先週、17年ぶりにナンバーガールが再結成することが発表された。日本各地のロックファンが「俺たちの青春が帰ってきた!」と狂喜乱舞していることかと思うが、私もそのひとりである。
「バンドの解散とプロレスラーの引退は信用するな」といわれるが、ナンバーガールのように多くのファンに惜しまれつつも幕を閉じたバンドが、数年後に何事もなかったかのように活動再開することは実際多い。記憶に新しいところで言えば、2017年のKICK THE CAN CREWや昨年のELLEGARDEN、そして今年2月より本格再始動したthe telephonesなどが挙がるだろう。
あらかじめ前置きをしておくと、the telephonesとは、類を見ないダンスチューンで邦楽ロック界を席巻していたロックバンドで、2015年のさいたまスーパーアリーナでのライブを最後に、惜しまれつつ無期限活動休止に入った……はずだったのだが、今年は「メジャーデビュー10周年」ということで、一時的に活動を再開するとのことである。
ちなみに、the telephonesは2018年にも一時活動再開と称してVIVA LA ROCKに出演しており、かなり精力的な無期限活動中止の状態である。ゆえに、1ファンとしては「実は哀しむ必要なかったのでは…?」という疑惑もあるのだが、それでもライブを行ってくれるのはやはり嬉しいものなので、今回はメジャーデビュー10周年のお祝いも込めて、the telephonesにまつわるデータを見ていきたい。
いきなり本題に入るのだが、the telephonesといえばDISCOであり、DISCOといえばthe telephonesである。ファンでない方には理解しがたいかもしれないが、彼らは曲のほとんどでDISCOと絶叫しており、DISCOと叫ぶことを主たるバンドのアイデンティティとしている(※なお、ライブはディスコではなく通常のライブハウスで行っている)。
では、そんな彼らが、実際にDISCOと叫んでいる曲はどれくらいあるのだろうか?というわけで、まずは歌詞に「DISCO」と入っている曲の割合を見てみよう。
DISCOと叫ぶ:15.2%
DISCOと叫ばない:84.8%
意外にも「DISCO」の割合は約15%という低い数字だ(※ただ低いといいつつ、おそらく日本で一番高い可能性も否定できない)。個人的にはほぼ全曲で叫んでいる印象があったのだが、さすがというべきか当然というべきか、DISCO以外にも多くのテーマの楽曲があるようである。
では、そんな数少ない(多い?)DISCOの曲の中で、最もDISCOと連呼している曲をランキングにして出してみたのが以下である。
DISCO AGE MONSTERS:48回
Keep Your DISCO!!!:18回
Say DISCO:15回
D.E.N.W.A、Romantic Disco:12回
I Hate DISCOOOOOOO!!! :7回
Love&DISCO、Thank You DISCO!!!:6回
Monkey Discooooooo:5回
oh my DISCO!!!:4回
最も多かったのは3rd Album「ROCK KINGDOM」収録の「DISCO AGE MONSTERS」。なんと3分41秒間の中で48回もDISCOと叫ぶという、正真正銘のディスコ・チューンだ。
またストレートなタイトルが目を引く「I Hate DISCOOOOOOO!!!」(意訳:私はディスコが嫌いだああああああ!!!)は、その名に反してランキング5位と高順位につけている。かわいさ余って憎さ百倍とでも言うべきなのか、倒錯した愛情が透けてみえる曲と言えるだろう。
では続いて、the telephonesのファンであれば誰もが感じたことのあるアノ問題を見てみよう。そう、ずばり「曲名で同じ単語を3回繰り返しすぎ問題」である。
どういうことか疑問に思う方もいると思うので、これについてはずばり結果の表を見てみよう。
Baby,Baby,Baby
DaDaDa
Fire, Fire, Fire
Hallelujah,Hallelujah,Hallelujah
happiness,happiness,happiness
Shit! Shit!! Shit!!!
