
JUJUが10月10日の「JUJUの日」に日本武道館で行ったライブの模様をWOWOWが12月23日に放送する。放送を前に実施されたJUJU本人へのインタビューをお届けする。
“自分”がテーマの特別なアルバム『I』、ジャズ、そしてファンへの感謝を込めて――。
JUJUの日アリーナ公演WOWOWスペシャルインタビュー
――10月10日「JUJUの日」に日本武道館で開催された「-15th ANNIVERSARY- JUJU TOUR 2018『I』ARENA追加公演」で、長かったツアーのファイナルを迎えられたお気持ちは?
JUJU:「また(ツアーが始まった)4月に戻りたい!」というのが率直な感想です。初日から1つ残らずもう一度回りたいと思うくらい楽しいツアーでした。
――何がそこまでJUJUさんをワクワクさせたのでしょう?
JUJU:ツアーの元になっているアルバム『I』は、今までで一番好きな作品になったことが大きいです。これまでは、新作のツアーであっても収録曲で何曲かやらなかったこともあるのですが、今回は余すところなくやりたいと思いました。アルバムを軸にするというコンセプトがしっかりしていたので、ライブの構成も作りやすかったですね。
――ロングツアーの合間に、テレビのお仕事でロンドンへ行かれたりも。体調面などは大丈夫でしたか?
JUJU:めまぐるしかったですが、ロンドンでの経験はとても楽しかったので心身の負担になりませんでした。むしろ、3泊5日で世界中のどこにでもいけるんだってことが発見できました(笑)。スケジュール的には、福島公演→ロンドン→山形公演という感じだったので、この話を友達などにしたら「ロンドンって東北にあるの?」って茶化されました(笑)。

――いつも笑顔で元気なJUJUさんらしいエピソーですね(笑)。ところで、これまで「JUJUの日」は単独でスペシャルライブをする印象でした。
JUJU:一番は、さっきもお話ししたようにアルバム『I』のホールツアーが素晴らしかったからです。もちろんホールライブの良さもありますが、アリーナの規模感だからできることがあるんです。同じ楽曲でも、また違った魅せ方ができるのがアリーナライブのいいところで、それは観る方もやっている側もワクワクするものだと思うんです。以前、ベストアルバムをリリースした際もホールツアー後に、アリーナも回らせていただいたんですが、それがすごく楽しくて充実感があったんですね。本音を言えば、毎回アルバムを出すごとにアリーナライブをやりたいくらいですが、今回のアルバムはJUJUにとって特別なものだから、その集大成としてアリーナでもライブをしたいと思ったんです。
――具体的にどんなところをよりパワーアップしたのですか?
JUJU:ホーンセクションを増やしてよりサウンドをゴージャスにしたことも1つです。ホールであんなにたくさんバンドメンバーがいたら、きっとステージに乗り切れませんから(笑)。他にも、単純に会場が広がることでレーザーだったり照明の数も増やせますし……、あとはわかりやすいところでいうと、キャノン砲でしょうか(笑)。

