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先代AIBO修理業者が語る人間とロボット「一緒に生きた歴史ができていく」


「これを直してほしい」の先にあるニーズを捉えることが大事


――修理を行う上でいちばん大切にしているのはどのようなことでしょうか。

乗松:お客様のニーズに合わせた柔軟なサービスを提供することですね。「これを直してほしい」という要望の先で、お客様が何を望んでいるのか。そこを的確に捉えた上で我々は何をするのか。そういったところが最も重要だと考えています。たとえば古いビデオデッキをどうしても直してほしいというお客様がいました。けれどそのビデオデッキを実際に見てみると、もうそうとう悪い状態になってしまっていた。

そこでビデオデッキをどうして直したいのかお客様に聞くと、「亡くなった家族が映っているビデオテープがあるので、それを見たい」とのこと。ビデオデッキを直すことではなく、ビデオテープ見ることが目的なら、別のビデオデッキを使って見てみるのはどうか、と我々からご提案しました。

――「これを直して」という依頼の向こう側には、製品を直すことによってやりたい何かがあり、最終的にそれを叶えることが大切なんですね。

乗松:はい。今はどこのメーカーのコールセンターも「◯◯のご用件なら1番のボタンを」「◯◯なら2番のボタンを……」といった感じで効率化がはかられていますが、これが本当に良いことなだろうか? というのは疑問に思います。メーカーがあまりにも自分たちのコストばかりを考え、お客様本位ではなくメーカー本位になってしまっている。そういった態度が見え隠れしてしまうと、お客様の方も嫌になってしまいます。

――効率化を重視しすぎるあまりに、お客さんのことが見えなくなっている。

乗松:そうですね。20年ぐらい前であればソニーやトヨタのような日本企業は世界のトップにいましたけど、今はGoogleやAppleに抜かれ、ロボット産業でも中国の企業が台頭してきました。そんな中で日本は、これからどうしていくのか。効率化を図るばかりでは勝ち目は薄いでしょう。それよりもお客様の琴線に触れるサービスを追求していく方向に舵を切るべきではないか。そのために我々は、次の世代の人たちに何を伝えれば良いのか。どういう生き方や働き方を見せていけばいいのか。今はそういったところをテーマに掲げています。

長く一緒に過ごすことで歴史ができていく


――実際に修理したAIBOを見せていただきましたが、本当にかわいらしい。

乗松:実際にAIBOが動いている様子を見ると「AIBOってこんなによく動くの」とみなさん驚きます。10年以上前に作られたものが今も現役でかわいがられているというのはすごいことですね。

――現代は家電の買い換えサイクルが短くなり、スマートフォンなど最先端の製品ほど、その傾向が顕著だと思いますが、ペットとして長年かわいがられているAIBOはその正反対をいっているかのように見えます。

乗松:AIBOの場合、大事に使うというか、自分と一緒に生きた歴史ができていきますね。色あせたり傷がついたりしても「これはあの時、あそこにぶつかってできた傷だよね」というように。

――今後、人間とロボットの関係はどのようになっていくのでしょうか。

乗松:ますます色々な形のロボットが登場してきます。人間の仕事を代行したり、手伝ってくれるようなものもあれば、AIBOのように、メンタル的なヘルスケアができるものも増えてくるでしょう。私が今考えていることとしては、介護施設や長期入院中の子どもがいる病院などに行って、ロボットセラピーを推進していきたいですね。

たとえば高齢者の方で、記憶力が落ちて同じことを二回も三回も繰り返し言うようになってくると、周りにそれを指摘されるのが嫌になって、口数が少なくなってしまうことがあります。けれどAIBO相手になら「相手はロボットだから」ということで安心してしゃべれる。それまでまったくしゃべらなかった人が、ロボットに対しては積極的に話しかけてくれるというような光景がけっこう見られるんです。



A・FAN株式会社では、AIBOをはじめ、様々な製品の修理を手掛けています。長く愛用してきた思い出の品や、「もう直らないのかな」と諦めていた製品についても、とても親身に対応してもらえますよ。
またホームページ上では修理したAIBOの里親募集も行っています。

株式会社A・FAN http://a-fun.biz/index.html

(辺川 銀)
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