カーシェアリング各社を比較 タイムズ、カレコ、オリックスの対抗にdカーシェア

カーシェアリングは、自家用車を購入するほど頻ぱんにクルマに乗らないが、買い物などちょっと出かけるときに使いたいという人向けの選択肢として、年々注目度が上がっている。
特に「タイムズカー」「カレコ・カーシェアリングクラブ」「オリックスカーシェア」が幅広いエリアでサービスを展開しているため、比較検討されがちだ。


今回はレンタカーとの違いをあげつつ、3社の料金や拠点数、車種を比較する。加えて、提携先を増やして使いやすくなった「dカーシェア」を第4の選択肢として取りあげた。

また、筆者も普段からカーシェアを使っているので、予約から利用までの流れをまとめた。


カーシェアがレンタカーと違う点


カーシェアリング各社を比較 タイムズ、カレコ、オリックスの対抗にdカーシェア
画像はイメージ

カーシェアもレンタカーも、駐車場代や税金などの維持費がかからないのは一緒だが、異なる点がいくつかある。

短時間から気軽に使えるのがカーシェア

まず、利用方法の違いがあげられる。カーシェアは店舗やWEB経由で一度入会申し込みをすれば、利用前の対面手続きは必要なく、ネットで予約するだけですぐに使える。店舗の営業時間を気にせず24時間乗車・返却できる(レンタカーも一部店舗では24時間利用可)。

用途でいえば、各社が運営している駐車場の一画が車両ステーションになっているため拠点数が多く、短時間からの利用ができるので、週末のおでかけやちょい乗りに適している。

反面、新幹線駅や空港に着いてすぐクルマを使いたい場合は、営業所が多く設置されているレンタカーのほうが使いやすい。

「ガソリン満タン返し」は不要

料金の支払いは前払いではなく、月単位でのクレジット払いとなる。
携帯電話と同じように、月額基本料+使ったぶん(時間や走行距離)に応じて請求額が決まる仕組みだ。
各社とも利用頻度にあわせて複数のプランが用意されており、時間料金はサービスによって微妙に異なる。10~15分単位で料金が設定されており、1時間の利用で800円前後(月額基本料、距離料金を除く)だ。
また、初期費用としてICカードの発行手数料が発生(カレコは発行しないので無料)する。

料金体系がレンタカーと比較するとわかりにくいかもしれないが、ガソリン代と保険料込みの料金なので、いわゆる「ガソリン満タン返し」をしなくて済むのもメリット。

スマホで申し込めるので、直前のキャンセルや利用時間の延長も比較的しやすい。


3社のステーション数・料金・車種を比較

タイムズ、カレコ、オリックスのどれを選ぶか比較する場合は、以下の3点から総合的に判断するのがオススメだ。
(1)利用したいエリアにステーションがあるか
(2)料金
(3)車種の多さ

料金が安くて乗りたいクルマを取り扱っていたとしても、使いたい場所にないのでは意味がない。

公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が発表している統計によると、2022年3月時点でのステーション数と車両台数は、タイムズが13,498カ所/36,855台と最も多く、カレコ(3,255カ所/5,735台)、オリックス(1,652カ所/2,591台)と続く。

タイムズは自社の駐車場を活用して47都道府県の主要都市に幅広く展開しているため、エリアによってはタイムズ一択となる。
カレコも自社の「三井のリパーク」を活用して、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)と2府9県でも展開。
オリックスは29都府県を中心に展開している。


ステーション数はあくまで参考としてとりあげているだけで、繰り返しになるが利用したいエリアに存在するかが重要だ。毎月新規オープンもあれば閉鎖もあるので、各社のサイトで最新情報を確認しよう。

料金については時間や車種によって細かく設定されているため、各社ごとに特長を紹介する。

夜間利用がお得なタイムズ


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月額基本料は個人プランと家族プランでは880円だが、利用した月は同額が利用料から割引される(月額基本料が4年間無料の学生プランあり)。

時間料金はクルマのクラスによって3種類に分かれる。
・ベーシッククラス:220円/15分
・ミドルクラス:330円/15分
・プレミアムクラス:440円/15分
6時間を超えると、各クラスで段階的に設定された最大時間料金が適用される。
距離料金は一律で16円/km。
ただし、6時間以内なら距離料金はかからない。

2022年11月1日まで、18:00〜24:00にお得に乗れる「アーリーナイトパック」が復活している。全クラス一律で990円のため、夜間に乗ることが多い人は積極的に利用したい。


・初期費用:カード発行手数料1,650円(1人1枚)
 ※2022年10月31日まで無料+月額基本料金2カ月無料キャンペーン中
タイムズカーの詳細はコチラ

初期費用を0円にでき、短時間利用に強いカレコ


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カレコのプランは、月額基本料980円(利用した月は同額を利用料金から割引)がかかるベーシックプランと月会費無料プランの2種類がある。

時間料金は車種によって4タイプに分けられており、最も安いコンパクトクラスなら、ベーシックプランで10分150円、月会費無料プランだと10分180円だ。
この10分刻みというのが他社にはない特徴のため、6時間以内の短時間利用に適している。

