
12月21日にメジャーデビュー25周年を迎えるゴスペラーズ。アニバーサリーイヤーを彩るプロジェクトの第一弾として、3月20日に初のトリビュートアルバム『The Gospellers 25th Anniversary tribute 「BOYS meet HARMONY」』をリリース。
ステージは、ゴスペラーズがアカペラのアッパーチューン「Gospeller's Theme」を歌いながら1人ずつ姿を現す演出でスタート。5人の歌にのせて、この日の出演アーティストを紹介していった。UNIONE、FlowBack、COLOR CREATION、XOX(キスハグキス)、SIRUP、SOLIDEMO、大野雄大(from Da-iCE)の順番で登場し、全員がズラリとステージに並んだ。村上てつやが叫ぶ。
「BOYS meet HARMONYオールスターズ!」
総勢36名のが揃う壮観な光景がステージに広がった。
イベントのトップバッターを務めたのは、ヴォーカルグループのCOLOR CREATION。ブライトなアップチューン「Blue Star」では、途中客席に向かい「ゴスペラーズさんをお祝いする人手を上げて! ハイ!」と観客を巻き込み、会場中がスルーハンズとなった。
続いて「レーベル(キューンミュージック)の大先輩、ゴスペラーズさんの顔に泥を塗らないように、きばっていきますんで、よろしくお願いします」という言葉とともに、ダンス&ヴォーカルグループFlowBackがステージへ。緩急あるシャープなダンスと動静あるヴォーカルワークを武器に、メリハリあるパフォーマンスを披露した。
「ソロだけど、みんな俺とユニット組んでな」と、登場したのはSIRUP。クールでチルなビート、低音がフロウする艶っぽい声でZepp DiverCityを深い夜に誘う。



ヴォーカルグループUNIONEは、1曲目の「FREAKY」でマイクスタンドを使いヴォーカルグループらしさを印象付けた。カバー曲「熱帯夜」と、アップチューンの新曲「アマンテ」を続けて披露したが、両曲、ラテンフレーバーをうまく使ったアプローチに、このグループの音楽的な自由度を感じた。
ダンス&ヴォーカル・グループXOXがステージへ。アッパーチューンでも、メンバーごとの声の違いや、歌のニュアンスの違いわかる歌力。MCでは、ステージバックに吊るされていた“ゴスペラーズの25周年ロゴ”を見つけ、「シルエットだけでゴスペラーズさんはわかるよね、すごいよね、今日はありがとうございます」と、ロゴに向かい一礼というナチュラルボーンキュートな姿も披露。カバー曲に「月光」を選んだのは、メインボーカルの安井一真が、まだ専門学校生だった頃にカバーした曲だったから、というエピソードも印象的だった。
8人組、しかも高身長メンバーが揃ったSOLIDEMOが登場。MCでゴスペラーズの物真似をしていることに触れ、「この場をお借りして謝罪させていただきます」と会場を爆笑させた。彼らがカバーしたのは「星屑の街」。アカペラ曲に繊細なバックトラックをつけたアレンジが、楽曲の世界観を広げていた。
全曲、バラードで挑んだのは、ソロデビューアルバムの発売が控える大野雄大(from Da-iCE)。




そして、いよいよゴスペラーズのステージがスタート。5人が最初に放ったのは、アカペラ「ひとり」。続いて「SING!!!!!」。ゴスペラーズ史上、最高速のアッパーチューンに、観客のテンションも上がっていく。最新シングル「In This Room」の後は、ソウルフルなナンバー「1, 2, 3, for 5」。
終わるとメンバー1人ずつ挨拶。「デビュー当時はヴォーカルグループがいなかった、それがこんなに仲間が増えたことが嬉しい」と黒沢 薫。観客に「みんなの気持ちを代弁します――●(ハート)がいくつあっても足りない!」と始めた安岡 優は「好きがいくつあってもいい。その好きは、同じ音楽の元に産まれた兄弟だから」とロマンチックにまとめ、会場から喝采をさらった。
「音楽を志した者たちが、できるだけ長く歌い続けてほしい、奏で続けてほしいと思ってます。だからゴスペラーズも、これからもずっと歌い続けていくことを約束します」
この言葉を受けて歌われたのは、メジャーデビュー曲の「Promise」だった。

アンコールでは、大野のライブに登場した花村も加え、総勢37名のヴォーカリストがステージに並んだ。それぞれがカバーした曲をゴスペラーズと一緒に歌うというスペシャル企画「BOYS meet HARMONY スペシャルメドレー」へ。「ミモザ」「月光」の後、「新大阪」。この曲で、村上が、大野と花村の間から、スッと顔を出して歌い始めるという荒業に近いアドリブを決行。
黒沢とSIRUPのユニゾンで始まった「永遠(とわ)に」では、ゴスペラーズとSIRUP以外のアーティストたちが、口ずさんでいるのが見えた。サビを合計10人で歌うという圧巻のシーンが印象的だった「星降る夜のシンフォニー」。続く「熱帯夜」では、後半の ♪baby baby baby baby…♪ で、ステージも客席も大合唱となった。ステージと観客が曲に合わせてスルーハンズした「星屑の街」。ゴスペラーズのライブにはなかった、楽曲の新しい表情だった。最後はゴスペラーズだけでのアカペラに繋げる。ステージ上のアーティスト全員が、ステージ中央にいる5人をのぞき込むようにして、ハーモニーに聴き入っていた。
スペシャルメドレーが終わった後、ステージ上で思わずガッツポーズをとる人がアーティストが何人もいた。観客も声援と拍手を送り続けていた。
「一生の記念になるライブを、皆さん、どうもありがとうございました!」(村上てつや)
イベント同日、ゴスペラーズの新曲「抱きしめて」が、テレビ東京・金曜8時ドラマ『執事 西園寺の名推理2』(4月19日スタート)の主題歌に決定したことが発表された他、6月には、ゴスペラーズ主催コラボレーションライヴイベント『ゴスフェス』が控えている。ゴスペラーズの25周年プロジェクトは始まったばかり。これから続々と、嬉しい発表があるだろう。
ライブ情報
【ゴスペラーズ 25th Anniversary “ゴスフェス”】
2019年6月22日(土)23日(日)東京国際フォーラム ホールA
<22日ゲスト>
加藤登紀子、佐藤善雄、妹尾 武、TOKU、藤井フミヤ、May J.、ほか
<23日ゲスト>
佐藤善雄、TOKU、広末涼子、RHYMESTER、Little Glee Monster、ほか
■ゴスペラーズ オフィシャルサイト
■『The Gospellers 25th Anniversary tribute 「BOYS meet HARMONY」』特設サイト