イケアは遊園地? 会社の歴史からおすすめ商品まで紹介
画像はIKEA公式サイトのスクリーンショット

ベッドやソファ、机などの家具類や雑貨などを扱うイケアは、スウェーデン発の世界最大の家具量販店兼メーカーだ。日本国内にも複数の店舗を抱えているが、意外と店舗を訪れたことがないという人もいるはずだ。そこで、今回はイケアについてその歴史や概要から、おすすめの商品まで紹介していく。


イケアとは


まずは、イケアがどのようなメーカーなのか、基本情報を確認していこう。

イケアの概要


イケアは、スウェーデンで生まれた家具メーカーであり量販店だ。現在ではスウェーデンをはじめヨーロッパ各国、アメリカ、カナダなどの北米、日本、韓国、中国などのアジア、そしてオーストラリアなど世界各国に店舗を展開しており、その規模は世界最大級と言える。

イケアという社名は「Ingvar Kamprad, Elmtaryd, Agunnaryd」の頭文字をとって「IKEA」と名付けられた。Ingvar Kamprad(イングヴァル・カンプラード)とは創業者の名前であり、名前がそのまま企業名につけられている。また、IKEAのEとAであるElmtaryd(エルムタリッド)とAgunnaryd(アグリナッド)は創業者のカンプラード氏が育った牧場の名前だ。
つまり、イケアは名前自体には特別な意味があるというわけではなく、創業者に由来する名前を組み合わせて名付けられているのだ。

イケアの歴史


イケアは遊園地? 会社の歴史からおすすめ商品まで紹介

イケアが設立されたのは1943年であり、もともとは雑貨店だった。当時17歳だったカンプラード氏は、当初は何でも屋的なお店を営業していたが、家具店と提携して家具を安く販売するようになるとそれが評判になり、そこからは家具専門のお店となる。

最初のうちは家具メーカーから家具を卸して販売するという形をとっていたが、ライバル店の圧力によって、家具が卸せなくなってしまう。そのような状況の中でイケアはデザイナーを集め、自社で家具の企画から製造、販売まで一貫して行うシステムを作り上げている。このシステムは現在のイケアでも同じように行われている。

1960年代に入るとスウェーデン国外への出店を開始。イケアの設立から50年の1993年には世界に100店舗を展開するまでに成長した。2017年時点では世界で400以上の店舗を運営している。

このように、世界的にも有名なイケアだが、有名であるがゆえに中国ではイケアを模倣した偽イケアが現れ話題になったこともある。


イケアの店舗展開

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イケアの店舗展開についてもう少し詳しく説明する。
イケアが初めて海外に出店をしたのは1963年だった。同じ北欧のノルウェーへと出店すると、そこからヨーロッパ諸国、北米、アジア、オセアニアとその範囲を広げている。

日本での初出店は1972年のこと。愛知県名古屋市の名鉄百貨店と東京都渋谷区の東急百貨店に出店している。その後1974年には合弁会社「イケア日本株式会社」ができ、船橋や神戸などにも出店。しかし、1986年に一度日本の市場から撤退している。

再びイケアが日本にやってきたのは撤退から16年後の2002年7月で、「イケア・ジャパン」が日本法人として設立され、2006年に再度船橋に出店した。2018年現在、イケアは日本国内で宮城、千葉、東京、神奈川、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡の計9店舗を展開している。

日本ではすでにおなじみとなりつつあるイケアだが、海外では最近になって初出店がされた国もある。それがインドだ。イケアインドがオープンしたのは2018年8月と最近のことだ。
オープン初日に激安商品が販売されていることに加え、イケアというブランドがすでに世界的にも有名になっていることもあってか、オープン当日は大勢の人が店を訪れている。




今後も未出店の国に進出していく可能性は十分あるので、世界中にイケアがますます増えていくかもしれない。

イケアのロゴ変遷


現在のイケアのロゴは青色と黄色によって構成されており、母国スウェーデンの国旗を想起させるようなカラーとなっているが、このデザインになったのは1983年からだ。それまではさまざまなデザインのロゴが用いられており、赤色や茶色、黒色など現在のロゴとは全く異なる色合いのものもあった。現在のロゴは歴代のロゴの中でも使用期間が最長であり、今やおなじみのマークとなっている。


イケアの商品


イケアの魅力は何と言ってもその商品だろう。先述の通り自社でデザイナーを揃え、製造から販売まで全て自前で行っているのだ。そこで、続いてはイケアの商品にどのようなものがあるのか紹介していく。

イケアの商品のカテゴリーを紹介


イケアのオンラインサイトを確認してみると、以下のような商品カテゴリーがある。

屋外家具 / ソファ&アームチェア / テレビ&メディア用家具 / チェア / テーブル / デスク / ベッド&マットレス / テキスタイル&ラグ / 収納家具 / 衣類収納 / スモール収納 / ベビー&子供用品 / キッチン&設備機器 / クッキング / 食卓 / レジャー&安全用品 / バスルーム収納 / ペット / ワイヤレス充電 / 照明 / ミラー / 工具&固定具 / スウェーデンフード / デコレーション

カテゴリーだけでも24種類もあり、その中には、ソファやベッド、照明、収納など一般的な家具のほかイケアならではのスウェーデンフードなども見られる。

商品数はかなりの数に及び、約9,500点だと言われている。もちろん、同じ商品がずっと並び続けることはなく、商品は入れ替わるため、全ての商品を把握するのは至難の業だろう。

商品数の多さはもちろんすごいのだが、イケアはその売上高もすごい。イケアが2016年9月〜2017年8月の1年間で売り上げたその額はなんと383億ユーロになる。この金額は日本円にして約5兆78億4,000万円だ。正直額が大きすぎていまいち規模がわからないが、小さな国の国家予算くらいにはなりそうな額ではないだろうか。イケアはこの額を1年間で売り上げてしまうのだ。

イケアに限った話ではないが、家具は決して安い買い物ではない。ベッドやソファなど1つ買うだけでも数万円はするし、いい物を買おうと思えば数十万円する場合もある。イケアでは比較的安い雑貨や小物なども扱っているし、世界各国に店舗を構えている。それでも5兆円という結果を出してしまうのは利用客がイケアに大きな魅力を感じているからなのだろう。

イケアの人気商品は?


