投資額は64億円以上 元・Pepper開発者が作る”新しいロボット”とは
左からINCJの専務取締役・土田誠行氏、GROOVE Xの代表取締役・林要氏、未来創生ファンドの代表取締役・深見正敏氏

新世代家庭用ロボットを開発する「GROOVE X(以下、GX)」は12月4日、未来創生ファンドとINCJ(産業革新機構)を筆頭取引先とし、最大で64億5千万円の投資契約を締結することを記者発表会で明らかにした。

12月18日に未来創生ファンドとINCJが各14億円を出費し、そのほかの引受先と合計で総額43億5千万円、その後INCJは21億円を上限とする追加出資を実行予定で、GXの資金調達額は累計で最大78億7千万円となる見込みだ。これらの資金はGXが開発する新世代家庭用ロボットの製品発表や開発費用、およびマーケティング費用に活用する予定だという。

元・Pepper開発者が作る”新しいロボット”


ソフトバンクの感情認識ロボット「Pepper(ペッパー)」の開発に携わった林要さんが代表取締役を務めるGXでは、家庭用ロボット『LOVOT』を開発している。「LOVE」と「ROBOT」が融合した造語『LOVOT(ラボット)』をコンセプトネームとする同製品は、仕事をするロボットではなく、寄り添い癒しを提供することで人のパフォーマンスや生活の質を向上させるロボットだという。



GXでは、高齢化・核家族化・共働き化が加速的に進み、独居による弊害などが社会問題となるなかで、『LOVOT』と一緒に過ごすことで安心し、最終的には人の能力を高めることにもつながると考えている。『LOVOT』の製品発表は2018年末、一般発売は2019年の予定だ。

投資額は64億円以上 元・Pepper開発者が作る”新しいロボット”とは
GROOVE Xの代表取締役・林要氏

林さんいわく、『LOVOT』の構想はGX設立当初の2015年からあったといい、「当時から大幅に変わったことはあまりない。スケジュール通りに進んでおり、量産も準備中」とのこと。また、報道陣からの「ロボット産業は成長や変化がかなり早いが、製品発表までに1年以上かかるのは遅れを取らないか」という質問に対して、「私共は現在ないもの、はるか先を見据えて事業に取り組んでいる。今あるものを組み合わせて新しい製品を生み出すのではなく、それらに対してリスクヘッジをしながら、他企業に追いつかれないような製品を生み出している」と返答していた。

ちなみに、本日4日から『LOVOT』のコンセプトが見られる巨大な広告塔がSoftbank本社のある汐留駅、そしてアメリカ・ロサンゼルスの宇宙船などの開発・打ち上げを行う「SpaceX(Space Exploration Technologies Corp.)」で公開されている。また、WEBキャンペーンとして、専用のアプリケーションを連動した「IMAGINE YOUR LOVOTキャンペーン」も実施中だ。
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