
アデコは11月30日、日本企業に常勤で勤務するホワイトカラーの外国人300人を対象に実施した意識調査の結果を発表した。

まず、現在の就労環境に満足しているかを聞くと、77.0%が「満足している」、84.0%が「今後も日本の企業で働きたい」と回答し、満足度は高いことが明らかになった。
またどんな点に満足しているのかを聞くと、最も多かったのは「業務内容」(60.6%)、次いで「同僚との人間関係」(57.1%)、「労働時間」(55.8%)だった。一方で、「人事制度」(29.4%)や「評価制度」(27.7%)の満足度は低く、人事や評価の仕組みに対して不満を感じている人が多いことがわかった。

次に日本人の働き方に関してどのように思うかを聞くと、8割以上が「仕事の精度が高い」(80.3%)、5割以上が「人材の指導や育成に長けている」(61.4%)、「仕事に対するモチベーションが高い」(57.0%)と評価した。一方で、7割以上が「無駄な会議が多い」(71.7%)、5割以上が「時間の管理が上手くない」(56.7%)と感じていることが明らかになった。

日本の企業で働いていて、不満に感じている点について詳しく見てみると、「男女が平等に扱われていない」(43.3%)、「外国人に対する差別がある」(39.0%)のような多様性の不寛容さが挙げられた。実際に「外国人があるゆえに、機会を与えられなかったと感じることがある」経験をしたことのある人は約7割(69.3%)にも及んだ。
また「『あうんの呼吸』といった直接的でないコミュニケーションが煩わしい」(40.0%)、「遠回しな言い方がわかりにくい」(39.0%)といった「察する」コミュニケーションの仕方に不満を感じているようだ。

日本で働こうと思った理由は、6割以上が「住みやすいから」(62.3%)と「日本に興味があるから」(60.7%)と回答。
また、日本の企業で長く働くために、企業はどんな取り組みをするべきなのかと聞くと、「外国文化に対する理解の向上」(62.7%)が最も多かった。次いで「より良いワークライフバランスへのサポート」(62.3%)、「日本人・外国人従業員間の区別の撤廃」(60.0%)が挙げられた。
調査は10月25日~30日にインターネットで実施された。