女性誌でのアニメ大特集といえば、今年2月に発売された『CREA』(文藝春秋)が思い出されるが、『CREA』が一般誌ならではの潤沢な予算と豊富な人脈を駆使した物量作戦を展開していたのに比べると、今回の『anan』は切り口勝負といった感じ(月刊誌と週刊誌の違いも大きいが)。
『anan』読者が選ぶアニメ版「抱かれたい男」1位は誰?
表紙は映画『鋼の錬金術師』で主演を務めたHey! Say! JUMPの山田涼介。映画で扮したエドワード・エルリックの姿で撮り下ろしを行っている。これは非常に『anan』らしい切り口だ。インタビューでは、オファーを受けたときの「嬉しさと同時に、断わりたいという気持ちにもなった」と原作ファンならではの気持ちを吐露。そりゃそうだよねぇ。アニメでエドを演じていた朴ろ美との対談もアリ。
『anan』らしさといえば、20代~40代の女性300人にアンケートを取った「発表! ananアニメ&キャラ ランキング2017」。「恋愛アニメ」部門では、1位が『ママレード・ボーイ』! 日曜の朝にキスシーンありのガチ恋愛アニメが流れていた時代がありました……。2位が『タッチ』、3位に『クズの本懐』という時空を超えたランキング。
そして注目の「抱かれたい男」部門1位は『ユーリ!!! On ICE』のヴィクトル・ニキフォロフ! うーん、これは納得。そして2位は『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面! 「華奢なのに筋肉質。
驚愕の安彦良和描きおろしポスター!
専門誌以外のアニメ特集では、意外なところに“本気の人”がいるのを見つけるのが楽しい。今回なら、おかずクラブのゆいPだろう。相方のオカリナ、超特急のリョウガとの「アニメカラオケ」座談会では、鉄板アニソンとして『少女革命ウテナ』の「輪舞 ─revolution-」をチョイス。2位には『Witch Hnter Robin』の「Shell」、3位に『ラーゼフォン』の「tune the rainbow」を挙げている。本気だ。アニメではないが、おかずクラブの2人は『戦国鍋TV』のファンで、「信長と蘭丸」(村井良大と鈴木拡樹)の「敦盛2011」をカラオケでデュエットするらしい。
ほかにも「心に残るアニメ特選。」特集では、市川紗椰が『無敵超人ザンボット3』の最終話を観て歴史感が変わったと語っていたり、ハライチの岩井勇気が『巌窟王』(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の前田真宏監督)を挙げていたりと本気度を発揮している。
個人的に筆者が『anan』の本気度を感じたのは、センターカラーの『ガンダム』特集。
しかも、女性人気の高かった『機動戦士ガンダムSEED』シリーズなどは一切扱わず、取り扱うのはファーストガンダムのみ! 「シャアとララァ」「フラウとハヤト」「アムロとマチルダ」「カイとミハル」「ミライとスレッガー」などのカップリングについて、安彦良和先生にたっぷり聞くというすごい企画だ。フラウとハヤトを「負け犬同士」と表現するなど、さすがの説得力。ミライの話でカムランは出てくるのにまったく話題に上らないブライトさんが可哀想。
そして安彦良和描きおろし特別ポスター。折り込みを開いたときに、あっと驚いた。絵柄は、腰にタオルを巻いただけの裸のシャアと、その膝の上に寝そべる下着姿のララァ! おそるべき『anan』編集部……。ちなみに『OUT』という雑誌がセイラのヌードピンナップを(サンライズに無許可で)つけたことがある。今から37年前のことだ。
ほかにも『宝石の国』特集や『文豪ストレイドッグス』特集など。別枠の2.5次元特集では、黒羽麻璃央、崎山つばさ、宮崎秋人、荒牧慶彦、木村達成の撮りおろし&インタビューもあります。
(大山くまお)