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「テトリス」争奪戦、鉄のカーテンの向こうの真実。製作者は莫大な利益を生む可能性に気づいていなかった

本書『テトリス・エフェクト 世界を狂わせたゲーム』は、1984年にソビエト連邦(当時)から誕生した画期的なゲームの販売権をめぐって、英国と日本のパブリッシャーたちが文字通り東奔西走した歴史の記録である。

そのゲーム『テトリス』は、ソビエトの科学アカデミーに所属する技術者、アレクセイ・パジトノフによって開発された。あの当時、ソビエトというのは同じユーラシア大陸にありながら、西側諸国にとっては簡単に立ち入ることのできない場所だった。その東西の分断は“鉄のカーテン”と呼ばれ、冷戦が終結するまで世界を隔絶し続けた。

プラスチック製のパズルとして親しまれていた『ペンタミノ』をヒントに開発された『テトリス』は、画面上方から落ちてくるブロックを次々と積み上げていくものだ。横一列にブロックが並ぶと、その列のブロックは消滅する。やがて消しきれないブロックが画面の上まで積み上がれば、ゲームオーバーとなる。実に単純明快なルールのアクションパズルゲームである。

少しでもゲームに興味のある人ならば、オリジナルの『テトリス』か、そこから派生したゲームを一度くらいは遊んだことがあるだろう。現在、スマホのゲーム市場で主流となっているキャンディ・クラッシュ系のゲームや、現在も大ヒット中の『パズル&ドラゴンズ』なども、この『テトリス』がなければ決して生まれることのなかったゲームだ。

本書では、まずは日本にテトリスを持ち込んだ重要人物、ヘンク・ロジャースの視点から物語の幕がひらかれる。当時のロジャースは、世界の優れたゲームを日本向けに販売するビジネスを手掛けていた。彼は、1988年にラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で見た『テトリス』に興味を惹かれ、それを任天堂のファミコン用ソフトとして発売するべく動き始めた。
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