タイムズと同じく、6時間以内の利用なら距離料金はかからない。
6時間を超えた場合の距離料金はクラスによって異なり、18円/km~となっている。

ベーシックプランが1カ月前から予約可能なのに対して、月会費無料プランでは2週間前から予約可能となる点は注意したい。

・初期費用:0円(ICカードを発行しない)
カレコ・カーシェアリングクラブの詳細はコチラ

使えば使うほどお得になるオリックス


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オリックスは月額基本料880円(利用した月は同額を利用料金から割引)の個人Aプランの他に、毎月乗らない人向けに月額基本料が0円の個人Bプランがある。

こちらも車種によって時間料金は3タイプに分かれ、個人Aプランで15分220円~、個人Bプランで15分340円~だ。

距離料金は18円/kmだが、他社と同じく6時間以内なら距離料金は発生しない。その代わり、長時間パックは比較的安く設定されている。
また、個人Aプランについては半年間に一定額以上利用するとランクが上がり、月額基本料無料になったり、夜間パックが安くなったりと優待が受けられる。


・初期費用:1,000円(1人1枚)
・入会キャンペーン:WEB入会限定で月額基本料が2カ月無料、時間料金1600円分を2カ月間プレゼント
オリックスカーシェアの詳細はコチラ

車種の多さでは大きく差がつく結果に


3社ともプリウスやフィット、ノートなど定番のクルマは揃えているものの、カレコが57種類と最も多くの車種を扱っていた。特にベンツやレクサス、マツダロードスターといった高級車のバリエーションが豊富で、「買えないけど一度は乗ってみたい」という欲求を満たしてくれる。

とはいえ、車種にそれほどこだわりがないのであれば、タイムズは33種類、オリックスも26種類のクルマを扱っているので、あまり気にしなくてもいいだろう。

まとめると、
・短時間利用料金の安さや車種を重視⇒カレコ
・夜間によく使う、もしくは利用エリアの広さを重視⇒タイムズ
・長時間利用時の利用を重視⇒オリックス
となる。


「dカーシェア」が第4の選択肢に


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第4の選択肢として挙がるのが、ドコモが開始している「dカーシェア」だ。カーシェアとレンタカーをひとつにまとめたもので、初期費用と月額基本料がかからない。
また、クレジットカード以外に電話料金との合算でも料金が支払え、dポイントも貯まるといった違いがある。

カレコやオリックスを含む5社のカーシェアと、8社のレンタカー事業者と提携しているため、利用可能範囲も広い。

ただし、料金プランはドコモ専用のもの。提携元サービスと同じクルマを利用できるが、月額基本料がかからないぶん、時間料金は比較的割高なので、車の利用頻度が数カ月に1回程度の人に最適だ。

dカーシェアの詳細はコチラ

カーシェアを予約してから利用するまでを解説


ここでは筆者が普段から使っているカレコを例に、利用までの簡単な流れも解説する。
筆者の場合、利用したいエリア内にタイムズとオリックスのステーションもあったが、「主に土日のちょっとしたお出かけで使いたい」「いろいろな車に乗ってみたい」と考えていたため、安さと車種の多さが決め手となってカレコを選択した。利用する際にICカードを使わないで済む点も、地味ながら判断材料のひとつになった。財布にこれ以上カードを入れたくないという気持ちがあったからだ。
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ベンツだって借りられる!

サイトの会員ページやスマホアプリから予約したら、実際にステーションに向かう。もしステーションが広かったとしても、カーシェア用のクルマの前にはわかりやすくスタンドサインが置かれているので、すぐに見つかるはずだ。スタンドサインを移動させ、異常がないか安全点検をしてから利用しよう。
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解錠にICカードを使う場合は、搭載されているカードリーダー部分にかざす。クルマによってリーダーが設置されている部分が変わるが、かざす箇所に説明書きもあるので、探しやすい。
今回はスマホアプリを使って解錠する。GPSと連動して解除するので、バッテリー節約のために普段GPSを切っている人はこの時だけONにしよう。
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クルマに乗り込んだら、助手席の前にあるグローブボックス内にキーボックスがあるので、キーを取り出したら運転開始だ。グローブボックスの中にはマニュアルも入っているので、乗ったことのない車種でも安心して運転できる。
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マニュアル内には給油・洗車カードが入っている。ガソリンが少なくなったら、ガソリンスタンドでカードを使って給油をしよう

ステーションを出る前に、スタンドサインを元の位置に戻しておこう。コインパーキングの場合、通常の利用者が誤ってカーシェア専用スペースに駐車してしまうことがあるからだ。もし他のクルマが停まっていて返却できない場合は、サポートセンターに連絡する必要がある。
利用時間を延長したい場合は、会員ページかスマホアプリから手続きができる(タイムズとオリックスの一部のクルマでは、カーナビからも可能)。
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今回借りたベンツは、普段借りているクルマとは反対側にウインカーが付いていたため、感覚の違いにかなり戸惑ってしまった

返却する際は、利用開始と逆の手順を踏むだけだ。元の位置にクルマを停車させ、エンジンを切ってキーをキーボックスに差し込む。クルマから降り、アプリで返却ボタンを押す(もしくはICカードをかざす)と、ドアがロックされ返却完了となる。

カレコ以外のタイムズやオリックスも、初期費用が無料になる入会キャンペーンを行っていることがあるので、チェックしてから検討してみよう。
(茶柱達也)

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