
ドーナツチェーン「ミスタードーナツ」の公式Twitterアカウントが10月28日、競馬に関するツイートを投稿した。普段はドーナツに関する投稿ばかりしていたアカウントだったため、アカウントの乗っ取りが心配されていたが、実際はミスだったという。
ミスド担当者「Twitter専任のスタッフがいない」
今回の騒動について、ミスタードーナツの広報担当者は電話取材に対し、「10月28日深夜に(外注先の)担当者が端末で個人のSNSの更新作業をする際、誤って連携してしまい、ミスタードーナツの公式アカウント上にツイートされてしまった」と説明した。
同社が誤投稿をTwitterで謝罪したときフォロワーの反応の中に「業務委託だったんだ……着ぐるみの中見た気分」「32歳独身のナツ美さんだと思ってフォローしていましたが、私がバカでした。フォローやめます」というものもあった。Twitterのプロフィールには「広報担当8年目、32歳独身のナツ美がミスド情報をつぶやきます」とあったので、「中の人」の正体が思わぬ形で露呈してしまったわけだ。
だが同社によると、現在外注しているのは配信作業のみで、実際のツイート内容はすべてミスタードーナツの担当者が考えているという。「2010年にアカウントを開設したときから、一緒にやっている業者に依頼している。業務的に時間がないわけではなく、Twitter専任のスタッフがいないため、更新する際に対応が難しいこともあるので、誤作動を防ぐためにも業者を立てている」とのこと。
お詫びという形で現在ツイートを自粛しているが、外注を使うかどうかを含めて、現在“再発防止策”を検討中で、決まり次第ツイートを再開する方針だ。
SNS運用代行を請け負っている会社はいくつかある
今回の騒動で明るみとなった「SNS運用代行」だが、請け負っている会社は意外と多い。ソーシャルメディア運用代行サービスを提供している、ある企業のウェブサイトでは、「どんな記事を発信をすればいいのかわからない」「担当者が足りず、複数メディアの運営に手が回らない」といった課題の解決を謳っている。
また別の同様のサービスでは、価格もサイト上で公開されていた。Twitterの場合1アカウントあたり月額1万5000円、フォロワーへの返答も含めるプランだと月額4万円だった。
一時は「やわらかツイート」をする企業アカウントがもてはやされ、各社がこぞって投稿していただが、コストの割に思うような成果が出ず撤退するケースも少なくない。親しみやすいツイートで人気の企業アカウント「中の人」が、実はSNS運用代行によるものだった、ということもあるかもしれない。