撮影/キムラタカヒロ
HYDE/10月24日にシングル『FAKE DIVINE』をリリース
2018年に入り、12年ぶりにソロ活動を再開し、早くも第三弾シングル『FAKE DIVINE』を10月24日にリリースしたHYDE。表題曲やカップリングの「監獄ROCK」(映画『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』主題歌「人類滅亡の歓び」のHYDEバージョン)などを披露したツアー『HYDE LIVE 2018』の追加公演のうち、Zepp Tokyo8Daysにサポート・アクトとして出演したアメリカのロックバンドSTARSETとの対談をお届けする。
STARSETは、フロントマンのダスティン・ベイツ以外は宇宙服を着用し、自らをシネマティック・ロックバンドと称する異色の存在。固有の美意識に基づく音楽表現、ステージ演出を強みとする点は、HYDEとも共通しているように思う。8Daysの公演期間中にこのインタビューは行われ、我々は対談取材のトップバッターだった。本文中にもあるように、STARSETは初来日を満喫しており、ライヴの合間を縫って富士山登山を敢行。それを知ったHYDEが「STARSETは元気がいい」と感心し、9月7日(金)公演のMCで「俺が登った時は2日ぐらい寝てたからね(笑)」と語っていた旨を、ほんの一足先に取材ルームにやって来たSTARSETに伝えると、全員爆笑。インタビュー開始前はどんなムードになるのか全く予想がつかなかったが、冒頭の挨拶から最後のコメント撮影に至るまで、終始笑いに溢れ、お互いへのリスペクトが感じられる和やかな場となった。
(取材・文/大前多恵)
HYDEは今まで僕らをサポート・アクトに迎えてくれた中で、一番、優しいホスト(ダスティン)
――9月7日(金)のHYDEさんのライヴ、サポート・アクトのSTARSETの皆さんのライヴ、いずれも素晴らしいショウで、感動しました。
HYDE:ありがとうございます。
STARSET:Thank you!
――アメリカでの共演経験を経て、今回は日本でご一緒され、お互いの印象はどう変わりましたか?
HYDE:初めて会ったのはフロリダのフェスだったと思うんだけど、たしか『ウェルカム・トゥ・ロックビル』だったかな?
ダスティン・ベイツ(Vo,Key):うん。
HYDE:その時に宇宙服を着てるのを見て(笑)。「わ~、なんかクレイジー、すごい!」と思ったんだよね。最初はそのインパクトが大きかったんだけど、後からちゃんと聞いてみたら「音楽もすごくカッコいい」と気が付いて、それから大ファンになりました。
前回のツアー(※2017年、I PREVAILとSTARSETのU.S.ツアーに、HYDEはVAMPSとして参加)を一緒に回ったので、僕は何回か彼らのライヴを観ていたけど、演出がすごくカッコよかった。今回はそれを間近で目の当たりにして、感動しました。
ダスティン:ありがとう(と流暢な日本語で)。
HYDE:(たどたどしく)アリガト!(笑)
ダスティン:アメリカでのツアーの時はかなり忙しかったこともあって、断片的にしかお互い観ることができなかったし、ショウもお互いにフルにはできなかったんだけれども。
HYDE:そうだったよね。
ダスティン:一緒に遊びに出かける機会もあまりない、というとにかく時間がない状況で。だから、今回改めて初めてHYDEのショウをしっかりと観て、本当にぶっ飛んだ。信じられないぐらい素晴らしかったよ。それに、驚くぐらい親切にしてもらって。
HYDE:ふふふ。
撮影/キムラタカヒロ
ダスティン:たぶん、今まで僕らをサポート・アクトに迎えてくれた中で、一番、優しいホストだと思います。
HYDE:(笑)。
アリガト!
アダム・ギルバート(Dr):初めて日本へ来て、本当に温かく迎えてもらえていてうれしいし、もうすでに「歓迎されているな」という実感は持ってるけど、“次”が今から楽しみで。
HYDE:お~!
アダム:だから、HYDEとSTARSETというバンドとしてだけじゃなくて、人間同士としても、友情関係はまだこれが始まりでしかないぞ、と期待しているんだ。
ロン・デシャント(Ba):アダムと同じ話になるけど、こうやってHYDEから示してもらった友情に感謝しているし、今回初めての日本で、これほどの演出をさせてもらったということにもとても感謝してる。でも、「次はもっと見せたいぞ!」という気持ちにはなっているよ。
ブロック・リチャーズ(Gt):僕もやっぱり、日本の皆さんに本当に歓迎してもらったし、みんなすごく礼儀正しいと感じたし、「僕らにもファンがいるんだな」ということが分かったのもうれしかった。HYDEのショウの照明の使い方にもすごく圧倒されたね。
HYDE:ふぅ~ん、そうなんだ? ありがとう。
――「Monster」はSTARSETの皆さんの世界的なヒット曲ですが、HYDEさんを迎えたヴァージョン(「Monster feat. HYDE」/STARSETの『ヴェッセルズ』配信アルバムJapanese Versionボーナス・トラック)には、また違った味わいが生まれています。HYDEさんは原曲をどう捉え、どのように表現しようと思われましたか? また、STARSETの皆さんは仕上がりを聴いてどう思われましたか?
HYDE:まず、「何の曲を一緒にやろうか?」という話になったんだよね。
――そこからのスタートだったんですね。
HYDE:そう。まぁ、新しいアルバム(『Vessels』)から「Monster」をやるのがいいんじゃないか?という話に結局なって。
僕としては、やっぱりダスティンはすごくカッコいいヴォーカルだから、「真似したら絶対負ける」と思ったので(笑)、「何か違う雰囲気で歌えたらいいなぁ」と思って。自分にできる限りのことをやりました。
――曲の世界観についてはどう思われましたか?
HYDE:結構細かく聴けるので、「あ、ここはこういうふうに編集してるんだ!」とか(笑)、そういうところを知ることのほうが楽しかったかな。自分たちにないメロディーだからすごく勉強になったし、雰囲気がカッコいい曲だな、と思った。
ダスティン:僕は聴いてすごく感心したし、この曲のテーマである“2人のモンスターの会話”みたいな部分が、HYDEが入ってくれたことによって強調されたかな、と思うよ。
HYDE:あぁ、なるほどね。
ダスティン:でも、僕らの立場からしたらとにかくHYDEに歌ってもらえけただけで、ものすごく光栄でした!
ロン:一緒に歌ってくれて本当に良かったし、HYDEの優しさを感じたよね。前座のステージに出てきて歌ってくれるなんて、信じられないぐらいうれしかった! 自分たちが今まで聴き馴染んでいたヴァージョンとは、HYDEが入ってくれたことでやっぱり歌の雰囲気が変わったな、というのはステージで演奏していても思った。それに、HYDEが出て来た途端すごい盛り上がりになったお客さんの反応もうれしかったし。「Monster」という曲のまた違う世界観を見せてくれた、ということにとても感謝しているよ。
HYDE:Thank you!
――【HYDE×STARSET】日米盟友対談<後編>へ
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