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私がカミングアウトしない理由 LGBT全員がセクシャリティを公表する必要はない


仕事の幅が狭まる可能性がある


これは職業によると思うのだが、カミングアウトをすることによって仕事の幅が狭まる懸念がある。先ほど書いた「尖った人を期待される」話に通じるものだと思う。

私は普段、芸能や舞台・映画の記事やゲーム記事などのカルチャー系のほか、企業インタビューやイベント取材など幅広い分野で執筆をさせていただいている。仮に仕事関係で「ゲイである」とカミングアウトをするとなると、今までの仕事の実績や私の人となりとかバックグラウンドとか、そうしたものを一切無視して「ゲイという属性しか持っていない人」として見られてしまう可能性がある。

“LGBTブーム”のさなかということもあり、「LGBTの視点で書いてほしい」やLGBT関連の仕事の依頼が増える可能性もあるが、私は前述したように別に「LGBTだからこそ」の尖ったものなどを持っているわけでない一記者である。

昨今はLGBTをメインに取り扱っているウェブメディアなども増えてきてはいるが、「LGBT」を飯の種にできるほど仕事量はなく、LGBTの枠の中でいえば私よりも尖った人たちはたくさんいる。なので、そういった仕事よりはもっと現在の仕事の延長で記者・編集者としてスキルアップを望める仕事を優先的に受けていきたい気持ちもあり、あえて仕事関係ではカミングアウトすることを避けている。


隠す人にはその人なりの事情がある


上に書いてきたようなことは、あくまで「私の場合は」という話だ。もっと違った事情があってカミングアウトすることをあえて避けて生きている人もいるだろうし、カミングアウトして生きていきたいけれど様々な事情があって「今は黙っている」人もいるだろう。いずれにせよ、「カミングアウトして生きる」よりも大切にしたい現状があるからこそ、彼らは自身のセクシャリティを隠しているわけで、第三者が勝手に他者のセクシャリティを暴いたり詮索する権利などない。学校や職場なり家庭なり、彼らが居たいと望む居場所を奪いかねないからだ。

“LGBTブーム”や同性婚合法化への動きなど、LGBTを取り巻く社会情勢は目まぐるしく変わっていっているが、私はセクシャルマイノリティの全員が全員自身のセクシャリティを公表して生きていく必要はないと思う。人それぞれ事情があってのことなので、LGBTであることを隠したい人にはその人なりの「隠したい事情」があるのだから、そっとしておくべきではないかと思う。

これは別にLGBTに限ったことではなく、家庭環境だったり経済状況だったり、誰しも「人に詮索されたくない、隠しておきたいこと」は持っているものだ。本人が隠しているのであれば無理やり暴いたりすることなく「人それぞれ」と受け流す土壌ができたとき、LGBTのみならず日本で生きている人々全員が生きやすい社会に一歩近づくのではないだろうか。
(毎熊 岳)
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