イケアは遊園地? 会社の歴史からおすすめ商品まで紹介
画像出典:Amazon.co.jp「IKEA(イケア) LACK テレビ台 ホワイト

1万点近く物商品があると、何が人気の商品であるのかがなかなかわかりにくいのではないだろうか。そこで、イケアの人気商品について調べてみたところ、お客からの高評価レビューが多かった商品というものが出てきた。

ここではそこにランクインしていた人気商品がどのようなものなのか紹介する。

まずは、家具類から。世界的トップクラスの家具量販店ということで人気の家具はさぞかし大きなもの、高価なものなのではないかと考えていたが、家具で人気だったのは以外にもテレビ台だった。その値段は1,499円と非常に安い。
ちなみに、テレビ台の他にランクインしていたのはシェルフ(1,999円)、サイドテーブル(999円)などリーズナブルなものばかり。
同様に小物や雑貨の人気商品にはクマのぬいぐるみやキッチンクロス、ハンガーなどが、リビング・ダイニングの商品では椅子や電球、時計などが、1,000円〜数千円程度の商品が並ぶ。

また、一般の人が開設しているブログなどで、イケアで買ってよかった商品を調べてみてもキッチン用品や小物など安めの商品が紹介されていた。

5兆円という売り上げ高にどうしても注目してしまうが、日用品や小さな家具などが人気なのかもしれない。

イケアの買い物バッグがリメイク


イケアでは買い物バッグも商品として販売されている。もしかしたら青ベースで持ち手の部分に「IKEA」と書かれたバッグを持っている人を見たことがあるかもしれない。

このバッグは99円で購入できるため、イケアユーザーの中にはついつい毎回購入してしまう人もいるはずだ。
そんなイケアバッグだが、リメイクすることで、別の物にしている人がいる。


Too good not to pt 2 Re-gram from @a_l_c_h_ #tbt #Ikea #BucketHatForLife

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もし、興味があればイケアバッグのアレンジに挑戦してみてはいかがだろうか。


イケアの特徴

イケアにはいくつかの特徴がある。続いてはその特徴について紹介する。

素材へのこだわり


イケアは自分たちで商品の製造を行っているが、商品に使用する素材に関しては再生可能な材料、もしくはリサイクルされた材料などを使用するようにしている。イケアのホームページを見ていても、「再生可能」「リサイクル」「環境」といったワードがたくさん見られるなど、環境に配慮した材料を用いて商品を作っているのだ。

大きな店舗


イケアは都心のど真ん中に店舗があるのではなく、郊外に大きな敷地にある。たくさんの家具が置かれているため店舗自体が大きいのは理解できるかと思うが、イケアの店舗内にあるのは家具だけではない。

まず、店内にはレストランやカフェが用意されている。これで買い物途中で疲れても休憩することが可能だ。ちなみに、レストランではスウェーデン料理を食べることもできる。
また、4歳〜10歳の子供を60分間無料で預かってくれる託児施設もあるほかキッズシネマも整備されている。そしてATMが備え付けられていて、無料Wi-Fiサービスも利用できるなど利用者にとっては非常に利用しやすい形態となっているのだ。

家具は購入者が組み立てる


イケアの特徴の1つに購入した家具は購入者が自ら組み立てる、ということが挙げられる。

お客はまず、モデルルームでイケアの家具がどのように使われているかを確認し、欲しい商品を選ぶ。その後、商品が置かれている倉庫にいって欲しい商品をピックアップするのだが、商品は完成したものではなく、必要な材料が詰められているので、説明書を見ながら組み立てるという仕組みだ。

自分で組み立てられるか不安に感じる人もいるかもしれないが、大きな家具でも組み立ては決して難しくはない。また、組み立てを購入者が行う仕組みのおかげで他社と比べても商品は安くなっている。


イケアは行くだけでも楽しめる

イケアは遊園地? 会社の歴史からおすすめ商品まで紹介
画像はイメージ

先述の通り、イケアは非常に大きな店舗のなかにレストランや託児所、モデルルームなどさまざまな施設がある。
店内に足を踏み入れればたくさんの家具や雑貨があるため、それらを見ているだけでもワクワクしてくるし、たくさんの商品を見ようとすれば店内をくまなく歩き回ることになる。隅から隅まで見るのであれば1日あっても足りないはずだ。

これらはどこか遊園地にも似ているのではないだろうか。園内はたくさん歩き回っても1日じゃ全てを回りきることはできないし、たくさんの家具や雑貨はアトラクションといったところだろうか。もちろん本物の遊園地同様レストランもある。実際に家具を買う買わないは別としても、行くだけでも十分楽しむことはできるのがイケアなのだ。

まとめ


今回はスウェーデン発の家具量販店兼メーカーであるイケアについて紹介してきた。大きな店舗にレストランや託児所などさまざまな施設を備えるイケアは家具量販店でありながらテーマパークのようでもある。
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