大人気ゲーム『FGO』、ヒンドゥー教の女神をモチーフにして宗教家からクレーム

スマホ向けRPGゲーム『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』)に対して、ヒンドゥー教の宗教家からクレームがついた。同ゲームには、ヒンドゥー教の女神をモチーフとしたキャラクターが登場する。


女神が「おさな妻系ヒロイン」に


ヒンドゥー教団体の代表を務めるなど熱心な宗教家であるラジャン・ゼッド(Rajan Zed)氏のホームページに、『FGO』における女神パールヴァティーの描写に対する抗議文が掲出された。パールヴァティーがセクシーな見た目をしていること、ゲーム中で“サーヴァント(英語で召使の意)”として扱われていること、本来シヴァ神の持ち物である三叉の矛を武器としていること(シヴァ神から借りたものだとゲーム中で説明されてはいる)を挙げて、ヒンドゥー教への誤解を招くのではないかと指摘。信仰に関わるテーマを扱う際に、ゲームメーカーはもう少し注意を払うべきだと主張している。

『FGO』は、『月姫』や『Fate/stay night』などの作品で知られる人気ゲームメーカー・TYPE-MOONによるスマホ向けRPGで、累計1,000万ダウンロードを突破する人気を誇っている。プレイヤーは、神話や伝説上の英雄を使い魔“サーヴァント”として従えて物語を進めていく。ゲーム内で、パールヴァティーは「おさな妻系ヒロイン」と紹介されており、萌えキャラ的な描写がされていた。

宗教を題材にした時点で起こりうる事態だった?


ネット上では、「フィクションに目くじら立てるな」「いちヒンドゥー教徒の個人的な見解に過ぎない」という意見もある一方、「題材とするものへのリスペクトは必要」「有名な宗教を題材にした時点で、こういったリスクは考えられた」といった声も上がっている。

ラジャン・ゼッド氏が過去に他ゲームに対しても同様の抗議をしていることから、彼を単なるクレーマーと軽視する人々も多いようだ。しかし、『FGO』は過去にもファンブックに掲載された小説における始皇帝の描写が中国で炎上した。『FGO』は今年6月より英語版の配信も開始されているため、似たような騒動がまた起こることは充分に考えられる。

(HEW)
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