swim, swim, swim
Yeah Yeah Yeah
そう、the telephonesの曲はむやみに「同じ単語を繰り返す曲名」が多いのである。詳しい理由はわからないが、大事なことなので何度も叫んでくれているのだろうと個人的には解釈している。
ちなみに、この傾向は何も曲名に限ったことではなく、歌詞も「繰り返し」が非常に多く見受けられる。ゆえに比較的、歌詞が覚えやすいバンドのひとつだと思うので、10周年ツアーに行かれる方はぜひ予習をして楽しんでいただければと思う。
一度でもthe telephonesのライブを観たことがある方であれば「いくらなんでもメンバー踊りすぎでは?」というささやかな疑問にぶつかるだろう。
特にシンセサイザーを担当している岡本伸明(以下:ノブ)の動きは凄まじい。「すさまじい」はさすがに言いすぎなようにも聞こえるが、実際「すさまじい」という単語以外は個人的に適切でないと思っている。
※なお、今回はYouTubeで公開されているMV22本(他バンド含む)を対象とし、ソロ・集団を問わずにシーン内でノブが踊っている秒数のみをカウントしている。
I Hate DISCOOOOOOO!!!:66.42%/176秒
Odoru〜朝が来ても〜:48.18%/185秒
something good:36.60%/97秒
VANISH:26.38%/62秒
Yeah Yeah Yeah:19.89%/37秒
1位に輝いたのは「I Hate DISCOOOOOOO!!!」。MVのうち66%以上がノブの踊るシーンで構成されているというMVである。あまりにも踊りすぎて息切れすら起こしているのだが、そのシーンもカットすることなく収められており、「こんなに頑張って踊っている人がいるんだから、私ももっと頑張ろう」という気持ちにさせられるMVだ。もし観たことがない方がいれば、これを機にぜひ視聴してみて欲しいと思う。
また、4位につけたのはオルタナティブ・ロックバンドのストレイテナーによるセルフカバーアルバム「STOUT」収録の楽曲「VANISH」。ストレイテナーのオリジナルソングでありながら、全編通して(なぜか)ノブが踊るという、ストレイテナーとthe telephonesの遊び心が見え隠れする1曲である。20代邦楽ロックファンを狙い打ちしたMVとも言えるので、ぜひ2010年代初頭を懐かしみつつ、楽しんで欲しい。
というわけで、今回の調査はここまでである。活動休止をしているバンドは、どうしても話題に上りにくくなってしまうが、10周年のようなメモリアルイヤーをきっかけに、ささやかながらファンが盛り上がることができれば個人的には嬉しいと思う。the telephonesメジャーデビュー10周年、心からおめでとうございます。
■まいしろ
社会の荒波から逃げ回ってる意識低めのエンタメ系マーケターです。音楽の分析記事・エンタメ業界のことをよく書きます。
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「バンドの解散とプロレスラーの引退は信用するな」といわれるが、ナンバーガールのように多くのファンに惜しまれつつも幕を閉じたバンドが、数年後に何事もなかったかのように活動再開することは実際多い。記憶に新しいところで言えば、2017年のKICK THE CAN CREWや昨年のELLEGARDEN、そして今年2月より本格再始動したthe telephonesなどが挙がるだろう。
あらかじめ前置きをしておくと、the telephonesとは、類を見ないダンスチューンで邦楽ロック界を席巻していたロックバンドで、2015年のさいたまスーパーアリーナでのライブを最後に、惜しまれつつ無期限活動休止に入った……はずだったのだが、今年は「メジャーデビュー10周年」ということで、一時的に活動を再開するとのことである。
ちなみに、the telephonesは2018年にも一時活動再開と称してVIVA LA ROCKに出演しており、かなり精力的な無期限活動中止の状態である。ゆえに、1ファンとしては「実は哀しむ必要なかったのでは…?」という疑惑もあるのだが、それでもライブを行ってくれるのはやはり嬉しいものなので、今回はメジャーデビュー10周年のお祝いも込めて、the telephonesにまつわるデータを見ていきたい。
the telephonesの曲のうち、最もDiscoooooooしているのはどの曲か
いきなり本題に入るのだが、the telephonesといえばDISCOであり、DISCOといえばthe telephonesである。ファンでない方には理解しがたいかもしれないが、彼らは曲のほとんどでDISCOと絶叫しており、DISCOと叫ぶことを主たるバンドのアイデンティティとしている(※なお、ライブはディスコではなく通常のライブハウスで行っている)。
では、そんな彼らが、実際にDISCOと叫んでいる曲はどれくらいあるのだろうか?というわけで、まずは歌詞に「DISCO」と入っている曲の割合を見てみよう。

the telephonesの楽曲のうち、DISCOと叫んでいる曲は何%なのか?(C)エキサイトミュージック
DISCOと叫ぶ:15.2%
DISCOと叫ばない:84.8%
意外にも「DISCO」の割合は約15%という低い数字だ(※ただ低いといいつつ、おそらく日本で一番高い可能性も否定できない)。個人的にはほぼ全曲で叫んでいる印象があったのだが、さすがというべきか当然というべきか、DISCO以外にも多くのテーマの楽曲があるようである。
