
ソフトウェアメーカーのワークスアプリケーションズには、復職を認めるカムバック・パス制度や、早期昇進を実現するライト・パス制度、子育てとキャリアが両立する理想の働き方を支援する企業内託児スペース「WithKids」などの興味深い福利厚生が複数ある。そのうち、7つの福利厚生の特徴や効果、社員の声などを聞いてみた。
1.退職理由を問わず、復職OK ―カムバック・パス制度―
「退職した社員に対し、一定の評価をクリアしていれば再入社を認める制度です。特徴的なのは、退職理由を問わないこと。留学や起業、青年海外協力隊など、これまでに60人以上がカムバックし、新たな知見や経験を社内に還元してくれています。キャリアの自由度を高めることで、優秀な人材の獲得にも寄与しています」
●社員の声
「他を見たからこそ、働く環境としてワークスアプリケーションがいかに高い自由度を与えられていたかに改めて気がつきました。成果を上げることに集中できるので、開発へのモチベーションも高まります」(30代 開発マネジャー)
2.最短入社2年目でマネジメントクラスへ ―ライト・パス制度―
「マネジメントクラス以下の若手社員を対象に、早期昇進を実現する世界基準の人事評価制度です。4段階のグレードからなる本制度では、半年ごとに行う評価結果に基づき、高い評価を得た社員を次々とグレードアップさせます。グレード4を突破した社員には、直ちにマネジメントクラスのポジションを与えます。経験値や知識の有無に関わらず、高いポテンシャルを有する社員の成長スピードに昇進スピードを合わせることで、いち早くビジネスを牽引するリーダー養成に貢献します。なお本制度により、最短で入社2年目でマネジメントクラスへとキャリアアップを図ることができます」
●社員の声
「上海やインドで同時期に入社した社員が、圧倒的なスピードで昇進していく姿をみて、日本にいる自分も負けていられないと良い刺激をもらいました」(20代 開発エンジニア)
3. 『カイシャde子育て』が新しい働き方をつくる ―企業内託児スペース「WithKids」―

「子育てと仕事の両立に悩む社員の『もっと働きたい』という声に応えるために設けた、『カイシャde子育て』をコンセプトに社員自らが考えた自社運営の企業内託児スペースです。社員とその子ども、施設で働くスタッフにとって理想の環境を創るため、保育士・看護師・栄養士を自社の社員として雇用し、自社で運営を行っています。
効果としては、ワーキングマザーのニーズを吸い上げながら、既存の保育の枠にとらわれない理想の子育て環境を創り上げることができています。例えば、おむつや着替えなど保育に必要なものはすべて施設が用意する『手ぶらで通勤』や、親への食事提供で帰宅後の子供と過ごすゆとりある時間を提供する『親子ごはん』などの新しい働き方を提案しています」

●社員の声
「子どもと一緒にいる時間と働く時間にどう折り合いをつけるかにいつも悩んでいました。近隣の保育園にはお迎え時間にも制限があって、どうしても送迎時間優先の勤務になりがちでした。ただ、私たちママは、毎日、同じ労働や同じ子育てを繰り返しているわけではありません。世間一般に言われるような、働き方を自由にするのならば、ママにとっては保育環境も自由に選べなければ両立しないと思うのです。
WithKidsを通じて働く場所と保育をする場所が一緒になることで、時間のバランスを非常にとりやすくなったと思っています。保育園の分刻みの延長料金を気にしながら走って帰る、なんてことはもはやありません。そして何より、ママと子どもがいつでも一緒にいられるという環境が嬉しいです」(30代 開発マネジャー)
●保育スタッフの声
「WithKidsでは、以前いた職場と比べて自分で仕事を組み立てられる幅が広く、挑戦できるスケールが大きいので、非常にやりがいがあります。また、WithKidsはスタッフが十分にそろっているので、自分にとってのチャレンジに取り組みやすいことも良い点だと思います。みんなのベストを追求できる環境に毎日ワクワクしています」(20代 保育スタッフ)
4.クリエイティブワークを支える空間 ―バリスタ―

「ほぼ全員の社員がフレックスタイムで働く弊社では、多様な働き方をする社員同士がより短い時間で濃度が高いコミュニケーションができる空間として、バリスタを設置しています。バリスタでは、個人・チームの程よい集中とコミュニケーションが生まれるよう設計された空間のなかで、弊社の卒業生でバリスタの世界チャンピオンでもある粕谷哲さん監修のコーヒーを無料提供しています。コーヒーが良いトリガーになって、バリスタが多様な社員を惹きつける『マグネットスポット』として社内コミュニケーション活性化につながっています」

●社員の声
「以前は会議室で行っていた軽めの打ち合わせを、今はバリスタで開催しています。美味しいコーヒーを飲みながら、おしゃれなカフェのような空間で話をしていると、会議室では思い浮かばなかった斬新なアイディアが出てきたりするんです」(20代 コンサルタント)
5.毎月、経営陣が社員へ直接語り掛ける全社会議 ―CLOWS―
「全社会議CLOWSは、会社と社員が価値観を共有し、認識を統一するための場です。毎月1回開催し、経営陣が直接、全社員へ向けて会社の戦略や方向性を説明します。
一人ひとりが自分で考え実行していくためには、会社のビジョンや価値観を社員全員が共有していることが重要だと弊社は考えています。
社員は今後の方針を経営陣から直接聞くことができるため、モチベーション向上や文化の浸透にも役立っています」
●社員の声
「会社規模が変わっても、創業時と変わらず代表3名が社員へ直接語り掛けるスタイルを継続してくれているおかげで、配属されたばかりの新人であっても、新人なりに会社状況を鑑みてどう会社へ貢献するかを考え、主体的に行動してくれます」(30代 コンサルタントVice President)
6.ゲストは社員の家族 ―社内パーティー―

「新しい会計年度に入る毎年7月には、キックオフパーティーを開催します。また毎年12月には社員を支えてくれるご家族を招いて、会社をよく知ってもらうためにクリスマスパーティーを開催しています。

●社員の声
「毎年うちの娘は、クリスマスパーティーでサンタクロースに何のプレゼントをもらうか考えるのを楽しみにしています」(20代 営業マネジャー)
7.能力を最大限発揮するための休養を ―シエスタ・リフィール―

「シエスタは、会社にいながら家でくつろいでいるかのようにゴロ寝できる、仮眠・休憩専用スペースです。リフィールは、社内マッサージルームで社員が無料でマッサージやリフレクソロジーなどを受けられるサービスです。
能力を最大限に発揮する仕事は、自己成長という意味ではとても刺激的ですが、頭と体が疲れることも。そんな社員の疲れを癒し、リラックスさせるのがシエスタとリフィールです」
●社員の声
「照明が暗めで、飛行機のファーストクラスのようなチェアで寝心地最高なので、仮眠をとるには最適! 自分の枕を持ち込みできるので、自宅のようにリラックスできます」(20代 開発エンジニア)
取材協力
株式会社ワークスアプリケーションズ
エンタープライズ領域では誰もチャレンジしてこなかった応答速度0.1秒という卓越したユーザエクスペリエンスや、ユーザーの仕事やオペレーションを学習するAIを搭載した「HUE」を通じて、企業や働く人々に生産性革命を起こそうとするソフトウェアメーカー。Great Place to Work(R) Institute Japanが選ぶ2017年版「働きがいのある会社」調査(従業員1000名以上の部門)で日本一に輝くなど、多様な働き方を許容することで優秀な人材に活躍の場を提供する企業。
(石原亜香利)