
Amazon.com傘下であるAudible(オーディブル)は、本日8月28日からサービス内容を変更した。料金は月額1500円のまま、これまで聴き放題だったサービスモデルをダウンロード販売に移行。
これまでと何が変わったのか比較しつつ、追加されるサービスについて解説する。
料金は変わらず 聴き放題からコイン制に
前述した通り月額会員費は税込み1500円と変わらない。
大きな変更は、聴き放題からコイン制によるダウンロード販売となった点だ。コインは会員に毎月1つ付与され、好きなタイトルの購入に使える。気に入らなかった場合は無料で返品・交換も行えるという。ダウンロードした作品は退会後も保存されたままとなる。
また、会員にならなくとも作品を単品購入できるようになった。単品の価格は固定額ではなく、作品により異なるとのこと。会員であれば、すべてのオーディオブックを30%オフで単品購入可能だ。
つまり聴き放題からコイン制になったことで、会員が月に1作以上聴きたい場合は、別の作品に交換するか別途単品購入が必要になった。
著名人の朗読作品など400点を追加 20万以上の海外コンテンツも解禁


コイン制への移行にあわせて、コンテンツが大量に追加される。400以上の日本独自コンテンツを追加。これまで扱ってきたKADOKAWA、文藝春秋、講談社に加えて、小学館、早川書房、幻冬舎といった出版社の作品も含まれている。
タイトルは池井戸潤の「下町ロケット」といった人気小説のほか、ホリエモンこと堀江貴文の「多動力」といったベストセラーになったビジネス本も。
目玉は、豪華ナレーター陣による朗読コンテンツだ。以下にその一部を抜粋する。
・「犬に聞いてみろ」(池井戸潤)/杏
・「神保町奇譚」(池井戸潤)/上川隆也
・「日の名残り」(カズオ・イシグロ)/田辺誠一
・「菊次郎とさき」(ビートたけし)/柄本佑
・「新宿鮫」大沢在昌)/城田優
・「悪人」(吉田修一)/中村蒼・田中麗奈
・「ロング・グッドバイ」(レイモンド・チャンドラー)/早乙女太一
・「小説 君の名は。」(新海誠)/朴路美
・「有頂天家族」(森見登美彦)/岡本寛志
・「あの日」(小保方晴子)/小保方晴子
・「大人の流儀7」(伊集院静)/小澤征悦
・「多動力」(堀江貴文)/片山公輔
・「生き方―人間として一番大切なこと」(稲盛和夫)/後藤敦
・「世界を変えた 10 冊の本」(池上彰)/早川諄
・「ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング」(エディー・ジョーンズ)/吉田健太郎
・「富嶽百景」(太宰治)/杉村理加
・「道草」(夏目漱石)/石川悦子
・「たけくらべ」(樋口一葉)/小野慶子
・「古寺巡礼」(和辻哲郎)/野口 晃
・「天才」(石原慎太郎)/原田晃
先駆けて行われたメディア向け説明会に登壇したアマゾンジャパン合同会社Audible事業部ビジネス・アフェアディレクター 宮川もとみ氏によれば、新海誠作品では「君のは。」以外にも「君の名は。 Another Side:Earthbound」「言の葉の庭」「秒速5センチメートル」が今年中に公開されるという。ナレーターが誰になるかは近日公開予定とのこと。
そして、海外で販売されていた39カ国語、計20万以上のコンテンツも解禁となった。
同社Audible日本事業統括の逢坂志麻氏は「日本では他国と比較して、スキルアップに役立つコンテンツがとても人気。ビジネス本、自己啓発、英語のヒアリング上達のために英語コンテンツを聴く」と説明。村上春樹の「1Q84」や「スティーブ・ジョブズ」などを外国語音声で聴くことができるので、語学学習にも最適だろう。
会員限定の聴き放題ショートコンテンツ
会員限定の聴き放題コンテンツ「Audible Station」も追加された。こちらはビジネス書の要約や国内外のニュース、落語、ヨガなど短い時間で聴けるさまざまなコンテンツを平日毎日配信していくという。
Appleがワイヤレスイヤホン「AirPods」を発売して以降、街なかでワイヤレスイヤホンを付けている人を多く見かけるようになった。Audible Stationは電車内や家事、入浴中などの「ながら聴き」と相性が良いと思われる。
アメリカではAmazonのスマートスピーカー「Alexa」と連携できるAudible。日本では現状未対応だが、今後の対応については前向きに考えているようだ。
(茶柱達也)
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