日本の夏を歌い続けてきたTUBEが“野外”でのライブを始めたのは、デビュー翌年1986年で、以降現在に至るまで31年間連続で単独野外ライブを開催してきた。
TUBEの地元・神奈川の横浜スタジアムで行われるスタジアムライブ、今回は節目の30回目とあってチケットは発売即日SOLD OUT、3万人満員御礼のプレミアライブとなった最初の横浜スタジアでのライブは1988年8月17日に開催。 以来、神奈川県出身のTUBEにとってアマチュア時から憧れのステージであった横浜スタジアムでの野外ライブはTUBEの毎夏恒例行事となっており、足掛け31年で通算30回目を達成となった。
この日の横浜地方は、8月最終週にも関わらず真夏の太陽が照りつけ最高気温が33度を越え、まさに“TUBE日和”となった。午前中から多くのファンがスタジアム周辺に集まり、横浜スタジアムの地元・関内の街も記念すべき30回目の横浜スタジアムでのライブを祝うべく、街をあげてお祝い企画を実施。最寄駅・みなとみらい線「日本大通り駅」ではこの日限定で駅構内のBGMをTUBEの楽曲に。さらに過去29回の横浜スタジアムでのライブの歴史を振り返るパネル展の実施やTUBEうちわの配布など、ファンと街が一体となってライブ前から熱い盛り上がりを見せた。
TUBEの登場を待ちわびる“TUBEコール”が鳴りやまぬ青空の下、ボーカルの前田はオープニングではアイスキャンディー売りの姿で登場し、冒頭から観客の大きな笑いを誘いつつ代表曲の「夏だね」でライブはスタート。
MCでは「今年は30回目のスタジアムになるそうで、いろんな人からそれを聞くたびに我々メンバーはプレッシャーに駆られています。今までで一番緊張していた」と本心をのぞかせた。その後「Beach Time」「シーズン・イン・ザ・サン」などアップテンポのナンバーを中心に進行し、日が沈んでいく心地よい時間にはメンバー4人だけのアコースティック編成でライブはしっとりと進んでいく。
スタジアムでは恒例となっている大噴水バラード、ギター春畑道哉のソロ楽曲「J'S THEME 25th ver.」を挟み、ライブも後半戦に差し掛かる頃、ビックサプライズが。TUBEが尊敬して止まない湘南サウンドの大先輩・加山雄三さんがステージ中央から代表曲「海 その愛」を歌唱しながら登場し、会場は大歓声に包まれる。
加山さんから「30回目だって? 思わず駆けつけて来ちゃった」とお祝いの言葉をいただくと、TUBEの「湘南My Love」「夜空の星」を一緒に演奏し、「もう一度大先輩、加山雄三さんに大きな拍手で、ありがとうございました!」というMCと共に大きな拍手が巻き起こった。
加山さんの登場に興奮さめ止まぬ中、本編ラストのコーナーでは最新シングルの「夏が来る!」「恋してムーチョ」で会場は一体となった。
アンコールでもメンバーと観客が醸し出すパワーは衰えず、「LOVE BEACH」ではジェット風船が舞い上がり、「You'll be the champion」では炎吹くゴンドラ、や打ち上げ花火と前田の圧倒的なパワーボーカルで魅せるパフォーマンスにファンは大興奮だった。
最後のMCで前田は「この横浜スタジアムはいつもみんなが最高って言ってくれるみんなの気持ちがうれしくてここまで続けてこられました」と感謝の意を述べ、世代を超えて愛され続ける日本を代表する夏ソング「あー夏休み」、TUBEライブの定番曲「Hot Night」を歌唱し記憶に残る30回目の横浜スタジアムのライブは幕を閉じた。
この横浜スタジアムがTUBEにとっての大晦日となるが、TUBEの夏は、来年、さらにデビュー35年目2020年の30年連続開催へと続いていく。
■TUBE オフィシャルサイト