では、そんな数少ない(多い?)DISCOの曲の中で、最もDISCOと連呼している曲をランキングにして出してみたのが以下である。

the telephonesの楽曲のうち、DISCOと叫んでいる回数が多い曲はどれか?(C)エキサイトミュージック
DISCO AGE MONSTERS:48回
Keep Your DISCO!!!:18回
Say DISCO:15回
D.E.N.W.A、Romantic Disco:12回
I Hate DISCOOOOOOO!!! :7回
Love&DISCO、Thank You DISCO!!!:6回
Monkey Discooooooo:5回
oh my DISCO!!!:4回
最も多かったのは3rd Album「ROCK KINGDOM」収録の「DISCO AGE MONSTERS」。なんと3分41秒間の中で48回もDISCOと叫ぶという、正真正銘のディスコ・チューンだ。
ぜひ皆様も「あ~今日は48回ぐらいDISCOって叫びたいな~」と思ったときはこの曲を口ずさむことをオススメしたい。
またストレートなタイトルが目を引く「I Hate DISCOOOOOOO!!!」(意訳:私はディスコが嫌いだああああああ!!!)は、その名に反してランキング5位と高順位につけている。かわいさ余って憎さ百倍とでも言うべきなのか、倒錯した愛情が透けてみえる曲と言えるだろう。
the telephones、同じ単語を繰り返している曲名多すぎ問題
では続いて、the telephonesのファンであれば誰もが感じたことのあるアノ問題を見てみよう。そう、ずばり「曲名で同じ単語を3回繰り返しすぎ問題」である。
どういうことか疑問に思う方もいると思うので、これについてはずばり結果の表を見てみよう。

the telephonesの楽曲のうち、曲名で同じ単語を3回繰り返している曲一覧(C)エキサイトミュージック
Baby,Baby,Baby
DaDaDa
Fire, Fire, Fire
Hallelujah,Hallelujah,Hallelujah
happiness,happiness,happiness
Shit! Shit!! Shit!!!
swim, swim, swim
Yeah Yeah Yeah
そう、the telephonesの曲はむやみに「同じ単語を繰り返す曲名」が多いのである。詳しい理由はわからないが、大事なことなので何度も叫んでくれているのだろうと個人的には解釈している。
ちなみに、この傾向は何も曲名に限ったことではなく、歌詞も「繰り返し」が非常に多く見受けられる。ゆえに比較的、歌詞が覚えやすいバンドのひとつだと思うので、10周年ツアーに行かれる方はぜひ予習をして楽しんでいただければと思う。
the telephones、メンバーが踊りすぎ問題
一度でもthe telephonesのライブを観たことがある方であれば「いくらなんでもメンバー踊りすぎでは?」というささやかな疑問にぶつかるだろう。
特にシンセサイザーを担当している岡本伸明(以下:ノブ)の動きは凄まじい。「すさまじい」はさすがに言いすぎなようにも聞こえるが、実際「すさまじい」という単語以外は個人的に適切でないと思っている。
ゆえに、この記事の最後は「the telephonesのMusic Video(以下、MV)の中で、最もノブが踊っている曲はどれか」で締めくくりたいと思う。
※なお、今回はYouTubeで公開されているMV22本(他バンド含む)を対象とし、ソロ・集団を問わずにシーン内でノブが踊っている秒数のみをカウントしている。

the telephonesのPV(MV)の中で、最もノブが踊っている曲はどれか(C)エキサイトミュージック
I Hate DISCOOOOOOO!!!:66.42%/176秒
Odoru〜朝が来ても〜:48.18%/185秒
something good:36.60%/97秒
VANISH:26.38%/62秒
Yeah Yeah Yeah:19.89%/37秒
1位に輝いたのは「I Hate DISCOOOOOOO!!!」。MVのうち66%以上がノブの踊るシーンで構成されているというMVである。あまりにも踊りすぎて息切れすら起こしているのだが、そのシーンもカットすることなく収められており、「こんなに頑張って踊っている人がいるんだから、私ももっと頑張ろう」という気持ちにさせられるMVだ。もし観たことがない方がいれば、これを機にぜひ視聴してみて欲しいと思う。
また、4位につけたのはオルタナティブ・ロックバンドのストレイテナーによるセルフカバーアルバム「STOUT」収録の楽曲「VANISH」。ストレイテナーのオリジナルソングでありながら、全編通して(なぜか)ノブが踊るという、ストレイテナーとthe telephonesの遊び心が見え隠れする1曲である。20代邦楽ロックファンを狙い打ちしたMVとも言えるので、ぜひ2010年代初頭を懐かしみつつ、楽しんで欲しい。
というわけで、今回の調査はここまでである。活動休止をしているバンドは、どうしても話題に上りにくくなってしまうが、10周年のようなメモリアルイヤーをきっかけに、ささやかながらファンが盛り上がることができれば個人的には嬉しいと思う。the telephonesメジャーデビュー10周年、心からおめでとうございます。
■まいしろ
社会の荒波から逃げ回ってる意識低めのエンタメ系マーケターです。音楽の分析記事・エンタメ業界のことをよく書きます。
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