――ライブ終盤で使うことが多いキャノン砲を、序盤で打ち上げたのでびっくりしました(笑)。
JUJU:そうそう(笑)。3曲目でしたから、不意を突かれて驚いたお客さんも多かったみたいですね。ライブ終盤の演出では、紙飛行機を天井からたくさん飛ばしたいということが頭にあったので、ああいう形になりました。
――ハート型の紙飛行機が舞い降りる様は、多幸感に溢れる光景でした。ちなみに、前半の華麗なダンスパートも見所だと思うのですが、高いヒールでよく踊れるなと。
JUJU:お褒めいただき、ありがとうございます。「振り付けって楽しいな」と思いながら歌い、踊っていましたね。ニューヨーク時代にクラブに通っていた私としては、血が騒ぐというか、「踊らにゃソン、損」って感じです(笑)。
――中盤のジャズセクションも、かなりこだわったのではありませんか?
JUJU:はい。今回のツアーは『I』、自分がテーマでもあるのでジャズは外せないなと思っていました。ジャズは私にとって重要な部分を占めるもので、ジャズがなければ私は今ここにいませんから。近年は夏にジャズクラブ「Blue Note Tokyo」でライブをやらせてもらっているんですが、チケットが取れないと嘆きの声をいただくことも多くて。そういう要望にもお応えしたいなと思いました。また、全国をツアーなどで回らせていただく中で、ジャズクラブが身近にない地域もあると思っていたんです。日頃、ジャズに接する機会がなかなかない方にも届けたれたらいいなという気持ちもありましたね。
――JUJUさんがジャズを歌うことで、身近に感じるようになった人は多いと思いますよ。
JUJU:そうだったら嬉しいですね。なぜか、ジャズって難しい音楽というイメージを持つ人も少ないのですが、元々はダンスミュージックだったり、とても庶民的な音楽なんです。なおかつ、ジャズほど「非日常」を味わえる音楽もないのかなって。私は、「ジャズクラブは何を着て行ってもOKな場所」という捉え方をしているんですね。クラシックのコンサートもそうですが、大人が思い切りドレスアップして行ける数少ない場所なのかなって。だから尾長鶏のようにトレーンを引きずるドレスを着て行ったとしても許されますからね(笑)。
――サプライズゲストで、お友達で女優の吉田羊さんが登場しましたね?
JUJU:いつか、「ステージ上で共演できたらいいな」とずっと思っていたので、実現できて本当に嬉しかったですね。羊さんが出てくるやいなや、かなり早い段階で会場のお客様がどよめいたので、内心「早すぎる」ってびっくりしていました(笑)。私が黒、羊さんが真っ白の衣装だったので、余計に羊さんが神々しく見えました。胸元がセクシーで、ドキっとしました(笑)。
――デュエットされた「かわいそうだよね with HITSUJI」は、大人の女性には深く刺さる楽曲ですね?
JUJU:痛いですよね、とても。ホールで私1人で歌っていたときは、終わっても身動きができないという感じで、すぐには拍手が起きなかったんですよ。でも、武道館では2人で歌ったことで普段より少し優しい歌になったんじゃないかなって思います。

――華やかな演出の一方、手書きで歌詞を書いた字幕がスクリーンに映し出されるなど、心のこもった魅せ方も随所に見受けられましたね。
JUJU:今回のホールツアーでは映像や演出を褒めていただくことが多かったので、アリーナでさらに魅力的にしてお届けしたかったんです。ああやって武道館に立てたのも、15年という歳月ずっと応援してくださる皆さんがいるからなんですよね。その思いを伝えるために、ライブのMCでもお話ししましたが、アルバムにラブレターを偲ばせるという思いでタイトル曲『I』を作りました。アンコールで歌った「YOU」は、なんていうか、もうあの歌詞そのままなんです。アリーナでライブをすることになって改めて思いを伝えたいと思い、最後の曲の「YOU」も手書きの歌詞にさせていただきました。
――JUJUさんから、放送をご覧になる方へより楽しむためのアドバイスをいただけますか?
JUJU:部屋は暗くして、大音量で観ていただくとライブ会場の臨場感が味わえるんじゃないでしょうか。大人の方は、お酒も傍らにあるとより世界に入ることができると思います。終わってしまうのが悲しくなるくらい楽しかったツアーなので、それが映像で残っていることは、私が15年続いてきたのと同じくらい奇跡的なことだと思うんです。
――力強いお言葉、ありがとうございます! では最後に、武道館ライブで幕が開けた15周年やその先の展望、目標は?
JUJU:まず、すでに始まっている15周年のアニバーサリーは、JUJUをここまで連れて来てくださったファンの皆様への“大感謝祭”な1年にしたいですね。個人的な目標というと、以前、ウェイン・ショーターさん(ジャズのテナーサックス・ソプラノサックス奏者)と対談させていただいたとき、ごく控えめに「いつかコラボできたら嬉しい」と伝えたんです。JUJUという名前の元になっている方ですし、実現したらさらに夢が1つ叶いますね。
(取材・文/橘川有子)

≪番組情報≫
WOWOW
『-15th ANNIVERSARY- JUJU TOUR 2018「I」 at 日本武道館』
12月23日(日・祝)よる9:30[WOWOWライブ]
収録日・収録場所:2018年10月10日/日本武道館
番組サイト:https://www.wowow.co.jp/juju/
※関連番組※
『JUJU SUPER LIVE 2014 -ジュジュ苑 10th Anniversary Special-』
12月22日(土)よる6:45[WOWOWプライム] ※無料放送
収録日・収録場所:2014年10月12日/さいたまスーパーアリーナ