
阪本奨悟のワンマンツアー『2018 SPROUT~綿毛の宴~』の追加公演が9月29日、ラフォーレミュージアム原宿で開催された。同公演は1stアルバム「FLUFFY HOPE」を引っ提げて、8月4日の大阪を皮切りに、8月25日に愛知、9月1日に東京と東名阪を巡ってきた。

兵庫県西宮市出身のシンガーソングライター・阪本奨悟。過去にミュージカル「テニスの王子様」やNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」に出演し、役者として期待されるも、音楽への強い思いからミュージシャンの道を選び、東京を離れ、地元兵庫にて単身音楽活動を開始。2年間の自主活動を経て、2014年シンガーソングライターとして東京での活動を再開し、2017年5月に両A面シングル「鼻声/しょっぱい涙」でメジャーデビューを果たす。俳優としても2018年3月よりミュージカル『刀剣乱舞〜結びの響、始まりの音〜』に堀川国広役で出演するなど、幅広く活躍しているアーティストだ。
少し変わった経歴の持ち主だが、役者を辞め、単身で音楽活動をしていただけあって、その実力は注目に値するものだった。会場が暗転し、エド・シーランの「Castle On The Hill」のアップテンポなリズムでバンド隊がスタンバイ。そして、阪本が両手を高く挙げ、満面の笑みでステージに登場した。『ファイナル公演、楽しんでいきましょうかー!』と告げると、「夏のビーナス」からライブがスタート。続く「しょっぱい涙」では熱い眼差しを客席に向け、会場の端まで伸びる様な歌声で力強く歌いあげた。この日の天候が雨ということで、『次の曲でみなさんが帰る頃には晴れている、という願いを込めて……』と披露された「I Never Worry_~虹の向こうへ」。同ツアーを経て絆が深まったというバンド隊と阪本のアンサンブルで会場を魅了した。


中盤では「オセロ」「カラカラな心」を届け、会場の熱気が高まったところで『こんな綺麗な景色が見れるとは思っていなかったです。本当にありがとうございます。話は変わりますが……皆さん恋してますか? 』と今回初披露となる楽曲「下手くそなLOVE SONG」をパフォーマンス。阪本から届けられるラブソングに、うっとりするオーディエンスの姿が印象的だった。爽やかな「Please me!!」から後半戦が始まり、続けてMBS/TBSドラマイズム『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』のエンディングテーマとなった「自分らしく生きていたい それだけなんだけど」を披露。観客とともにタオルを全力で回しながら「人生のピーク」を届け、「bloom ~心の花~」で明日への希望を込めて歌い上げ、本編を締めくくった。

アンコールでは、インディーズの頃から歌っている「アスファルトに咲く花」、そしてデビュー曲の「鼻声」を披露。ありったけの力を振り絞って歌い、時折声がかすれる場面も見られたが、彼のその一生懸命に曲を届けようとする姿に心を打たれたオーディエンスも少なくないだろう。また、終盤のMCで語ったことに彼自身が伝えたい想いと、そしてリスナーへの愛が詰まっていたと思う。最後に紹介したい。
『アルバムをリリースすることも初めてで。元々は家で一人で作って、聞いていた楽曲をこうやって歌ってくれる方がいるというのが本当に嬉しい限りなんです。
<セットリスト>
1. 夏のビーナス
2. しょっぱい涙
3. I Never Worry ~虹の向こうへ~
4. オセロ
5. カラカラな心
6. 下手くそなLOVE SONG
7. Treasure
8. 会いたくて
9. スクランブルドリーミング
10. Please me!!
11. 自分らしく生きていたい それだけなんだけど
12. 人生のピーク
13. bloom ~心の花~
アンコール
14. アスファルトに咲く花
15. 鼻声