
風男塾/10月10日にアルバム『風ァイト!!!!!!』をリリース
昨年の9月にデビューから10周年を迎えた男装グループ風男塾。それを記念したアニバーサリーツアーもついに、デビュー記念日である9月24日に日比谷野外音楽堂でファイナルを迎えた。
(取材・文/橘川有子)
アイドルグループで「10周年」を祝えるってすごいことだと思うんです
――2年7か月ぶりとなるアルバム『風ァイト!!!!!!』が完成しましたね。
瀬斗光黄:昨年リリースしたアルバム『All Time Best』は10周年の節目を祝う集大成でした。今作は既発のシングルに加えて、新曲が6曲も収録されています。現6人体制での新曲が増えることが素直に嬉しいし、(草歌部)宙くんや(紅竜)真咲くん、(藤守)怜生くんにとっては、初めてのオリジナルアルバムになるんです。これまでは先輩方の歌パートを受け継いできましたが、このアルバムには最初から3人の歌声が入っているので、感慨深いですね。
愛刃健水:昨年から今年にかけて10周年の活動をさせていただいていますが、アイドルグループで「10周年」を祝えるってすごいことだと思うんです。この6人で10年やってきたわけではないですが、先輩方から受け継いでここまでこれたことに感謝しかありません。

――オリジナルアルバムに初めて参加した感想は?
藤守怜生:1曲に心を込めてレコーディングする気持ちは(シングルと)変わらないんですが、アルバムでは短期間でたくさんの曲を覚えて歌うので、その感覚が久しぶりだなって。いろんなクリエイターさんが作ってくださった曲なので、それぞれの曲の雰囲気を自分に取り込みながらレコーディングすることを意識しました。そのせいか、新しい階段を上がれるような感覚になれたし、成長できたんじゃないかなって思ってます。
紅竜真咲:まずアルバムが作れることが率直に嬉しかったし、6人のハーモニーがファンの方々に届けられることにワクワクしながらレコーディングしました。
草歌部宙:本当にそうですね。アルバム制作はシングルとはまた違う感覚があって、短期間でたくさんの曲に触れることになりました。自分の声で新たに曲を作れることが嬉しくて、歌いながら「ぼくは風男塾の一員なんだな」って噛み締められました。
――今作ではQ-MHzさん、Elements Gardenさん、ヒゲドライバーさんなど多彩な作家陣が楽曲を提供していますね。
仮屋世来音:アルバムには「最高シャウト!」(Q-MHz 作詞・作曲)のような“風男塾らしい”楽曲もある一方で、「ユレロ」(ヒゲドライバー 作詞・作曲)のように新しいなと感じる曲もあります。この曲は構成的にも今までにない感じというか。
瀬斗光黄:「お願いトムテ~聖なる夜に~」はプロデューサーのはなわさんが歌詞を書いてくださったんですが、一人称が“わたし”なんですよ。歌詞を読んだ時、風男塾ってこれまで硬派なところ、カッコいいところを魅せてきたので正直戸惑いました。どんな気持で「わたし」を歌えばいんだろうって。

――たしかに、解釈が難しそう……。
瀬斗光黄:はい。「可愛らしくなりすぎないで」というディレクションもあったのでより悩みました。それで、自分なりに考えて「きっとこれは、応援してくださっている女の子のことだ」と思ったんです。クリスマスソングでもあるので、ファンの方にとってサンタクロースでもありたいですし、そういう思いを込めながらカッコよく、可愛らしく歌うようにしました。
愛刃健水:「Caramel Popcorn」もどうしようって戸惑いました(笑)。これまでもキラキラしたり元気な曲は歌ってきましたが、それとも違っていて明らかに可愛らしい曲調だったので。
――「可愛く、カッコよく」というオーダーに対して「ムチャ振りかよ」と思ったりも?
愛刃健水:あはははは。まさにその通りですね。
瀬斗光黄:(笑)。チャレンジも多かったですが、新しい曲調や新しい声が入ることで、11年目にして新しい風が吹いてるんだなって実感します。「最高シャウト!」も風男塾らしい元気な曲ですが、エレクトロなサウンド感は新しいんです。ライブで栄えそうだなって。曲のバリエーションが増えることでライブの見せ方も多彩になると思うと嬉しいですね。

――「最高シャウト!」は曲調から察するに、ダンスが大変そうな予感が。
愛刃健水:それだけが恐怖です(笑)。曲を聴く限りでは、その予感大で……。
瀬斗光黄:健水くんと来音くんが「ダンス先生」なので、頼りにしてます! 2人が代表してバリバリ踊ってくれるはず(笑)。
仮屋世来音:全員で頑張ろうよ~(笑)。光黄くんは、きっと(ミュージックビデオの)監督をやってくれるんじゃないかな~。
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