」

長島さんが読む漫画は本職の政治に絡めたもの、特に自身の専門分野ともいえる安全保障に絡めたものも多い印象です。
衆議院議員・長島昭久氏が語った離党の決意、政局、私生活「僕らは“真田丸”みたいなものなんです」

「そうですね、ちょっと偏ってますよね(笑)」

「僕らは“真田丸”みたいなものなんです」


テレビドラマを見る時間は、最近とれないと語る長島さん。しかし最近では、『下町ロケット』(2015年放送)を面白く見ていたとのこと。
さらに、昨年放送された大河ドラマ『真田丸』にもハマっていたようです。

「『真田丸』はリアルタイムで見れないときは録画してまで全部見ましたね。1話と2話を見た時は、三谷幸喜が脚本か、大河ドラマであの軽いノリかいなと思ったんですが(笑)。僕らが見ていた昭和の大河ドラマのイメージとは違うわけです。
こんなことを武士が言ったりやったりするのかと(笑)。でも、どんどん引き込まれていき、結局欠かさず見ましたね」


『真田丸』は自身の境遇と重ね合わせる部分もあったといいます。

「僕らは『真田丸』みたいなものなんですよ。自民党みたいな大きな勢力にいるわけではないですし。色んな大国のエゴに翻弄されながら、生き抜いていくというのは、自分と投影しながら見ましたね」

「都民ファーストの会」とのかかわり


民進党を離党した長島さん。以前行われた都議選では「都民ファーストの会」の候補の応援をしていました。

「今回、都政の刷新においては大義があったと思ったので、小池さんのお手伝いをしました。若い20代30代の素晴らしい人材が小池さんに呼応してチャレンジし、結果的に多くの方が当選しました(20代・30代の都民ファースト候補は、計20人が当選)」

それもあってか、都議選前後から長島さんも一員となり、「“小池新党”を立ち上げるのでは」などといった報道もちらほら。しかし、長島さん自身はそれに否定的のよう。

「そういう人たちが都議会、都政を変えようと立ち上がったんだから、さっさと小池さん本人が抜け出して、『じつは私総理、国政をやりたかったのよ』と言っても、なかなか世間は許さないと思うんですよ。確かに小池さんの存在は野党再編において大事なフォース(力)ではあると思いますが、小池さんの人気にすがって国政メンバーが政党交付金を受け取れる年末までに『はい、5人集まりました。小池さんよろしく』といっても、これも国民はしらけるばかりだと思います。だから両方にとって良いことがないんですよ」

長島昭久が目指す今後とは


それでは今後、どのような活動を目指していくのでしょうか。

衆議院議員・長島昭久氏が語った離党の決意、政局、私生活「僕らは“真田丸”みたいなものなんです」

「今後の若い人たちが現状、将来に抱えている不満や不安をきちっと吸収できる政治勢力を作ろうと思ってます。一人では何もできませんので。自分はNHKでやっていた『プロジェクトX』にかけて、『プロジェクトNEXT』と呼んでいるんですけどね」

日本の将来を見据えた政党を作りたい。長島さんは次のように力強く語りました。

「今国民が不安なのは、『日本の社会はこの先もこのままでいけるのか』という点です。だから僕らは未来を見て、エネルギーも人口減少も高齢者や子育て、教育の問題も、たとえば20年後の未来から今の日本を見直していきたい。だから、『プロジェクトNEXT』的な政党を作りたいなと。僕たちは次世代と旧世代のつなぎ役。将来の繁栄を約束できる持続可能な仕組みを作ってバトンを渡す役目を果たしたいと思ってます」


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